302 :
書斎魔神 ◆Kq7rBCas :02/05/24 21:17
>>291 初めまして、お便りありがとうございます。
ガル公君がCPA試験受験準備のため、しばらくの間来れないこともあり、
ミステリ板の筆頭コテハンをやらしてもらっています書斎魔神と申します。
自称高卒の方(しかもドキュソ高校とのこと)とお話しするのは、
2ちゃんねるでは、私にとって初めての経験でもあり、とても緊張しております。
早速ですが、あなたのレスで2,3気になった点について、書かせていただきます。
まず、高校時代の勉強についてですが、10代から20代前半にかけての記憶力の
良さは、我々も経験済みのところかと思います。
大抵の学問は、まず基本事項の暗記からスタートしますので、記憶力の最盛期において
勉学に励み、多くの知識を蓄積しておくのは、作家にとり欠くべからざる行為と言える
でありましょう。
このようにして若い時に蓄積した知識は、普段は忘れたと思っていても、
潜在意識の底に沈殿し、創作活動による刺激により、ある日、あたかも過去の亡霊のように蘇り、作家をして、傑作を書かせることが多いのは、日常我々がよく経験するところであります。
作家として創作活動に入った後での、付け焼刃のような勉強では、とてもこのような事は
期待できません。
加えて、作家になるような人(特にミステリのようなエンタメ系)は、幅広い分野に
わたる知識欲の旺盛な事が不可欠だと思います。
将来作家になるかどうかとかは、関係なく、
「いろんなことを知りたくて、知りたくて仕方ない」というヤツです。
学校の勉強も科目により好き嫌いがあるという程度なら理解出来ますが、
勉強嫌い=色欲が無いと考えられ、そもそもこういう人は作家としての資質を
欠いていると考えられます。
宮本輝「蛍川」は、私も読みましたが、あなたの引用しているセリフには記憶がありま
せん。この人は、やはり「泥の河」の印象が強烈過ぎるものがあります。
それはともかくとして、「運」の話しですが、「運」が無い典型例は、
勉強したくても事情が許さなかった人たちでありましょう。
代表的な例では、松本清張先生です。
現役作家でも、みゆきにも次郎にも家庭の事情のようなものがあったように聞いています。
天才清張先生は、独学により青年時代の勉強不足を克服しました。
しかし、これは天才ゆえに可能なことです。
みゆきや次郎、京太郎にしても本来の創作のストックは尽きているのではと考えられます。
しかし、近年では、いろいろな意味で大学進学も容易になり、
本人の「志」と「研鑚」次第では、資質があれば、作家として世に立てる時代であると
思います。
最後に、
>忘れてなかったらほとんどの人は英語だってペラペラだってば。
あたたのこの認識は誤りです。
日本の英語教育は、カンバセ―ションを主としたコミュニケーション能力の上達よりも、
語彙力と読解力に重点を置いた教育です。つまり、会話は出来なくても仕方ありません。
このことは、よく批判の対象にされますが、ネット時代のおける情報収集力という観点
から考えると、作家及び作家志望者にとり高い英文の読解力を有することは、
非常に有利に作用すると考えられます。
英語によるネット上の情報は、日本語のそれの10倍以上とも言われています。
現在、ある程度知名度のある大学の入試英語問題は、長文読解が中心であり、
内容も評論、エッセイ等カレントな内容になるように工夫されています。
大学受験を契機に英文に親しむのは、最良と言えましょう。
303 :
書斎魔神 ◆Kq7rBCas :02/05/24 21:19
>>298 大人の価値観が多様化してないから、特定の作家ばかり売れるのではないか?
つまり、大人子供化現象。
出版界では、みゆきや次郎、京太郎、康夫等は、十分にメガヒットだよ。
問題は内容でしょう。
304 :
名無しのオプ:02/05/25 01:28
魔神は馬鹿。
305 :
名無しのオプ:02/05/25 01:34
俺は高卒だけど、書斎魔神が言いたいことって、
いい大学出の作家はよくて、出てない作家は売れてもだめってことでしょ。
アホなんじゃないの?
