ディクスン・カー(カーター・ディクスン) Part3

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238書斎魔神 ◆SMz4F/WzF2
今回の講義のテクストとしては、
ダグラス・G・グリーン著「ジョン・ディクスン・カー<奇蹟を解く男>」(国書刊行会)
を推薦しておく。受講生は各自目を通しておくこと。心して読め!自学自習を心がけろ!

さて、ディクラインするべきカー作品、これは後期に書かれた歴史ミステリかと思う。
カー自身は歴史ミステリに力を入れて取り組んだようだが、普通の日本のミステリファンが
読んで面白いものは無い。
日本の読者はカーの趣味に付き合う必要は無いわけである。
もし私がカー担当の編集者であったなら、自己の趣味に走り過ぎるジョンに、
かく言うかと思う、「甘ったれるな!」と。
そこで歴史ミステリを除外した長編ベスト(必読と言い換えても良い)10作を
セレクトしておく。(一応順不同)

 1 夜歩く
   バージン作でありながら、初期の暗く重いカー作品の魅力が全開。
 2 髑髏城
   怪奇探偵冒険小説の極致とも言い得る作品。
   とにかく髑髏城というアイデアがそのものが素晴らしい。
 3 マッド・ハッター
   これはカーらしいオカルティズムと謎解きが巧くマッチチングした佳作。
 4 三つの棺
   有名な密室講義だけでも熟読の価値あり。オカルティズム満載でカー節が全開の作品。
 5 曲った蝶番
   歴代館もの怪奇探偵小説の最高峰に位置する作品。
   バカミスの要素があるのもいかにもカーらしい。