【Tが無矛盾ならば】ゲーデル問題【~[T|-Con(T)]】
ミステリーにおける「ゲーデル問題」について語ってください。
あぼーん
結局どういう問題なの?
自分が書けないことを哲学的理由にこじつけようとした作家兼評論家と、
お得意の哲学的理論でミステリー界を牛耳ろうとした評論家兼作家が
作り出した問題。
【ゲーデル問題の定式化】
> 作品中の手がかりが“本物か偽物か”を判断することは、作中人物には絶対
> にできない……それが可能なのは“その作品世界の1つ上のメタレヴェルに
> いる作者だけ”である、と。つまり、作者自身がメタな形で作中に介入して
> こないかぎり、真にフェアなフーダニットパズラーは成立しないということ
> になるわけです。
引用元:
ttp://www.cc.rim.or.jp/~yanai/ref24.html
>>6 のサイト読んでみた。
>すなわち、名探偵の存在を前提としたフーダニットパズラーが、読者に対して
>フェアであろうとすればするほど、それ自体大きな矛盾を抱えこんでしまうこ
>とになるわけです。
ってところがよくわからん。「フェア」ってどういう意味? なんで矛盾するの?
アフォな漏れにもわかるように解説してくれ。
たぶんゲーデルの不完全性定理をやたら引用するやつは
公理系と非公理系の区別がついていない。
ゲーデルは全ての論理は無矛盾でありえないなどと
言っているわけではない。
>>8 それそれ、試しに法月論文を知り合いに読ませてみたら、
全く同じことを言ってた!
10 :
名無しのオプ:03/11/23 16:50
作中の名探偵が到達した結論が、本当に真実かどうか、
当の名探偵には証明しようがない。
まあ、そういうこともあるだろ。
だからといって「神or超能力者なので、自分の推理が真実であると知っている探偵」
とか「推理そのものを楽しんで、それが真実かどうか知ったこっちゃない探偵」
を出してきて、それが「ゲーデル問題の解決策」だと言われてもなあ。
百害あって一利なしの議論だと思う。
11 :
名無しのオプ:03/11/23 16:57
厨房質問でスマソ。これはいわゆる「後期クイーン問題」と同じものなんですか?
>>9 法月論文ってどこで読めるの?
何かの本に掲載されてる?
13 :
名無しのオプ:03/11/23 17:02
>>12 法月綸太郎、「初期クイーン論」、『現代思想』1995年2月号(特集=メタ・ミステリー)、青土社。
>>13 サンクス。
手に入れるの無理そうだなあ・・・
15 :
名無しのオプ:03/11/23 17:11
>>14 これ、『謎解きが終ったら――法月綸太郎ミステリー論集』にも採録されてないん
だよね。古本屋を地道にまわるか、図書館でコピーするしかないか…。
e-Novelsで買えるっぽい>初期クイーン論
17 :
名無しのオプ:03/11/23 20:52
18 :
名無しのオプ:03/11/23 20:59
いかなる事柄においても、そのものに何か不信を抱かせるような点については、
ややもすれば誤解させそうな点についても、べっして入念に反省を与えつつ、
私の心からそれまでにそこに忍び込んでいたあらゆる謬見を根こそぎ抜き去るようにした。
なんてな。
とりあえずゲーデルの不完全性定理の大まかな内容
「無矛盾な公理系は証明不可な定理を持つ」
21 :
名無しのオプ:03/11/23 22:38
>>20 それは第一のほうだね。なんか、私の印象だとむしろ第二不完全性定理との
アナロジーで語られているような気がするんだが。
>>20 一応つっこんでおくと、証明不可能なものはそもそも「定理」とは
呼ばれないよ。証明不可能な「文」あるいは「命題」と言うべき。スレ汚しスマソ。
つまり「定理」っておれがいってるのは否定できない命題のことで
「証明可能」ってのはたしか有限個の公理をつかって導けるってこと
この「証明可能」ってところがものごとを
うさんくさくしてるように思う。
24 :
名無しのオプ:03/11/23 23:00
>>18 で挙がってる法月スレから引用。
> 665 :名無しのオプ :02/12/31 18:03
>
> ミステリにおける探偵というのは、あくまで外部の存在。事件が起こった後からやってきて、
> 巻き込まれた人に救いの手をさしのべ、トリックを暴き、犯人を指摘する。事件が解決すれば、
> そのまま去っていく。関係者や犯人の、その後の人生に関わることは一切無い。
>
> これが従来のパターンだが、そこを崩して、探偵も内部の存在であるとする作品が、クイーン
> の後期によく書かれた。事件を解決したと思ったら、真犯人の狙いで間違ってたとか(十日間の不思議)
> 謎解き・犯人指摘に酔って、犯人を自殺させてしまうとか(九尾の猫)。
>
> 探偵活動によって、関係者の生き死ににまで関与してしまう。そこから果たして探偵が
> 他者の生殺与奪まで握るのは是なのか、そもそも探偵は何の権限で事件に首を突っ込み、
> 他人の人生に関与するのか、といった推理物、探偵物の根本そのものに疑義を投げかけ
> る思考が生まれた。これが「後期クイーン問題」。
これがいわゆる「後期クイーン問題」なのだとしたら、こういう観点はたしかに
作品の作り方そのものに影響を与えそうだが、
>>6 に挙がってる「ゲーデル問題」
とやらは、単に当たり前のことを言ってるだけのような気がする。ゲーデルの定理
と何の関係もないのは、まあいいとしても、なんでこんなものがそんなに大事な
問題なの?
>8
>公理系と非公理系の区別がついていない。
この辺の詳しい解説が知りたいもにゅ。
>>25 ゲーデルの不完全性定理というのは、ある条件を満たすような公理系(理論)
についてのみ成り立つ、ということ。
しかもこの場合の「公理系」というのは、なんらかの形式言語によって記述さ
れたものでなければならない。(形式言語というのは、その言語に含まれる語
彙が確定的に列挙されており、しかも任意の文に対し、それがその言語で文法
的に正しいとされる文であるかどうかが、機械的に判定できるような言語のこ
と。)
第一不完全性が成り立つ公理系(理論)は、「ロビンソン算術」と呼ばれる、
数学的帰納法図式を含まない自然数論の公理系、およびその再帰的拡大に
なっている公理系に限られる。
一方、第二不完全性定理は、ロビンソン算術に数学的帰納法図式を加えた、
「ペアノ算術」と呼ばれる公理系、および、その再帰的枚挙可能拡大になって
いる公理系についてのみ、成り立つ。
用語の定義等、これ以上の説明は激しくスレ違い・板違いなので、例えば、
田中一之(編著)、『数学基礎論講義:不完全性定理とその発展』(日本評論社、1997年)
あたりをご覧くだされ。スレ汚し失礼。
>26
なんだか分かったような気がしました。
嘘です。当たり前の話、サパリ分からんですわ。
ご推薦の本、読んでみます。
ご回答ありがとうございました。
>20はやばい。
公理系と非公理系の区別がついていない、というのは、ゲーデルの不完全性定理それ自体だけを
問題にする限り、全くその通りだと思う。
ところが皮肉なことに、ゲーデル自身が完全性定理より導き出した哲学的帰結を公演の中で
発表しちゃったから、話がややこしくなってんだと思う。
多分非数学者の言う不完全性定理は、この哲学的帰結に重きをおいている。
それとタルスキーの証明が結びついて、「あるシステムの真理性は、そのシステム内部では
定義不可能である。」という定理が得られているわけだから、公理系と非公理系の
区別がついていないと斬り捨てちゃうのは、少し気の毒な気がするんだけどなぁ。
ゲーデル自身が完全性定理より → ゲーデル自身が 不 完全性定理より
不ぬけでした。
卑近な例を出せば、
名探偵が推理の材料にした手掛かりが、実は真犯人の誘導だった、
とかって話だよね。
で、麻耶の「翼ある闇」以降、国産ミステリの方向が変わっていったと。
>>26 わざとわからないように書いているとしか思えない文章だ。ワロタ。
誰か噛み砕いた感じで教えてくれよ。
>>32 気持ちはわかる。
ただ、不完全性定理に関する様々な誤解がこれほどまでに広まってしまった
原因は、
>>26 に書いてあるような内容を下手に噛み砕いて説明してしまった
ことにあると思うんだが…。
実際、誤解を招かない程度の厳密さで不完全性定理の内容を説明するには、
本一冊の分量がどうしても必要となってしまう。
35 :
名無しのオプ:03/11/24 13:40
e-novelsで法月評論売ってなかったっけ?
36 :
名無しのオプ:03/11/24 22:07
結局、この問題をミステリに持ち込んだ理由は何?