売れなくてつまらない高学歴作家より、売れていて面白い高卒の作家
の方がいいにきまってんじゃん。
俺は、内田、西村は嫌いだけど、赤川や宮部は好きだよ。
なんだかんだいって売れるだけの資質がある。(赤川は好きだった、だな過去形)。
306 :
名無しのオプ:02/05/25 01:35
だから皆つられないでよー
ここは年収の話をするとこだってばよー
>なんだかんだいって売れるだけの資質がある。
この点を具体的に書かないと、単なる印象になっちゃうよ。
「・・・の点が、宮部みゆきは優れている」とか。
オレも夜勤中の大学中退だけど、なんか具体的に書かんと。
>>305 過去形、ってよくわかるなぁ。
初期(大目に見れば中期も)の頃は量も質もよかった。
今でも惰性で売れ続けるだけのことはあると思える。
309 :
名無しのオプ:02/05/25 07:18
とりあえず、本格陣もっとがんばってほしい。
そして、東野と京極はもっと儲けて欲しい。
以上。
310 :
名無しのオプ:02/05/25 11:46
高学歴作家の例が過去の人ばかりだぞ。
ついでに高卒作家の例は現在活躍中ばっかりだ。
過去の人は評価がほとんど決定してるけど、
活躍中の人間に対する評価は不安定だから叩きやすいんだね。
その辺、権威主義的でアンフェアだと思う。
作家(作品)の質は自分で評価するのがマナー。
現代、儲けてる作家は、純然たる原稿料、印税収入より、
ドラマ、映画等の権料や、それによる宣伝効果での
本の売り上げの方が大きいと思われる。
したがって、昔の作家と単純な比較は出来まい。
312 :
書斎魔神 ◆4fRH2jyw :02/05/25 15:57
>俺は高卒だけど、書斎魔神が言いたいことって、
>いい大学出の作家はよくて、出てない作家は売れてもだめってことでしょ。
これはよくわからないレスだな、私はこんな事は書いていない。
松本清張先生は尋常高等小学校卒でベストセラーの常連だった。
やはりアホは君の方という気がしないでもない。
私のレスを良く読んでくれたまえ。
>売れなくてつまらない高学歴作家より、売れていて面白い高卒の作家
>の方がいいにきまってんじゃん。
こんなことはあたりまえだ。君は私のレスを熟読しているのか?
>なんなんだかんだいって売れるだけの資質がある。
君の考える資質というものについて、私も詳しく聞きたい気がする。
魔神のアホは、低学歴ベストセラーは批判するが、高学歴マイナー作家は批判しないんだな(藁
314 :
書斎魔神 ◆4fRH2jyw :02/05/25 16:12
>権威主義的でアンフェアだと思う。
>作家(作品)の質は自分で評価するのがマナー。
故人の作家を高く評価することを、
一概に権威的と言われてはかなわない気がするな。
横溝先生や乱歩先生も駄作も書いているが、
やはり、クールに総体的に評価すれば、才人と言わざるをえない。
作家や作品に対し、自己の評価基準を確立することが重要なのは、
作家が故人か現役か否かには関係無いと思う。
>現代、儲けてる作家は、純然たる原稿料、印税収入より、
>ドラマ、映画等の権料や、それによる宣伝効果での
>本の売り上げの方が大きいと思われる
高額納税者リストのメンツをもう1回見て欲しい。
みゆき、次郎は人気のわりには映像化された作品は
少ないように思う。
彼らの場合は、やはり著書にファンが付いてると考えるべきではないか?
康夫は、映像化の恩恵を見事に受けてるとは思うが。
問題点は、スレタイのテーマに沿えば、
高額納税者の作家が、その収入にふさわしいような作品を書いているか、
ということだな。
もし、そうでないなら、2ちゃんねらーの若桜木先生批判は的外れなもの
という結論になると思うのだ。
315 :
名無しのオプ:02/05/25 16:13
魔塵はクールって言葉が好き(プ
長者番付を見てみると、いわゆるミステリー作家は多くランクインしているのに、
ミステリー板で話題になってる作家はあまりランクインしてないな。
ミステリー板で評価され、かつ売れている作家は宮部みゆきと東野圭吾くらい?
ベスト10圏外だが、京極夏彦は2ちゃんでも人気があり、売れてる作家だと思う。
後、ハードボイルドでは新作は必ずベストセラーリスト入りする大沢在昌も2ちゃんで叩く人は少ないな。
しかし、諸君、W村上も含めて純文学の作家がベスト10にランクインしてない状況が、
日本の文化状況の貧困さを具現しているように思わないだろうか?
書斎魔神さんのおちんちんの形状について教えていただきたい。
320 :
名無しのオプ:02/05/25 21:41
>故人の作家を高く評価することを、
>一概に権威的と言われてはかなわない気がするな
違いまっせ。個人の作家ばかりを評価している(ようにみえる)ということ。
そうでないなら現代作家で真に高収入に値する作家の名を挙げて欲しい。
マンガでいうなら手塚や石の森を「クールだ」って評価しているのといっしょ。
そんなん、みんなが評価してるのにわざわざ声を大にする必要があるの?
