鮎川哲也追悼スレッド

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350書斎魔神
追悼記念として、私が鮎のスレに書き下ろした読書ガイド(決定版)を
このスレにもアップしておくこととする。

鮎川哲也長篇ランキング

(A) 「黒いトランク」
   鮎川アリバイ破り小説の総決算として最後に読むべき
   作品。かなり緻密で複雑なプロットであり、初心者向き
   ではない。
   「りら荘事件」「朱の絶筆」
   パズル好きにはたまらない2作品だが、星影もの等の
   短編集でウオーミングアップ後に仕上げとして読むの
   が無難。

B  「黒い白鳥」「憎悪の化石」「砂の城」「偽りの墳墓」
   「死のある風景」「鍵孔のない扉」「風の証言」
   「戌神は何を見たか」「沈黙の函」「王を探せ」「死びとの座」
   この辺はどれもいいが、私的には「風の証言」が印象に
   残る。最後の4作は鬼貫ファンは少しガクッかな。
   「ペトロフ事件」「宛先不明」「準急ながら」「積木の箱」
   分量的には軽量級だが水準以上の出来映え。
   「死者をむち打て」
   ワラタ。超異色作。本格ではないので注意。

C  「白の恐怖」
   失敗作、以上。だがその心意気良し。

E  「人それを情死と呼ぶ」
   清張の通俗長篇の線を狙ったのだろうか?駄作。
   つらいが逝って良し!