純文学の評論で、生煮えのゲーデル理論が用いられていたのを
上の方で指摘されていた公理系・非公理系の誤解をそのままに直輸入しただけじゃないのか。
37 :
名無しのオプ:03/11/24 23:41
法月綸太郎インタビューで読んだ記憶があるのだが……
「純文学の世界で柄沢行人がどうとかゲーデル(の名を挙げていたかは不明)とか
言ったら笑われますよ。でも、ミステリ界ではみんな感心してくれるんですよね」
という発言、いったい何に載っていたものだったか……。
39 :
名無しのオプ:03/11/24 23:47
>>36 私もそれが知りたい。実際、この問題ってどの程度作品づくりに影響をおよぼ
したんだろ。
>>37 「柄沢行人がどうとか」
揚げ足取りですまんが、そりゃ笑われる
>>36 クイーンの「十日間の不思議」とかその辺が
きっかけじゃない?。作中の手がかりに基づいて
名探偵が謎を解き明かす、という本格ミステリの
作法そのものが揺るぎ始めたわけで。
42 :
名無しのオプ:03/11/25 00:57
>>40 悪い悪い、「柄谷」でしたね。あー、恥ずかし。
43 :
名無しのオプ:03/11/25 10:57
>>41 そこなんだよ。果たして本格ミステリは、本当にそこで揺らぎ始めたのか?
作中の探偵クイーンが苦悩したからといって、作者クイーンが苦悩してるとは限らないぞ。
探偵クイーンが自分の謎解きに絡め取られて挫折しかかるのも、
作者クイーンにしてみれば、全て計算されたドラマの一シーンに過ぎないんじゃないのか。
>>39 過去においては絶無だと思う。クイーン自身、そんなもんに影響された気配はない。
笠井-法月理論が出てから、おかしな設定の探偵役が出てきたり、
解決に重きを置かなくなったりしたミステリが増えたような気がする。
それが彼らのデマゴーグの影響だったとしたら罪なことをしてくれたもんだ。
まぁ、“たかがミステリ”で苦悩するという芸といえば芸なわけで、
ノックスの十戒みたいにある種の馬鹿話として捉えるのが一番良いとは思うのだが、
しかし芸人本人はその芸を追及していると、どんどんドツボにはまっていき
本気と冗談の境界を失う。そうすると観てる客側も笑う笑えないの境界が曖昧になる。
そんな状態なのかなあ・・・我ながら書いててよくわからないが。
>>43 クイーンが本当の所どう思っていたかなんて分からんけど、クイーンのせいで、
自己の存在意義に疑問を抱かない探偵は倫理的に不誠実な人間である、
と思われてしまうような風潮ができてしまったというのはあるね。
所詮フィクションだから楽しければいい、と純粋にエンタメを追求する作家なら
ともかく、多少文学よりの作家だと、そこを避けてしまえば作品のテーマ自体
絵空事になってしまうと悩むはめになるんじゃないかな。
つーか、なんで物語世界の探偵が悩む必要性があるの?
作者と読者は一歩高い次元にいるんだから
作者自身が分かってればんなこたぁ関係ないと思うけれど。
そこは作者と読者の暗黙の了解事だろ。
悩むのは勝手だけど、ミステリの永遠の命題みたいに言われると萎える。
これに関しては禿人のスタンスが一番明快で分かりやすいし
これが一般の読者の感想ではなかろうか。
48 :
名無しのオプ:03/11/25 19:15
>>46 作中の探偵以上に、ミステリ作家に対して
「ゲーデル問題や後期クイーン問題を意識しない奴は不誠実だ」
みたいな風潮はできたみたいだね。
これに対する回答を作品においてしなくてはならないとか。
ありもしない問題をでっちあげて、対処しろと迫る。
こういうのをマッチポンプと言ったりして。
49 :
名無しのオプ:03/11/26 00:09
法月論文読んで、そのあまりのトホホぶりにがっくりしました。
>>47 まあそうだわな。
実際メタの視点抜きでミステリを書いたとしてだ、そうすると現実と同じ割り切り方をしないといけないわけで、
解決編では探偵が犯人を指摘した後、法廷での検察側と弁護側の駆け引きが詳細描かれて、
10年後に懲役15年が宣告されたなんていうカタルシスのかけらもないエピローグがつくことになるわけだ。
そんなもんは誰も求めちゃいないわな。
てかそれっていわゆる社会派に近いのかな?
>>51 メタの視点っていうのは、そういう意味じゃない。
53 :
名無しのオプ:03/11/26 01:04
>>43 法月論文って、そもそも「理論」と呼べるものは何も提示してないように
思えるんだが。
書いてあることといえば、柄谷の「形式化」をめぐる考察において指摘され
ている「ゲーデル問題」と同型の構造が、推理小説の歴史における
ヴァン・ダイン → クイーンの流れにおいても発見されました、という点に
尽きてるし。
何か勘違いしちゃった柄谷=法月エピゴーネンがいたってこと?
54 :
名無しのオプ:03/11/26 02:13
実は柄谷自身が、ゲーデルの原典にきちんと当たったわけではないとも聞いた。
それをさらにミステリに引っ張ってきただけの「後期クイーン問題」って……。
>>54 柄谷が不完全性定理をほとんど勉強していないことは、ほぼ間違いない。
法月論文で引用されてる柄谷による数学に関する記述は、ほとんどがでたらめ。
だから
>>29でも言ったけど、柄谷以降にゲーデルの不完全性定理そのものと
ゲーデル自身が完全性定理より導き出した哲学的帰結が混同されるようになった。
この辺に最大の問題があるわけで。
さらにそれを法月がミステリに援用したことで、二重にねじれた。
だいたい法月論文自体が洒落なんじゃないかな。言い訳を理論化するという。
彼はミステリにおける「ヴェニスの商人の資本論」みたいなことをやりたかったんだと思う。
ニューアカ世代だし。
>>52 ん?
作者による介入のないミステリって現実そのものじゃないの?
>>56 > だいたい法月論文自体が洒落なんじゃないかな。言い訳を理論化するという。
たしかにあの論文にはそういう雰囲気があったね。どの程度本気なのか、
よくわからないところがあった。
59 :
名無しのオプ:03/11/26 13:18
「洒落ですんだら警察いらんわい」ってとこか。
だとするとJ*NK L*NDの人みたいにトップページの
日替わりエッセイで(古い分は順に押し出されて消えて行くので残ってない)
「現代のミステリ作家ならゲーデル問題に誠実に対応しろ」と
ずーーーっと訴え続けてきた人の立場はどうなるのよ。
プレ綾辻時代から本格を追い続けてきたらしいこの人のミステリ観は
かなり信頼のおけるものだったけど、
法月・笠井理論にハマってから完全にイッちゃったみたいで残念。
だいたい物事ってのは言葉だけが先行するものだが、
「後期クイーン(的)問題」ってのはとくにその感じが強いね。
西尾維新の最新刊にもこの言葉が出てたりするのをみると、
ある意味でただの「商標」になっているような感じすらある。
61 :
名無しのオプ:03/11/26 17:51
>>60 それだけに罪深いといえる。
まして、この問題を提起した動機が
「自分が書けないことの正当化」であるとしたら。
(娯楽)映画で、不必要にリアリティーを追求するような不毛さがあるな。
63 :
名無しのオプ:03/11/26 18:53
>>59 J*NK L*NDが新本格の多様化について
言及すると「新本格の多様化ってどうよ」スレが立ち。
ゲーテル問題に言及するとこのスレが立った。
前にも似たようなことが何回も。
どうやらミス板には、あそこに変に感化された厨がいるもよう。
64 :
名無しのオプ:03/11/26 20:41
笠井の本でもそうなんだけど、これってたんなる「トンデモ系のお話」でしょう。
吉野仁とか隠れて悪口いってないでちゃんと批判しろよな。
吉野は君たちが思っている以上に馬鹿なので批判なんてできっこないよ。
せいぜい、いちゃもんをつけるだけ。
「トンデモ系のお話」を真面目な顔で批判してたらそれこそ馬鹿だがな
67 :
名無しのオプ:03/11/26 21:49
>>66 いや、トンデモ系の人たちは、
当人たちは大まじめであるにしろ(ユダヤの陰謀論者だとか)
ガセだとわかってるにせよ(ノストラダムスの五島勉だとか)
結果として世を誤ったわけでしょ。
ユダヤ陰謀説がもたらした被害はいうまでもないし、
五島のあの本がなければ、地下鉄サリン事件はかなりな確率で起きなかった。
それはあくまで大まじめに批判しなくちゃいけないでしょ。
むなしい作業だとは思うけど。
でも上の方で説明されてる「後期クイーン問題」に関して言えば、それに関して考えようが考えまいが自由なわけで
別に無害なような気がするんだが。
むしろ問題なのは全く関係のない、しかも間違った理解で不完全性定理を持ち出して、あたかもそれが必然のように
主張しちゃったと言うことなのでは。
上で「洒落」という言葉を使った者だけど。