馬人ってまだいたんだ。
議論スレでの負け犬っぷりが大好きだったよ
322 :
書斎魔神 ◆4fRH2jyw :02/05/25 22:51
>現代作家で真に高収入に値する作家
吉村昭なんかどうだね?
まさにハードカバーを中を見ないでも買える作家だと思うが。
ノンフィクションなら、猪瀬直樹はやはりいいのでは。
うーん、問題はミステリ作家か、やや小粒で今後の活躍次第だが、
殊能将之はどうだろうか?
また、個人的な好みでは蘇部健一、これはあくまで個人的好みね。
。
◆作家◆(単位は万円)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
順位 前年 氏 名 納税額 (推定年収)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
(1) 1 西村京太郎 15,603(42,900)
(2) ― 赤川 次郎 11,108(30,700)
(3) 3 宮部みゆき 7,873(22,000)
(4)14 山崎 豊子 7,559(21,100)
(5) 2 内田 康夫 7,265(20,300)
(6) 5 浅田 次郎 6,758(19,000)
(7) 6 五木 寛之 6,468(18,200)
(8)17 天童 荒太 6,465(18,200)
(9) ― 真保 裕一 4,153(11,900)
(10) ― 北方 謙三 3,956(11,400)
(11)16 菊地 秀行 3,886(11,200)
(12) ― 夢枕 獏 3,591(10,400)
(13) ― 江国 香織 3,412(9,900)
(14) ― 阿川佐和子 3,227(9,400)
(15) ― 落合 信彦 3,188(9,300)
(16)12 津本 陽 3,176(9,300)
(17)10 星野 富弘 3,108(9,100)
(18) 7 森村 誠一 2,887(8,500)
(19)15 東野 圭吾 2,878(8,500)
(20) ― 林 真理子 2,746(8,100)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【ベスト20から外れた人】(数字は前年順位)(4)鈴木光司(8)桐生操(堤幸子)(9)桐生操(上田加代子)(11)村上春樹(13)赤瀬川原平(18)桐野夏生(19)京極夏彦(20)神坂一
324 :
名無しのオプ:02/05/25 23:46
>>323 これみるとだいたい
プロ野球3チーム=作家全体 くらいかな。
もっとも作家の場合、執筆のみでの収入は
高卒二軍選手以下の人が大半だとは思うが。
選手生命もむしろ作家の方が短かったりして。
325 :
名無しのオプ:02/05/26 14:10
>322
そうか、殊能将之が高収入を得るべき価値ある作家なのか……。マジで?
しかし他の作家を押しのるまで逸材かな。すごーく微妙なチョイスやね。
真のお笑いに「はりがねろっく」って答えるぐらい微妙。
しかし、ともかく自分で評価していることは分かった。
感動したので自分も正直に言おう。蘇部健一は読んだことない。ゴメン。
326 :
書斎魔神 ◆4fRH2jyw :02/05/26 21:41
>>325 殊能タンもソ蘇部先生にも、もっと金持ちになって欲しいという私の願望くらいに
受けとって欲しい。
多分、願望のまま終わるような予感がする。
蘇部先生の本は、1度は手にとってくれると嬉しい気がする。
ただし、怒らないで欲しい。腹を立てると読者の負けという快作ならぬ怪作である。
ミステリ作家でないので、ノーコメントなのだろうが、
ノンフィクション作家の猪瀬直樹氏はともかくとして、
吉村昭先生はどうだろうか?
司馬遼太郎、松本清張亡き今、吉村先生こそトップに立つべき作家だと思う。
327 :
名無しのオプ:02/05/26 22:03
>>326 人のことばかり言ってないで、自分で理想とする小説を書く気はないのかい?
328 :
名無しのオプ:02/05/26 22:06
蘇部健一が・・・・もっと儲けるべきだと?
笑わせるなハゲ。
327のレスにマジレスだが、
吉村昭先生の本を読むと何も書けなくなってしまうな。
君はどうだ?
328は蘇部先生の策にはまっている。
先生はそういう発言をさせたいわけだ。
蘇部にだけは儲けて欲しくないな(w
>>330 蘇部先生は、読者からそういう言葉を投げかけられるのを待ってるのだよ。
蘇部先生ってのは、例えばSFにおける田中啓文みたいなもんですか?
