追悼記念として、私が鮎のスレに書き下ろした読書ガイド(決定版)を
このスレにもアップしておくこととする。
鮎川哲也長篇ランキング
(A) 「黒いトランク」
鮎川アリバイ破り小説の総決算として最後に読むべき
作品。かなり緻密で複雑なプロットであり、初心者向き
ではない。
「りら荘事件」「朱の絶筆」
パズル好きにはたまらない2作品だが、星影もの等の
短編集でウオーミングアップ後に仕上げとして読むの
が無難。
B 「黒い白鳥」「憎悪の化石」「砂の城」「偽りの墳墓」
「死のある風景」「鍵孔のない扉」「風の証言」
「戌神は何を見たか」「沈黙の函」「王を探せ」「死びとの座」
この辺はどれもいいが、私的には「風の証言」が印象に
残る。最後の4作は鬼貫ファンは少しガクッかな。
「ペトロフ事件」「宛先不明」「準急ながら」「積木の箱」
分量的には軽量級だが水準以上の出来映え。
「死者をむち打て」
ワラタ。超異色作。本格ではないので注意。
C 「白の恐怖」
失敗作、以上。だがその心意気良し。
E 「人それを情死と呼ぶ」
清張の通俗長篇の線を狙ったのだろうか?駄作。
つらいが逝って良し!