多分法月は、笠井と違って自分の理論なんて信じちゃいない。
一種の知的遊戯として理論化して見せただけと思うよ。
その辺がニューアカ世代の法月とポスト構造主義者へのルサンチマン剥き出しの笠井との違い。
ちょうど、同じ手がかりでも解釈が変わってしまうような(ある意味「毒チョコ」的な)話を
組み立てるのと同じで、こんな風にテクストを脱-構築してみましたという感じ。
罪深いちゃ罪深いんだけど、半分ホラ話を真面目に信じ込むのも純情すぎると思う。
まさに「ヴェニスの商人の資本論」とか「ハムレットの方へ」の方法論と同じ。
「間違った理解で不完全性定理を持ち出して」というより、「都合のいいところだけ」ツギハギして、
ひとつのロジックを組み立ててみる」という感じなんだろう。
でもそれって、作中の名探偵たちの方法論と同じなんだよ。
ミステリの謎解きと同じ手法で評論を書いてみたら評判をとって、それどころかそれが手枷足枷になって
困った、ますます新作が書けない、と呻吟していただけじゃないのかな。
>>51 いやいや、作者も読者も両者が
あくまで「フィクションである」と割り切ってたら
現実に即して検証する必要性など全くないと思うが。
クイーンの国名シリーズなんか良い例。
悩む前のがよっぽど面白い。
71 :
名無しのオプ:03/11/26 23:20
>>69 >多分法月は、笠井と違って自分の理論なんて信じちゃいない。
>一種の知的遊戯として理論化して見せただけと思うよ。
>評論を書いてみたら評判をとって、それどころかそれが手枷足枷になって
>困った、ますます新作が書けない、と呻吟していただけじゃないのかな。
みごとな法月分析だ、これで長年の疑問がすっかり解けてしまった・・・。
カーなんかも一応この問題に思いは至ったんだろうね。
「わしらは探偵小説の登場人物なんだから」なんて台詞を
作中で探偵役に言わせてるあたり。
74 :
名無しのオプ:03/11/27 00:07
えーと法月の評論ってあきらかに馬鹿にされてるよ。
だから吉野や関口はちゃんと批判しろよ。まったく。
評判がいいと思ってるのは新本格グループだけですよ。
最近、笠井や法月より、茶月関口のほうがすごいんじゃないかと
思いはじめました。すごいってのは面白いってことだけど。
75 :
名無しのオプ:03/11/27 00:13
最近、笠井法月より関口茶月の方がまともなんじゃないかと思ってます。
吉野、茶月、関口はちゃんと批判しろよ。こそこそ悪口言うだけじゃなくて。
>多分法月は、笠井と違って自分の理論なんて信じちゃいない。
>一種の知的遊戯として理論化して見せただけと思うよ。
これって法月を馬鹿にしてるんじゃないかな。
MAQとかの新本格グループ以外は決して評価高くないよ。
馬鹿を呼び寄せたみたいだな
>ちゃんと批判しろよ
というのは、その通りだと思う。
でも、馬鹿にされているとか評価が低いというんなら、それを期待しても無駄なんじゃないかな。
そう認定するということは、要するに批判する価値すらないということなんだから。
ある意味、法月理論と言うのは荒唐無稽な密室トリックと同じなんじゃないか。
密室を開けたら、膝をかかえた、ゲーデルさんの宙吊り死体があった。
そうだ、犯人は、ゲーデルさんの体を滑車にして密室を完成させたのだ!
と、ありえない話を華麗なるロジックで説明してみせる。
ある人は馬鹿馬鹿しい、そもそも摩擦力の理解が…などと言い、ある人は、
すごい!人間を滑車にして密室を作れるんだ、と無邪気に信じ込む。
どちらも態度しては、?だと思う。
このロジックに対する有効な批判は、密室と宙吊り死体から全然別の、より面白い解決を
導き出すことじゃないかという気がしてしょうがない。
その意味でも評論家は噛み付くのではなく、より面白い「批判」をするべきなんだ。
多分、法月自身の肩の荷を降ろしてやるためにも。
確かに
>>69の言うとおりかもしれないが、
法月はミイラ取りがミイラになったという感じ。
ああいう理論は考えれば考えるほどドツボに嵌るというか。
法月は悟りの境地を開くまでもう立ち直れないかとw
クイーンのせいでといわれるけど、クイーンは当時のハードボイルドからの
批判に対応しただけでしょ。別に後期クイーン問題なんて気にしていない
と思うが。
新本格の連中がありもしないクイーン像を作り上げただけじゃないのか?
法月の「ミステリ界ででは感心された」って本当かよ。
82 :
名無しのオプ:03/11/28 00:37
>>81 たしかにやや信じがたい気もするが、「ゲーデル問題」でググってみたら、
かなりまともに受け取ってる人々が結構いるのにビクーリ!
釣り師の才能はあるってことか
84 :
名無しのオプ:03/11/28 01:23
吉野、関口、茶月、豊崎あたりはガンガレ。
85 :
名無しのオプ:03/11/29 02:15
池上も追加で。
俺は法月作品好きだな。がんがって欲しいよ。
87 :
名無しのオプ:03/11/29 02:36
>>86 そうか。話はずれるけど「頼子のために」読んだか。
あれ最後の2Pぐらい、本格の悪いところ凝縮してなかったか。
つけ加えて密閉もひどいと思うけど。
この板では少数派なのかな。
読んだよ。多分本になってる小説は全部持ってると思う。
>87の意見はまあ真っ当じゃないかな。同感だよ。
でもなんつーか、そういう所もひっくるめて好きっつーか
何か憎めないっつーか、そんな感じなわけよ。
俺にも何でなのかよくわからないんだけどさw
法月は「頼子のために」はまあ良いとして、
「一の悲劇」「ふたたび赤い悪夢」が酷過ぎる。
短編は近作も出来がいいのに、長編となると駄目なのは何故だ?
のりりんの小説がパズラーだから
二階堂って小説はダメだけど、この問題に対しては正しい対応してるな。
ミステリーって、フーダニット(パズル)としての要素も大切だけど
小説(物語というか小説というか)として面白いかどうかも重要だと思うなぁ。
極端に言えば、推理クイズみたいな小説は読んでも面白くないと思うし、
論理的に正しくても(ゲーデル問題もある程度解決していたとしても)
「お話」として魅力的でなければ読んだ後の満足感は得られないんじゃないかな。
確かにご都合主義的な「解決編」を読まされるのもどうかと思うけど、
論理的ではあっても面白くない場合もあると思うなあ。具体的に作品名は
あげないけど、「ああそうですか」というような感想しかなかったのもあるし、
それよりは多少無理があっても「面白い」小説はあると思う。
菜~んにも考えてないよりはいいかも知れないけど・・・
>でもなんつーか、そういう所もひっくるめて好きっつーか
>何か憎めないっつーか、そんな感じなわけよ。
こう言われちゃうと、何もかも無意味になってしまうな。
その作家を愛しているから、書かないことも含めて何でもオッケーってのもなあ。
>>93 まあ、それだけ真剣に書いてるっていうことでもあるわな。
毎回同じようなネタで「量産」されても嫌だし。
95 :
名無しのオプ:03/12/02 15:27
この問題を意識したおかげで生まれた優れた作品って無いのかな?
殊能将之
殊能はこの問題に悩んだ新本格作家達を反面教師にしているような気がするが。
>>94 寡作どころか作品を書かないことを「誠実」と言いくるめるのは納得できんな。
>>95 もともとミステリの本質とは無縁なところでひねり出された屁理屈
(しかも一説には法月綸太郎がおふざけでデッチあげたものだという)
が、傑作を生み出す助けになるわけないじゃん。
それどころか、ゲーデルだの後期クイーンだのと無縁なところで書かれた傑作を
「この作家は法月綸太郎が提起した重要な問題に取り組んでいない。けしからん」
とかいって否定したりしたんじゃないか。
かつてのサヨクが「革命思想を理解していない」という理由で
何でもかでも潰しにかかったみたいに。
100 :
名無しのオプ:03/12/03 10:09
>>99 ナルホド。ここでも笠井のダメサヨクっぷりが絡んでくるのね。
>>99 別に言いくるめるつもりはないよ(w
価値観の問題もあるだろうけど、ある程度割り切って定期的に
出すのと、納得できないものは出さない(ちがーう!ガシャーンみたいな?)のと
どっちがいいかな。
最初からいい加減にノルマとして書いてたり、さぼってて書かないのは
また別の話だけどね。
とりあえず書かないことには
前進はないよな。
103 :
名無しのオプ:03/12/03 12:23
>98
反面教師というよりか単にばかにしてるだけだと思う
>>99 >それどころか、ゲーデルだの後期クイーンだのと無縁なところで書かれた傑作を
「この作家は法月綸太郎が提起した重要な問題に取り組んでいない。けしからん」
とかいって否定したりしたんじゃないか。
これの主語って誰なの?