ご回答ありがとうございます。バカミス好きだから読んでみます。
質問の時に数字入れ忘れたので、ご了承ください。
ブコの「パルプ」とヨコジュンの「奇想天外殺人事件」は読んだけど、他は長く思えて
なかなか読めないのです。
どれくらいバカバカしいかな・・・。
バカミス作家を挙げるところに、ミステリへの愛着がわかって微笑ましく思いました。
やはり単なる学歴マンセーじゃないですね。
ところで英語の事なんですが、私建築のバイトをしていた頃に、英語を喋らなければ
ならない時がありまして、その時はつたないものではありましたが、学校でうろ覚え
だった知識でどうにか通じました。ですので、カンバセイションを重視していない日
本の英語教育ではありますが、すべて覚えていればペラペラに近いところまでいける
のではないでしょうか。
高校生あたりが記憶力の絶頂というのはほぼ同意しますが、だからといって興味のない
ものは、やはり覚えられない。あるいは忘れる。そういうものだと思います。
それについて昔、岩波新書で読んだ記憶があるのですが、どの本かを忘れてしまったの
が我がごとながら悔やまれるところです。
完全にスレ違いですが、この板ではバカミスがあまり盛り上がらないのも残念です。
盛り上がるくらいであれば、蘇部健一先生も長者番付に載るのでしょうけどね。
>>334 お便りありがとうございます。
板筆頭コテハンの書斎魔神です。(この点はくれぐれもお忘れ無きように)
さて、いただいたお便りですが、なるほどと思う部分も多いのですが、
2、3気になる点がありますので、その点につき書かせていただきます。
>カンバセイションを重視していない日本の英語教育ではありますが、
>すべて覚えていればペラペラに近いところまでいけるのではないでしょうか。
ネィティブから教授されることが少ない日本人の場合、
受験英語を完璧にクリアしても会話ペラペラないしはそれに近い状態は
難しいと思います。
アクセントや発音等もブリティッシュイングリッシュだとしても目で憶えたものと
耳から憶えたものには、かなり違和感がありますしね。
もちろん、簡単なコミュニケーションは十分に可能でしょうが。
>興味のない
>ものは、やはり覚えられない。あるいは忘れる。そういうものだと思います。
どの学問にも適性というものがありますので、
この点はおっしゃる通りなのかとも思いますが、
10代、20代前半なら、自己の適性が劣る分野の知識の吸収も
ある程度までは、記憶力の駆使等により可能かと思います。
作家になるような人には、若い頃に貪欲に知識の吸収に努めて欲しいというのが
私の考えです。
若い頃憶えた知識は、普段忘れていると思っていても、必要に応じて、
過去の亡霊のように蘇って来る御経験は御自身の英語の例であわかりかと思います。
>この板ではバカミスがあまり盛り上がらないのも残念です。
偏狭な価値観にとらわれた住民が多いせいかと思います。
残念なことです。
蘇部先生の作品は、やはり「六枚のとんかつ」(講談社NV)から手にとって
みてください。
私も昔、ヨコジュンの早川文庫の短編集を読みましたが、
彼氏より蘇部先生の方が良い意味でアクがあるようです。
336 :
名無しのオプ:02/05/27 23:05
作家は本当に一握りだよね>儲かる奴
>>17の姫野って人のインタビュー読んだことある。締め切り地獄だわ、書いた文章はけなされるわ、誉められたとしても売れないし、おまけに鬱になるw作家は本当につらい職業ですって。
純文学なんて志す奴はよっぽどの覚悟がいるんだろうな。そして本当に覚悟がなきゃやっていけんだろ。
本格はどうなんだろうな。正直、森みたいに本職持ちながらやるってのが賢いのかもな。量産であろうと寡作であろうと。
森は本職の研究の方はどうなんだろう
エンタメの2大潮流は、ミステリと時代・歴史小説だというのは、
異論無きとこかと思う。
しかし、今年度の高額納税者の作家ベスト10に時代・歴史小説家は皆無だ。
司馬遼太郎、藤沢周平、池波正太郎、主力クラスがことごとく鬼籍に入ったため
苦しい感じだな。
品位という点では、時代・歴史小説>ミステリ、だと思うのだが。
現役作家の時代・歴史小説のエースは誰なのだろう?
