初心者のためのミステリ用語辞典

このエントリーをはてなブックマークに追加
203屍蝋
 蝋状に変化した死体がのこと。特有のいやな臭気がある。
 屍脂、死蝋ともいう。生化学用語ではadipocere。
 水分が多く空気の流通が悪い場所(水中や湿潤な土中)に置かれた死
体においては、腐敗が妨げられた状態で脂肪が分解して脂肪酸となり、
タンパク質の一部も細菌の作用などで脂肪酸に変化します。この脂肪
酸の一部ないし大部分(5〜97%)が水中のCaやMgと結合して鹸化すると、
屍蝋となる。なお金属石鹸となるので洗濯に使える石鹸ではない。
 未完成の屍蝋は柔らかくチーズ状を呈し、完成したものは硬くて脆
く石膏様である。屍蝋の完成度と脂肪酸量・鹸化程度との間に相関関
係はない。
 高温では屍蝋形成は早く、夏では2〜3週間で一部屍蝋化する。ふ
つうは水中死体で1〜2ヶ月、土中死体で数ヶ月たつと、皮下脂肪織
から屍蝋化がはじまる。全身が完全に屍蝋化するには水中死体なら半
年から一年、土中死体なら2〜3年程度かかる。
 一般に太った人のほうが、また男性より女性のほうが屍蝋化しやす
い。体おそらくは脂肪率の問題かと思われます。
204死蝋:02/04/01 15:43
京極や横溝の作品でやけに連呼されることがあるが、
たいていトリックとはあまり関係がないので流してしまおう。