なんかさ、小説家として他にもっと悩まなきゃならないことが
あるんじゃないかという気が激しくするんだが。
107 :
名無しのオプ:03/12/04 02:15
>>106 これこそ悩むに値する問題らしい。
話がずれるが、昔綾辻が対談で「本格は書くのが大変なので量産できない」と言っていた。
あのな。傑作を書くのはどんなジャンルだろうと大変なんだよ。あほか。
駄作を量産するのは簡単だろ。某二階堂をみろ。
よく考えてみると、
「書くのが大変」はどのジャンルでもいえることで、
「量産できない」もまたしかり。
「本格を量産できない作家」が他ジャンルを手がけた場合、量産できるのかな。
あと「本格は量産できない」というのは、誰が言い出した伝説なのか
ちょっと興味あるね。
情熱があれば別だろうけど。
クイーンやカーみたいに。
111 :
名無しのオプ:03/12/06 23:49
>>110 ヴァン・ダインが言うなら許せるけど、アーヤが言うと腹たつ。
ヴァン・ダインも相当なドキュン作家だと思うが。
たぶん当時は「うるせぇよテメェが言うな」なんて思われてたんじゃないのかな?
(特にイギリス作家勢にw)
113 :
名無しのオプ:03/12/08 23:49
>>112 綾辻よりまし。
ましてや二階堂よりまし。
114 :
名無しのオプ:03/12/08 23:59
>>91 具体的にどういう風に対応してるのでしょうか。教えて貰えると嬉しい
です。
115 :
名無しのオプ:03/12/09 00:11
>>114 えーと、二階堂はそんな問題なんてなかったものとして対応してます。
普通の小説の傑作と本格物の傑作は両方簡単には出来ないけど
その理由がまったく違うように思いますが
>>116「普通の小説の傑作と本格物の傑作は両方簡単には出来ないけど」
それなら他のジャンルが簡単に書けるみたいなことを言うなよってこと。
新本格連中は自分がすごいことをやってると思ってるんだな。
>>117 ああ、それは良くないですね
どちらかと言うと普通の小説の傑作の方が難しいですしね
本格を書いている人の言い分としては
本格としての手枷足枷を強調したいのだと思いますが…
何となく話がずれてるような気がするが?
>>118 それはわかるんだけどね。
でもどんなジャンルにも手枷足枷ってあると思うのよ。
>>119 すみません
>>120 それはそうですが、本格の枷は本気で守ろうとしたら相当きついと思いますよ
ここで問題なのは本格「かつ」小説としても傑作だとしたら
二重に困難だと言うことです
釈迦に説法だと思いますが…
>>121 本格「かつ」小説としても傑作ってのを目指す必要はないでしょう。
本格ミステリで傑作だったら書けるかというとそんなわけないし、
SFの傑作なら簡単にかけるのか、私小説の傑作だったら楽なのか、
全部そんなわけないでしょ。
本格マニアって他のジャンルが頭つかってないと思ってるのかなと
実はちょっと思います。
そんなわけないじゃん。
>>122 やっつけ仕事の人を除くとして
小説家である以上どのジャンルの小説家でも
小説としての傑作を望んでいると思いますよ
もしも小説としてのデキは一切問われないのなら
本格推理小説の傑作はパズルということになるのではないでしょうか?
ですが「小説」である以上パズルを書いても評価されません
そういう意味で本格の傑作は困難だと思います
ただ、どれほど本格推理小説を書くのが困難だとしても
そのことは誇ることではありません
小説は小説自体を誇るものだと思います
124 :
名無しのオプ:03/12/09 06:25
ハードSFに比べれば本格なんて簡単。
てことはハードSF+ミステリなホーガンは神と言うことですか?
127 :
名無しのオプ:03/12/09 08:54
乱歩は初期の傑作短編を月一ペースで発表。
横溝は「本陣殺人事件」「蝶々殺人事件」を同時連載。
「本陣」終了後、ただちに「獄門島」スタート。
鮎川は「黒い白鳥」「憎悪の化石」を並行執筆。
その間に短編や児童もの、シナリオも。
クイーンは1932-35年にかけ、国名シリーズ6冊とレーン四部作を執筆。
ふーん……確かに本格は量産できませんね。
微妙に勘違いしてるな。
>>127 短期間に量産できるかどうかではなく
量産するとネタ(トリック)が詰まってくるからでしょう
これは他の作家が量産してもネタがかぶれば駄目だと言われるからつらい
特に本格好きの人の中にはネタに評価の重点を置く人がいるし
もちろんつらいのを無理して書いているからといって偉いわけでは……
131 :
名無しのオプ:03/12/09 17:16
要は「本格は量産できない」を言い訳にして自分を許してる作家と
「いつまでも待ってるよ」なんて甘やかす読者のズブズブの関係が問題なわけっしょ。
で、書けない理由になるものならゲーデルでもクイーンでも引っ張ってくると。
つまり、これこそ「ゲーデル問題」なわけだ。
人のことを悪いように悪いようにと解釈したがる奴のいることが問題なわけっしょ。
>>131 そのとおりですね
ゲーデル問題なんてどこが問題なのか分からないですし
また、本格の傑作が量産できないなら
その合間に変格の傑作を書けば良いわけで……
もっと言えば純文学でもエッセイでもそれが傑作なら作家の評価は落ちません
むしろ天才的だと思われるはずなんですよ
作家が書いても書かなくてもそういうのはその作家のファン以外には
どっちでもいい気がするが。
書かなきゃその作家の生活が成り立たないだけで。
本格界って異常に「書かない」ってことを糾弾している気がする。
本格作家はすべからく本格を守るため作品を発表し続ける義務がある、
みたいな。
>>134 >本格界って異常に「書かない」ってことを糾弾している気がする。
ミステリは再読しないものだという前提だから、
常に新作が出ていないと飢えてしまうのでは。
>>135 そうか?本格以外は再読出来ると思うが。俺が本格が嫌いなのも
そこだけど。
なんで再読できないのが嫌いなのに繋がるのかよく分からんな。
(嫌いなものは嫌いなんだろうけど)
金がもったいないから?
>>136 それはトリックに重点を置きすぎて、読み物として低いと感じるからでしょう
(本当に低いかどうはおいておくとして)
また、この場合は金よりは時間でしょうね
>>138 ロジックやプロットを読めようになると急に本格の再読が面白くなるよ。
でも、そうなると今度は新作に不満を感じるようになったり。
>>134「本格界って異常に「書かないってことを糾弾している気がする」
いやそうじゃないよ。 書く書かないではなくて、本格(だけ)は書くのが
難しいってなことを本格ミステリ作家もマニアもいうから、反感かってんでしょ。
本格ファン以外から。
(このスレの流れはそうだよね)
まあ小説である条件は再読できるかどうかということだと考える人も
いるってのは分かった
>本格(だけ)は書くのが
難しいってなことを本格ミステリ作家もマニアもいうから
こんなこと言ってる?本格は書くのが 難しいとは言ってるとは思うけど。
「和食は奥が深い」と和食料理人が言うようなもんじゃないの?
筒井康隆は「ミステリを書くのは難しい。時間がかかる。もう書かない」なんてことを言ってたな。
>>138 そもそも本格をクイズとしてしか捉えられないなら、
初読であっても楽しめないんじゃない?
再読できるかどうかはあんまり関係ないと思うが
再読に耐え得るかなんて事はジャンルに関係ない。
単に読み手の好みのこともあれば、もともと
再読という習慣の無い奴もいる。再読の動機は
人それぞれだからな。
>>145 本格は本質的にクイズ・パズルでしょう
理由は明確に答えが出ることにあると思います
(普通、明確な答えが出ないものは本格とは言われません)
再読に足る本格は実は本格と関係ない部分であることも多いです
探偵をはじめとしたキャラクターとか文体とかサブストーリーとか
みんなは三回以上再読したミステリってある?
俺の主なところは、
『そして誰もいなくなった』『中途の家』『火刑法廷』
『ナインテイラーズ』『レディに捧げる殺人物語』『樽』
ってところかな。国産ものだと『りら荘事件』くらいか。
本質的にはどうであれ、クイズそのものではないと思うが。
そこに謎や解を美しく映えさせる演出があるから、本格は面白いんだと思う
>>149 そこが本格嫌いの人にとって物足りなく感じる部分では?
