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書斎魔神 ◆CMyVE4SVIw :
都筑スレから転載しておくから読んでおけ。36 名前:書斎魔神 ◆CMyVE4SVIw :03/12/19 19:35
都筑道夫「七十五羽の烏」を再読。
これを読まずして都筑道夫は語れない作品である。
どうか未読者はこのスレから退場していただきたい。読んでからまた来いや。
第1の殺人の発生の時点では、ミステリを読み慣れた人なら犯人の指摘は容易かと思う。
通常ではない行動をとったと供述している人物に着目し、
消去法を使えば答えは必然的に出るという感がある。
むしろ第2、第3の事件(あえてこの表現を用いる)が、
第1の殺人のミスディレクションになっているという構成が面白い。
読者は、第1の殺人の犯人を把握し得たと思いきや、第2、第3の事件によりこの確信が
揺らいでしまい迷妄の段階に入ってしまうのである。
物語構成上は、第2の事件の真相解明が早過ぎるのが疑問だ。
最後に大円団として、
名探偵(本書では物部太郎)が3つの事件を快刀乱麻するというのが、
パズル小説の醍醐味のひとつだと思うのだが、この点如何。
真相を述べた後、探偵役がコソーリ退場してしまうのも少しがっかりである。
関係者一同を集めて探偵が事件を解明するという、水戸黄門の印籠突き付けシーンにも
(省略されました・・全てを読むにはここを押してください)