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書斎魔神 ◆CMyVE4SVIw :
アントニイ・バークリー「レイトン・コートの謎」を読む。
バークリーのデビュー作ということもあって、あまり期待せずに、
しばらく積読状態にしていた作品。
後期の作品のようなシニカルな味わいは乏しいが、謎解きミステリとして
案外楽しめる一編であった。
本作のようなパターンのトリックを、アンフェアと評する論者もいるが、
丁寧に読めば、特定の人物以外に犯人はあり得ないように書かれているのが
良くわかる。
粗製濫造される新書を耽溺してミステリを読んだ気になっているこの板の
多くの連中に突き付けて読ませたい一編ではある。