本格はどうしてもトリックの妙を求められます
そこでトリックのネタが分かると興味が半減してしまうのでしょう
本格が嫌いな人にも横溝氏などは比較的好まれるように思います
すでにここは何についてのスレかわからないな。
>>147「再読に足る本格は実は本格と関係ない部分であることも多いです」
本格マニアのこういう言い方がわからん。その部分もひっくるめてその
本格ミステリが面白いかどうかを判断するんじゃないのか。
「小説としては面白いがミステリとしてはどうか」みたいな言い方もそうだけど。
すまんけど、そこ、がどの部分を指してるのか分からないんだが・・・
>>151 >すでにここは何についてのスレかわからないな。
えー…そのとおりですね(w
特に自分は本格マニアじゃありません
どちらかと言うと変格好き(本格の名探偵キャラは好き)です
で、なぜひっくるめないかと言うと
本格はトリック+トリックの装飾の傾向があるからです
言い換えると、小説家としては素人でも
ずば抜けた本格トリックを用いれば認められる傾向にあるからです
純文学では普通そういうことはないと思われます
ライトノベルなどが字で書いた漫画と言われたりするのは
同じような問題かもしれません
>>153「本格はトリック+トリックの装飾の傾向があるからです」
ただそれはいい傾向じゃないんじゃないか。日本だけの特殊な傾向じゃないの。
>>149 >謎や解を美しく映えさせる演出
ここですね
演出に過ぎないと言うことが不満点になりやすいと言う意味です
昔から言われる「カラマゾフの兄弟」は文学としては高等だが
ミステリーか?あるいはミステリーとして高等か?という問題も同様でしょう
ちょっとスレ違いになってきたのでとりあえずここまで……
もしもレスした方が良さそうならそうします
>ずば抜けた本格トリックを用いれば認められる傾向にあるからです
必ずしもそうではないと思う。
重要なのはトリックそのものよりも、見せ方・生かし方にあるんじゃないかな。
同じトリックを用いても作家によって全く見え方が違うだろうし、
作品の評価も変わってくる。
やはり小説家としての力量も関係してくると思うよ。
>>156 同意。見せ方が重要だね。
新しいことに挑戦するというチャレンジ精神もいいんだけど
>>156 でもどっかで使われたトリックを別の人間が再度つかうってのが事実上許されないから、
やっぱりほとんどの場合はそういう視点で本格を評価することって無いような気もするんだが。
やっぱ本格マニアってゆがんでるよ。
まったく。
>>158 でも、「このトリックを使ってあの作家が書いたら
もっと傑作になったのに」と思う事は俺はよくあるよ。
たぶんこのスレは良スレ。人数少なそうだけど。
ゲーデル問題は推理小説の限界を示したものかもしれませんね
少なくとも「ゲーデル問題は存在する」と考える作家の限界のように思います
普通の小説の中の世界では
真実は、今いる自分の世界(現実世界)の真実と同じであるはずなので
(たとえ現実とまったく異なるような真実であったとしても)
ゲーデル問題は存在しないように思います
163 :
名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/10 02:00
>>162 > 普通の小説の中の世界では
> 真実は、今いる自分の世界(現実世界)の真実と同じであるはずなので
これはどういうこと? 「ゲーデル問題」というのは虚構世界内で真理性
が問題になる場面ではいつでも起こりうるんじゃないかと思うが。
#問題自体が ill-posed であることは私も認めるが。
>>163 まったく個人的な見解なので間違っているかもしれませんが
「虚構世界だけではなく現実世界でもまったく同じことが起こりうる」と思うからです
そして現実世界で起こりうるなら問題にはなりません
問題があるとしても問題ではないとでも言ったらいいでしょうか
すみません。
>>162 をちゃんと読まずに、勘違いして的外れなことを書いてしまいました。
>>163 はスルーしてください。逝ッテキマツ。
小説内の描写のうち探偵なり主人公(ワトソン?)が気に留めることと、読者が
気に留めることが一致しないということなんじゃないかな。描写(証拠?)の取捨
選択を(探偵を通して)作家が行ってるわけで、その取捨選択(と論理)が正しい
ことは(本来は探偵も含めて)小説内の人物には検証できないということだよね。
(現実の世界で)トリックが間違ってて修正された小説とかあるじゃない。でも
小説内では登場人物はその間違ったトリックの説明に納得してるんだよね。
それは、小説内ではあっていようが間違っていようがその論理しかないんで
登場人物は反論できない(思いつかないし見つけられない)から。
極端な話、「作家が書いた推理小説で探偵を通して述べられた作家の論理」に
納得した「読者」もゲーデル問題から逃れられないような気がする。
拡散しすぎたか・・・
>>166 それって純文学(たとえばナボコフ)なんかではあからさまにやってますね。
「登場人物の生も死も、つまりは文体の問題なのだ」ってやつ。
ゲーテル問題がうっとうしいのは、その意識がミステリをつまんなくするからです。
(黒い仏の不評をみよ。ありゃ確信犯なんでしかたないが)
そして効果はないのに、自分を知的にみせようという書評家によろこばれるから、
広まりました。
さすがにプロの作家や評論家はなにも言わないけど、ネット書評家(たとえばMAQ)
や学生(半可通ほどメタ・ミステリなんか書くのだよ)みればわかるよ。
このスレはミステリ板の良心なんだぞ。
>>168 禿同。タイトル見たときにこれは糞スレになるかと危惧したけど、みなさん冷静な
意見ばかりでほっとしたです。
170 :
名無しのオプ:03/12/11 00:23
荒らされる覚悟でageてみよう。
結局、解のない問題なんだから
法月のようにあそこまで悩まなくてもと思う。
作家さんによっていろいろアプローチが違うので
面白いけどね。
>>166 >極端な話、「作家が書いた推理小説で探偵を通して述べられた作家の論理」に
>納得した「読者」もゲーデル問題から逃れられないような気がする。
うーん、これってどうなんだろう。
読者って言うのは神(作家)に近い立場に居るから、基本的に描写されない部分については、無駄なもの、捨てられたもの、無視してよいものと考えるし、
描写されているものについては必要のあるもの、正しいものと言うスタンスを取っているに過ぎないような気がする(だからこそ叙述トリックにひっかかるわけだが)。
でも確かに検証不可能と言われれば検証不可能なような気もするなあ。
酔ってるんでスマソ
例えば、ファミコンのスーパーマリオに於いて、マリオは右にしか進めないことに疑問を抱けない、みたいな話?
>>167 う~ん、皆が皆つまらなくしてるかといえばそうでもないと思うな。
>>172 >読者って言うのは神(作家)に近い立場に居るから、基本的に描写されない
>部分については、無駄なもの、捨てられたもの、無視してよいものと考えるし、
ここが気になったんだよね。読者は小説世界の中に(完全な傍観者として)居続けるか
あるいは出て行く(途中で読むのやめるとか、壁に投げつけるとかw)しかないわけで、
作家よりは登場人物に近いんじゃないかと思ったんだよね。登場人物と同じ証拠しか
得られないし、論理にも納得するしかないわけで。
>>173 そういう話。
・・・のような、違う話のような・・・
バークリーはあんな作風だけど、ロジャー・シェリンガム自体は
自分の存在に自信を持ってる感じはあるね。シェリンガムが失敗するからこそ、
作者=神視点の存在“あり”になるってところもあるのかも。
なんとなく、これで悩む作者は
点の取れないサッカーのフォワードが
「なぜ手を使ったらいけないんだ!」と言っているような感じを受けます
そこでエリス少年の登場となるわけだ。
この問題に対して有効なアプローチを示したと思えるような
作品ってなんかありましたか?
179 :
名無しのオプ:03/12/11 19:09
ほとんどすべての作品がそう。
根本的解決は無視。
>176
おれの印象だと
なんとなく活躍できない選手が
「ファールのとりかたがあいまいすぎる」
とか文句いってるようなかんじだな
私の印象では、キーパーが「オレは手を使って取っていいのか、
本当にルールを信用していいのか」と一人で死ぬほど悩んでいる
感じだな。
>>178 「ゲーデル問題」といっても内実は不可知論の一種になっているし、
「黒い仏」のように単なるネタとして扱うのが有効では?
法月の遅筆病のような「「ゲーデル問題」にまつわる問題」の解決かもしれないけど。
>>179-180 そっちの方が近そうですね
どちらにしてもルールで悩む前に選手として全力を尽くしてもらいたいな
あるいは
>>177のようにルールを飛び出して新しいものを作ってもらいたいです
183 :
名無しは無慈悲な夜の女王:03/12/12 07:28
>>181 おっしゃるとおり。不可知論というか、懐疑論みたいなものだね。
その意味で
>>164氏の意見に同意。
>>173の例えで言うと、マリオが横にしか進めないことに疑問を懐いていようがいまいが、
それを遊ぶ側にはなんの関係もないよね。
結局、「そういうルールなのね」で済む問題というか、不可知なんて不価値というか。
>不可知なんて不価値というか。
これはひどい吹かしですね。
リュ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━スイ!!!!!
