エドワード・D・ホック

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394書斎魔神 ◆AhysOwpt/w
ここまで「クィン氏の事件簿」に関する俺以外の連中のレスを読んで来て、
この作品でアガサが意図した趣向を全く理解出来ていないということがわかった。
まず、第1話で物語のポイントである過去の事件に関してクィンに的確な謎解きをさせ、
彼氏の名探偵ぶりを示しておく、以後は一見、後景に下がったように見せながらサタースウェイト
を傀儡として謎解きを展開してゆくのがこのシリーズの趣向なのであり、
この点は最終話におけるサタースウェイト爺の
「・・・すべてあなたがしたことで、わたしではありません」、
この台詞に集約されていると言い得る。
ミステリにおいては単なる傀儡的人物を探偵と称することに妥当性はなく、
前述したとおり、本作における実質的な探偵はクィン氏をおいて他にはあり得ない。
さすがにミステリ主体の出版社だけあって、創元も早川も本作の趣旨を的確に理解した売り方
をしており、登場人物であるサタースウェイト爺自身も自覚(探偵趣味はあっても探偵という意識はない)
していることがわからない連中山積という現実は嘆かわしいと言わざるを得ないものがある。