京極夏彦総合スレッド 第壱四 〜狂骨〜

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87前スレ942
>62
云いたいことは判るが、どうも当方と貴方の趣旨がずれている。

> 伯爵にとって殺す(というか家族にする)=死ぬ(無くなる)
> では無かったのでは。
> 彼が行った行為のせいで愛する人が無くなったとは
> 彼自身は微塵も思っていなかったわけでしょ。

その点は承知しています。
繰り返しになるが、
『伯爵は、死の概念がずれていても「死」が取り返しの
つかない喪失であるってことは理解してた』
そして、
『その「死(=無くなる)」が4回繰り返されているシチュエイション(=結婚)に
なんだかんだいって5番目の女を引っ張り込んだ』

つまり論旨はですね、4人の妻が「無くなって」いる「結婚」を
懲りもせず更に5人目といたそうとしたのは如何なものか、
相手を真実慮るなら踏みとどまって然るべきだってことです。
88前スレ942:03/08/13 02:35
>62
あと少し、すみませんが。

> 京極堂に憑き物(今回は?だけど)を落としてもらったことで
> 彼はこっち側のルールを知って、「私が殺した」って言ったんだと思う。
> そこらの認識の違いがこの作品の軸だったわけで
> 彼の愛情を疑うのはちょっと違うような気がする。

伯爵の薫子に対する愛情を疑わしく感じる論拠は、
彼の世界における「結婚」(=相手の意思と行動を奪う所業)を
伯爵が薫子に対して行ったからです。
まあ伯爵は、その行為こそを愛情表現と信じていたのだろうが
それはつまり概念的な「愛」をなぞる所作に他ならないでしょ。
当の伯爵も「これが愛情だ」と信じてはいたのだろうけど
そもそもそれが勘違いだったと思わざるを得ないですよ。
以上、長文失礼。