初めは一画面内でしか動けなかったマリオは、スーパーになって右スクロールを覚えた。
3になってからは左スクロールと、空を飛ぶことを覚え、64では3次元空間を走り回ることを覚えた。
マリオは進化し、そしてどんどん面白くなっていったんだよ。
なんてな。
188 :
吾輩は名無しである:03/12/12 21:33
>>187 しかし進化しすぎて、マリオが「自分は絶対にクリアできないように
プログラムされているのではないのか?」と自問しだしたり、TV画面の外の
世界が存在する可能性について悩み出したりしたら、それはそれでいやな
ものですよ。
>>188 真里男「確かにクッパが犯人だろう。あらゆる状況、証拠が彼を指している。
ピーチ姫も彼の家に監禁されていた。
だが、それらの証拠が真犯人により捏造されたものでないとはどうしていえようか。
いったい私はどうすればいいのか・・・」
190 :
名無しのオプ:03/12/12 21:57
インタビュー 押井守 幻の押井ルパンは「虚構を盗む」はずだった
(『キネマ旬報』96臨時増刊)
> 今でこそルパンと言えば殆どの人が「カリオストロ」と言うんですけど、
> 公開された当時は、これのどこがルパンなんだと言われていたわけですよ。
> 試写の時、東京ムービーの当時の社長だった藤岡さんと宮さんは暗闇にま
> ぎれてコソコソと這って逃げたしたって話で……。(中略)
> 僕はある意味では同じことをやろうと思ったわけで、つまり今までと同じ
> ルパンを継承するという話では何もなし得ない、大胆に読み替えするしか
> ないと。……(中略)
>
> ――全てが虚構、ルパンなんて存在しなかったという話なんです――
>
> ……全部が虚構で全部がどんでん返しで、確かなものなんか何もないとい
> う話。……もしかしたらルパンは最初からいなかったんじゃないか、とい
> うことの結論が得られれば、最終的にルパンにとどめを刺せると思ったん
> です。宮さんが僕に期待した役割はまず間違いなくそうだったはずなんです。
引用元:
ttp://www.netcity.or.jp/otakuweekly/YOKOKU/REF2-3.html このルパンが実現していたら、「ゲーデル問題への一つの可能な回答」として
もてはやされていたに違いない。
>>190 マンガのルパンの設定ってはじめからそうでしょう?
年齢性別その他含めて全て不明なはず……
本当にルパンの孫であるかどうかも分からない
192 :
名無しのオプ:03/12/12 22:20
>>190 「不明」だというのと、「虚構」だというのとは、全然違うと思いますが…
>>192 ルパン三世が一人であるかどうかも特定されてないと思ったけど
なにしろルパンに関するデータは何一つ確証がないから
複数がルパン三世の名を名乗っている可能性すらあるわけで……
>193
まあ、複数人がやっているという範囲には入るか。
「ルパンというものは存在する」と思っていた人全員がルパンを作っていたわけだから。
>>194 そんな感じかな……
もちろん本当にルパン三世は存在するかもしれないし
しないかもしれないってことなんだろうけど
ソースは?と言われると困るけど
昔から言われてたから結構有名な設定だと思ってた
時代を超えて屹立する本格界孤高の巨人、我等が二階堂黎人先生は何処に。
>>6 >作品中の手がかりが“本物か偽物か”を判断することは、
>作中人物には絶対にできない…それが可能なのは
>“その作品世界の1つ上のメタレヴェルにいる作者だけ”である
別に作品の中に限ることはない。
われわれが見たものが本当に存在するかどうか
われわれには絶対にわからない。それがわかるのは
一つ上のメタレベルにいる神だけである。
>>8 君は真と証明の区別がついているか?
推理小説も数学同様、犯人であることの証明が必要だ。
しかしながら、証明された結論が必ず真であるといえるだろうか?
無矛盾性はこのような見地から考慮されるべきである。
なんか変なのが紛れ込んできたぞ…
荒れないことを祈ります。
>>199 別におかしくないんじゃない?
ところで
>>26では肝心なことが書かれてないよ。
まず「ある条件」とは、「公理系自身の証明可能性を記述できること」
例えば、加算だけの体系ではこの性質を満たさない。
ロビンソン算術は加算と乗算を含む。
次に第二不完全性定理に関して、例えば証明の定義に
「証明の中に現れる任意の命題の否定が証明中に現れない」
という性質を含めれば無矛盾性は当然証明できる。
しかしこのような体系では、例えば三段論法の推論を
用いてもよいことが証明できない。
第二不完全性定理を免れるように定義を変更することは
できるが、その代わり他の自然な性質が失われる可能性は
避けられないと思われる
(ただし何を「自然な性質」と考えるかは明らかではない)
>>200 > 第二不完全性定理を免れるように定義を変更することは
> できるが、その代わり他の自然な性質が失われる可能性は
> 避けられないと思われる
> (ただし何を「自然な性質」と考えるかは明らかではない)
そうだね。その「自然な性質」というのがまさに問題だと思う。可証性述語
が可導性条件を満たすということが「自然な性質」だ、と考えるのが、それこ
そ「自然」だと思うんだけど、これもなぜかといわれるとなかなか答えられ
ない。
202 :
名無しのオプ:03/12/15 00:05
一応ここミス板なんで、よろしく。
203 :
吾輩は名無しである:03/12/15 21:48
>>190 押井の構想では、実は他の登場人物がかわるがわるルパンを演じてた、
という話にしたかったらしい。
ここはやはり、ミステリっつーか推理の基本に帰って、
「ゲーデル問題を採用することで一番得をするのは誰か?」
あたりを考えてみると何か解るかもしれないぞ!
ミステリーをかかないミステリー作家しかいないだろ
つまり、「この漏れ様に、『こんなのミステリーじゃねーYO!』とかいってる香具師!
だったらミステリーってなんだよ!言ってみろよ!
謎を解くとか言って、あんなの適当な証拠で適当にでっち上げてるだけじゃねーかよ!
あの証拠がホントに正しいって証拠があんのかよ!答えてみろよ!答えられねーだろ?
大体、可証性述語が可導性条件を満たすということが「自然な性質」だ、と考えるのが
「自然」だっつてんだよ!だがな、これがなぜかといわれるとなかなか答えられねーんだ!」
って事ですか?
(
>>201から一部抜粋)
>>198 >しかしながら、証明された結論が必ず真であるといえるだろうか?
証明された結論ってのは定理だろう?
定理は真理じゃないのか?
>>207 漏れもそう思う。証明されたものが真じゃなかったら、それは単に証明が
間違ってたということになるんじゃないかな。スレ違いの話題スマソ...
証明されても真であるのは、その系の中での話なので
構成した系が適用できない(間違って適用した)場合は
その証明自身は間違っていなくても意味無くなる罠。
簡単に言うと例外みたいなものは何にでもあるし
現実の事件なんかでは証明が絶対であるとはいえない
ごく近い(あるいはまったく遠い)複数の可能性が考えられたりする
物的証拠も間違いがあったりすることもある
だから誤審も起こるわけで、現実の裁判でも有罪が絶対とは言えない
ましてや小説の中では……
推理小説において作者にとって大切なのは
読者の推理よりも妥当だと言えるだけの回答を用意することでしょう
211 :
名無しのオプ:03/12/16 19:14
氷川なんかがこの問題についてなにか語ってると
なんだかな~って思う・・
ミステリの定番でもある見立てみたいなもんでしょ。
「大量死と密室」でチャイナオレンジと哲学者の密室を
結び付けて論じてるのもそうだけど、
あるものが実は別のあるものと同じ形をしているってのが好きなんじゃない。
関係ないけど、スレタイトルだけ見ると
不完全性定理を理解してる人がスレ立てたっぽいね。
(・∀・)ロビンソーン!
(・∀・)アッカーマーン!
(・∀・)シェー、ラッハッハ!
215 :
名無しのオプ:03/12/17 18:39
すまん、良く理解出来ていないけど、このゲーデル問題ってのは
いわゆる後期クイーン的問題とは違うのか?
216 :
名無しのオプ:03/12/17 23:05
>>215 そのあたりが曖昧なままこれまで議論されてきました。上のほうを読むと、
同じような気もしますが、違うような気もします。
曖昧というか、後期クイーン問題にハクをつけるために
ゲーデルの不完全性定理を用いただけにすぎないと思う
数学的な話はおいといて、
1.探偵が事件に対して完全に第三者(推理するだけの役割)としていられるか?
2.探偵の推理が正しいことは誰が保証するのか?
ってことかな?
