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書斎魔神 ◆CMyVE4SVIw :
残るシェリンガムもの未訳長編は2作のみとなった。
1 絹靴下殺人事件 晶文社刊行予定
2 Panic Party
しかし文献やネットで調べた限りでは、この2作の評判は芳しいものではない。
1については、過去ログでも話題に出ているが、絹靴下による女性連続殺人を
描いたサイコ・ミステリ風の作品
(靴下とネクタイの違いがあるが、ヒチコックの「フレンジ―」を想起させる)であり、
バークリー得意のツイストもシニカルな味わいも無い凡作らしい。
2は、孤島を舞台にしたクローズド・サークルものだが、シェリンガムもの長編の
フィナーレを飾る作品にしては、目も当てられないほどの駄作とのこと。
90年代中盤、国書刊行会による「第ニの銃声」刊行に始まったバークリー再評価が、
最後に残された凡作・駄作により末節を汚すことになるのは残念でならない。
出来得れば、晶文社による1の刊行も見合わせて欲しいものである。