どなたか、ご指導ご鞭撻をしなさい。
ゲーデル問題なら数学的(あくまで的)な話は抜けないだろう。
そう言われればそうかもしれないが、数学的な問題を数学的に扱うと
分かりにくいし興味も薄れるような気もしたんで。
どうだろ?
まず、本当にゲーデル問題なのか?という疑問があるわけだが。
いや、ここは
ミステリにおける「ゲーデル問題」について語るスレ
だからゲーデル問題でないものは対象外だろ。
ゲーデル問題かどうかの判別は話題になってもオケー
だろうけど。
223 :
名無しのオプ:03/12/18 17:00
>>218 「1」安楽椅子探偵なら可能(例『火曜クラブ』のいくつかの事件に
おけるミス・マープル)。それ以外なら(まず)不可能。
そもそも探偵は事件に関わった時点で事件の否応なく事件の当事者
ないし関係者になってしまう。
尚、可能・不可能いずれの場合も探偵が「第三者」でいる必要は
全くない。
「2」小説の作者。なぜなら「保証」が必要なのは読者だから。
当然ながら作者が「保証」するかどうかは作者の意志と能力次第。
× 関わった時点で事件の否応なく事件の
○ 関わった時点で否応なく事件の
探偵が推理を披露する行為は二重化していて、
A.事件を解決するために関係者を説得する
と同時に
B.読者に納得してもらうために裏側を説明している。
A.の探偵=調停者が倫理で悩むのが「後期クイーン問題」。
B.の探偵=作者の代弁者が論理で悩むのが「法月のゲーデル問題」。
という区分をしてみた。突っ込み求む。
>>222 ミステリにおけるゲーデル問題なんてあるのか?
あるとしたらミステリに限らないけど
227 :
名無しのオプ:03/12/18 17:42
>>225 Cという行き方もある。
探偵が、己の想像力を駆使して暴走(?)する、シェリンガムのやり方。
バークリーはクイーンのように探偵の存在意義を追及しても悲劇とはとらえないで
喜劇として描いた。しかしあまりに探偵小説の可能性を追求しすぎたため、
30年代の終わりには早々と筆を折ってしまう。
それでも、バークリーは「書けないこと」の言い訳を理論化して正当化しようとはしなかったけどね(w
(これはクイーンへの当てこすりではない)
228 :
名無しのオプ:03/12/18 17:52
>>225 > A.の探偵=調停者が倫理で悩むのが「後期クイーン問題」。
> B.の探偵=作者の代弁者が論理で悩むのが「法月のゲーデル問題」。
なるほど、倫理と論理の違いか。その区分はすっきりしてていいね。
カオス理論によくある「蝶がはばたくと台風発生」とかを考えると、
安楽椅子探偵でも事件に影響を及ぼすことはありうる。
過去の事件の真相を暴くなら、影響はないのかな…?
知の欺瞞
231 :
名無しのオプ:03/12/21 10:10
>>230 そんなオオゲサな… ミステリなんだし、こういうのもネタとして楽しめばいいじゃん。
誰かミステリーズの論文読んだ?
233 :
名無しのオプ:03/12/21 15:33
>>232 スマソ。『ミステリーズ』チェックしてないからどれのことかわからない。Vol.1の笠井論文のこと?
それともVol.3の公募論文?
( ’ ⊇’)裸眼ですぅ~。。びば、洋楽板。。。
236 :
吾輩は名無しである:03/12/27 01:58
>>232 Vol.3 の
諸岡卓真「九〇年代本格ミステリの延命策」
のことだね。こんど立ち読みしてみます。
> 諸岡 卓真(MOROOKA TAKUMA)
> 1977年生まれ。福島県出身。
>
> <学歴> 早稲田大学第一文学部卒。
> 北海道大学大学院文学研究科博士後期課程在学中。
>
> <主な仕事>
> 「行方不明になる真実――殊能将之『黒い仏』論」(『りりばーす』第2号、2002年10月)
> 「本格ミステリ殺人事件――麻耶雄嵩『翼ある闇』論(『日本近代文学会北海道支部会報』第6号、2003年5月)
> 「置き去りの推理――『逆転裁判』論」(『りりばーす』第3号、2003年10月)
> 「多層化する境界線――氷川透『人魚とミノタウロス』論」(『国語国文研究』第125号(北大)、2003年10月)
> 「九〇年代本格ミステリの延命策」(『ミステリーズ!』vol.3、2003年12月、第10回創元推理評論賞佳作)
引用元:
ttp://www.so-net.ne.jp/e-novels/hyoron/syohyo/0.html この人、北大の紀要に氷川論書いてるんだね。こんどみてみよ。
諸岡氏の個人サイトより引用。
> 「後期クイーン的問題」を取り上げると、その問題が本当に「ある」の
> か「ない」のかというのが俎上にあげられることがあるんですが(ゼミ
> などで何度か経験あり)、ときどき疑問を感じるんですよね。あれ?
> 議論のレベルが食い違ってない? と。「ある」派は、問題が根本的に
> 「存在するかどうか」を考えて「ある」といっているのに対して、
> 「ない」派は、「後期クイーン的問題」は「ある」けれどもそれはそも
> そもそういうものだから別に悩む必要はない、という風に「ある」こと
> を前提としながら「悩まない」といっているように見えるんです。まだ
> 確言はできませんが、おそらくは多くの場合、「存在する」という意味
> での「ある」に「悩まない」という意味での「ない」がぶつけられてい
> るんじゃないか。もちろん、これはどちらの態度が正しいか、という話
> ではないですよ。場合によって読み方、書き方は変えればいいわけで、
> 「ある」と考えて読んだ方が面白い場合もあるし、逆に「ない」(悩ま
> ない)と考えて読んだ方が面白い場合もあるでしょう。
引用元:
ttp://www.aurora.dti.ne.jp/~takuma/book/book2003-12.html 国文学科のゼミで「後期クイーン問題」が議論されてるんですね。
>>238 議論する前や最中に言葉をきちんと定義しておけば、その程度の食い違いは
回避できると思うんですけど…>「問題無い」と、「問題は存在しない」
いや、そういうもんでもないか・・・スマソ
以下何事も無かったかのように続きをどうぞ
↓↓↓↓↓↓↓↓
241 :
◆xAG4.Wd6wQ :03/12/28 13:29
242 :
名無しのオプ:03/12/31 07:06
不完全性定理とかゲーデルを引き合いにだしてくるのって
やっぱり新本格以降なのかな。
竹本健治でもウロボロスの偽書とか基礎論では
不完全性定理へ言及したりゲーデルの悪魔なんてフレーズが出てくるけど、
匣の中の失楽はそれっぽい内容だけど不完全性定理の話はなかったよね。
つい最近ハサミ男を読んだんだけど、メール欄1のきっかけがメール欄2だったって
ことなんだよね。
このスレでも書かれてたけど、この部分は読者として推理の証拠(要素?)として
受け入れるのは辛いものがある。
本格じゃないからっていわれればそれまでだけど。
俺はスレが止まるようなヒドいことを書いたのだろうか・・・
>>245 いや、最近はネタ切れで停滞気味なだけだと思われ。気にすることはないです。
私はハサミ男読んでないんで、ネタを提供できないです。申し訳ない。・゚・(ノД`)・゚・。
>>246 そうでしたか。ちょっとほっとしました。
俺はなかなか面白く読めましたよ。>ハサミ男
しくしく・・・
#書き忘れたけどハサミ男は面白かったっす。
>>244 あれはあなたの言う通り、理屈としておかしい
このトリックは他の部分が(ほぼ)完璧であったなら認められる類のものだ
でも、プロファイリングに対してのコメントは良かったような気がするから
おれも勝手だなと思う(w
くだんの現代思想が押入れの奥から出てきた。
(当時SFがらみの評論が読みたくてかったんだったかな……)
やっぱりネタだとしか思えんなぁ
251 :
名無しのオプ:04/01/11 16:35
ああ、そうそう。
当時、大原まり子が好きで。
って、いいかげん関係無いな、スマソ。
算術的階層
254 :
名無しのオプ:04/02/03 05:08
そろそろネタ切れ?
255 :
名無しのオプ:04/02/09 13:00
ホシュ
そんなことよりウェーソンの四枚カード問題の解き方を教えてください。
スレ違い。
でも
ググればいくつかヒットするみたい
間違いページもあるので注意。
>>256氏はなぜこのスレに書き込んだのか、謎だ。
260 :
名無しのオプ:04/03/12 15:55
北村薫「ニッポン硬貨の謎」中で語られてる「シャム双子の謎」論を
踏まえた上で法月が何を書くかにちょっと興味がある。
261 :
名無しのオプ:04/03/15 14:09
「ニッポン硬貨の謎」のなかで「チャイナ橙」の
「読者への挑戦状」にふれているけど、ちょっと変じゃないかと思った。
「チャイナ橙」の「挑戦状」には、
いつだったか出版する直前になって「挑戦状」が入っていない事に気づき
あわてて「挑戦状」を挿入した事があり、でもそれ以前に出した本を調べたら
すでに「挑戦状」を入れ忘れた本があるのに気づいたことがあった、
みたいな事が書かれている。
で北村薫は、「挑戦状」の無い「シャム双子」と「チャイナ橙」との間に
出版された本が無いから、そこに書かれている事はでたらめで
その事によってクイーンは実際には1度も「挑戦状」を入れ忘れたりしてない事を
示しているのだ、みたいな事を書いている。
でも「チャイナ橙」の「挑戦状」で言及してる
出版間際になって挑戦状を忘れているのに気づいてあわてて挑戦状を入れた本って
「チィイナ橙」自身の事だと思う。ようするに自己言及的な遊び。
なんでそんな事をしたかと言えば、前作の「シャム双子」で
シリーズのフォーマットを崩した事への弁明を書くため。
だと思っていたのだけど。
初期のクイーンは(犯人の)意外性と謎解きの面白さを
どう組み合わせるかにこだわってる印象がある。
「ギリシャ棺の謎」と「シャム双子の謎」はどちらも推理/推理の反駁を
繰り返す構成になっていて、どちらもその構成のかなめに偽の手がかりが使われている。
法月は「初期クイーン論」で確か、
「読者への挑戦状」は作者の恣意性の禁止を保証するために挿入されるが、
偽の手がかりにもとづく推理・反駁が繰り返される「ギリシャ棺」のような作品では
推理・反駁の繰り返しを切断・停止するためにどこに読者への挑戦状を入れるか
というところに作者の恣意性が出現してしまい、
「シャム双子」に挑戦が無いのは
そうした恣意性に基づいた「作者の恣意性の禁止の保証」が破綻した事を示している、
と言っていたように思う。
他方「ニッポン硬貨の謎」では、
「シャム双子」に読者への挑戦状が無いのは
推理・反駁の反復という構成を活かすために必然的なもので、
挑戦状が無いからこそ最終的に論理以外の方法で決着するのだ、と言っている。
そして「シャム双子」でのメタレベルの偽の手がかり、というのが
「ニッポン硬貨の謎」でのクイーン論の中心になっている。
つまり「シャム双子」では、3種類の偽の手がかりが使われている事になる。
デクスターの諸作や法月の『誰彼』のような構成だと
読者への挑戦状は入れようがない訳だ。
ゲーデルよりタルスキが気になっている。
266 :
名無しのオプ:04/03/18 15:47
>>265 法月「初期クイーン論」の
>柄谷は、ラッセルのロジカル・タイピングから派生した
>タルスキーのメタ言語についてこういっている。
>(略)
>『ギリシャ棺の謎』の作品構造が、タルスキーのメタ言語
>のそれと同工異曲のものであるのは明らかであって、
か。
法月の主張の理解のためには柄谷の文章は重要だけど、
論理学や基礎論の説明部分は全く信用しない方がいいと思う。
ついでに「初期クイーン論」の参考文献になっている
吉永良正『ゲーデル・不完全性定理』についても、たぶん著者が
不完全性定理を理解できていない(例えば2種類の「完全性」の区別
がついていない)ので勧められない。
ミステリ作家は誰ものりりんに注意してあげないの?
生温かく見守る方針なの?
吉永良正のその本は批判されてる一方で
一般的な評判は良いみたいなので、
周りのミステリ作家も良い本だと思っているのだろう。
269 :
名無しのオプ:04/04/22 04:25
ゲーデル問題もそろそろ沈静化したのかな。
ゲーデル問題とか「リアリティ」って追求しすぎると、
というか、そればっかりになると肝心の面白さが失われることも
あるだろうしね。
ゲーデル問題ってのは一種の熱病みたいなもんだと思ってたけど、
それにしては長すぎるな。ドツボに嵌ってるというか。
>>267 たぶん廻りもわかってないんじゃいか
俺もわかっていない
保守しておこう。
ホシュ
275 :
名無しのオプ:04/07/10 05:09 ID:TVclOb6w
ゲーデル問題もようやく下火?
ヽ(´ー`)ノ
277 :
名無しのオプ:04/09/15 03:59:52 ID:qpljRQ1Z
あげ
278 :
名無しのオプ:04/09/15 10:26:50 ID:aYSVuHkL
あげ
批判派にしても、十分このテーマを面白がっているように見えるけど。
ところで「生首」読んだやつは、おらんの?
自分はこういう問題意識を知らずに読んだんだが、
普通に面白い作品だった。
281 :
名無しのオプ:04/11/12 12:50:08 ID:5bKmwetq
あげてみる
(゚д゚)タルスキ
(゚д゚)レープ
284 :
名無しのオプ:05/01/26 19:01:04 ID:Hk1LL51x
あげ
法月は基礎論がらみの言葉を使うのをやめたのかと思ってたけど、
「エラリー・クイーン Perfect Guide」の
アンケートの文中にラッセルが出て来てるね。
たぶん法月の脳内ラッセルだけど。
ゲーデル
ヘーゲル
モライゲロ
286 :
名無しのオプ:05/01/29 01:34:03 ID:o+Gab/HY
結局は対角線論法
287 :
名無しのオプ:2005/06/29(水) 03:32:14 ID:NZE2KKSA
算術的階層保守
288 :
名無しのオプ:2005/07/30(土) 12:45:29 ID:peSB/CUZ
Feferman
289 :
名無しのオプ:2005/09/01(木) 01:32:45 ID:WnuCuhe7
Kreisel
290 :
名無しのオプ:2005/09/05(月) 13:29:16 ID:P0bevihN
291 :
名無しのオプ:2005/09/08(木) 16:17:14 ID:CNJOcMLs
群像10月号で、法月が北村薫、奥泉光と対談している。
『ニッポン硬貨の謎』の事にも少し触れている。
292 :
名無しのオプ:2005/12/23(金) 01:56:20 ID:GhZCSnDP
つかさ、ミステリにおけるゲーデル問題と
通常のゲーデル問題は一緒にすべきじゃないだろ。
法月もこっそり言明してるじゃん。
293 :
名無しのオプ:2006/01/21(土) 05:32:03 ID:3eCp6kBk
>>292 「通常のゲーデル問題」って何?(´・ω・`)
294 :
名無しのオプ:2006/02/17(金) 22:26:29 ID:3bU6HOPS
つられてみる。
数学基礎論のゲーデルの不完全性理論があって、それを柄谷が「ゲーデル(的)問題」といったのが
始まりか、それよりまえにそれとも海外の人が命名しているかもしれないけれど、
まあそれが通常のゲーデル問題、なんじゃないの。
295 :
名無しのオプ:2006/06/14(水) 14:58:36 ID:mwBlkvPz
問題
296 :
名無しのオプ:2006/10/05(木) 20:10:15 ID:Mfk/sG1r
岩波文庫で出た「ゲーデル不完全性定理」、Amazonでなかなか入らないので、どこかのあほがユーズド価格を吊り上げて出品している。でも吉祥寺ロンロンの書店では山積みになっていたぞ。
297 :
名無しのオプ:2006/12/27(水) 21:16:22 ID:hYn2ir9W
今日さ、ドンキホーテに行ったんだよ。圧力鍋がほしかったからな。
探しても探してもなかったからさ、店員さんに聞いたんだよ。
「圧力鍋どこですか?」ってな。
そしたらその店員さんが、キッチン用品の場所に、案内してくれたんだけどよ、
そこにあったのは『圧力鍋売り切れました』と書いてある紙だけだったのよ。
こっちとしてはがっかりきてさ、でも売り切れなら仕方ないじゃないか。
『圧力鍋売り切れました』てきちんと書かれてるわけだからさ。
帰ろうかな~と思って、ふと、飾り棚の下の台の部分が気になってさ、
開けてみたのよ。そこには、お前…箱に入った新品の圧力鍋があるじゃねーか。
あの店員さん、ヤバイわ。俺を偽の手がかりで間違った真実に導かせやがった。
これは、後期クイーン問題だぁ。
2ちゃんで見かけた叙述トリックってのはあるけど、街中にも後期クイーン問題てあるんだな!
298 :
名無しのオプ:
あんたが圧力鍋をさがさなければ圧力鍋がそこにあった
あなたが圧力鍋をさがしたからそこになかった
っていう話に持ち込むのかと思って期待して読んだんだが
むしろ
誤爆といえば誤爆でなくなるし、誤爆でないといえば誤爆になる
とんでもない例を作ったと思う。
そして、期待して読むと、期待はずれで、期待しないで読むと期待を超えている。
もうメタれべるでも。