平岩弓枝あたりは、納税額も結構多いと思うのだが。
男なら乙川優三郎かな。
11位以降の作家の納税額のわかる資料が載っているサイトのリンクを希望する。
>>335 スレ違いなのですが、書斎魔神さんに伝えたいと思いまして、あえて書きます。
遅ればせながら「六枚のとんかつ」読ませて頂きました。なかなかにバカバカしく
ていいのですが、妙にロジカルだったので(まあ当たり前なんですが)笑う事も
怒る事もできず中途半端な印象でした。読みやすくていいのですが……。
私はついバカバカしさを求めてしまうので、やはりそういう意味ですとヨコジュン
の方がいいかと感じました。早川の短編集をお読みになったとの事ですが、未読で
あれば、是非「奇想天外殺人事件」をお読みになって頂きたいと思います。確かに
ヨコジュンは小説がそんなに上手くはないとは思うのですが、ここまでクダラない
ものを書く人はそういないと思います。
といっても、今ああいう作品はほとんど残っていないと思いますので、偶然にも見つ
ける事があったらという事なのですが。
340 :
名無しのオプ:02/07/12 20:26
>>339 お便りありがとう。
ヨコジュンの本で私が読んだことがあるのは、早川文庫の短編集を1冊のみ。
日本シリーズで阪神と阪急(オリックスの前身)が対戦するという、
関西人の夢を実現したような野球版架空戦記とでも言うべきような作品が
表題作になっているものだった。この本御存知だろうか?
他の短編に関しては全く記憶に無いが、
ヨコジュンの作風は肌に合わないと判断し、以後に手に取ることはなかった。
日経の日曜文化欄に連載していた古書に関するエッセイは読んでたけどね。
関西学院出身のヨコジュンは、関西人にしてはどぎつくないのだが、
やはりユーモアのセンスが関西風なんだな。
どうも首都圏に住む私には、そのユーモアに笑えないし、物語の世界にも没頭して
楽しめない。感性が合わないのだろうな。
あなたが教えてくれた「奇想天外殺人事件」は、講談社文庫で87年に刊行されてるね。
古書店でも入手難のようなので、図書館で捜して読んでみるよ。
あなたは、蘇部先生の作品でも理詰め過ぎて楽しめないということは、
SFの方が好きなのかな?
日本SF界の巨匠(もうこの段階も遥かに超えてるか)筒井康隆の手になるミステリー
は読まれただろうか?
バカミスをお好みなら短編集「富豪刑事」をお薦めしたい。
この短編集バカミスを超えて結構ミステリしている点を、あなたがどう評価するかだが。
また、シリアスな長篇だが、ミステリーファンもうならせた「ロートレック荘の殺人」
も読んで欲しいところだ。
341 :
書斎魔神 ◆Kq7rBCas :02/07/12 20:28
340は私だ。御心配なくね。
342 :
名無しのオプ:02/07/12 22:29
吉村達也ってどのくらい稼いでるのかしら。
文庫ばっかだけど小刻みに重版かかってんだよなー。
343 :
名無しのオプ:02/07/13 01:48
森博嗣は、最近の雑誌で「何年か前に投資があたって経済的な心配はなくなった」と書いてた。
なんで当てたんじゃ?
>日本シリーズで阪神と阪急(オリックスの前身)が対戦するという
これは、かんべむさしの作。
>>340 ヨコジュンは法政大学法学部の出身です。
高校も法大付属です(確か二高だと思ったのですが……忘れた)。
あと、お読みになった短編集の内容からすると、かんべむさしとごっちゃに
なって記憶されているのではないでしょうか。
まあ似たもの同士だからしょうがないかもなあ。
筒井は読んでいる方だと思うんですが、なぜか「富豪」は未読ですので読んで
みたいと思います。
ところで、ライノベの方がなんとなく手堅い気がするんだけど、一部の人
以外はミステリ書いて食っていけるのかな。
346 :
名無しのオプ:02/07/13 22:37
age
かんべむさしと横田順彌を混同しており失礼した。
さて紹介して頂いた「奇想天外殺人事件」(講談社ノベルス版、ウッチャンナンチャンの
ウッチャンのような主人公=早乙女ボンド之介の漫画の表紙のヤシ)を入手、読了したので、
この機会にスレ違いを承知で、感想をアップしてみたいと思う。
まず全体の感想だが、蘇部先生があくまでミステリーの枠内にとどまりバカを書いている
のに対して、SF作家であるヨコジュンはなんでもあり、SF的なセンスオブワンダーの
世界にまで躊躇無く突入してしまっている。
このテイストを求めて蘇部先生の作品を読むと、確かにはじけ方が物足らないと感じるのは
致し方無いことかと思う。
しかし、逆にミステリーの読者から見れば、蘇部作品はあくまでミステリーの世界に
とどまりつつ、しっかりと地に足を付けてバカをやっている良さが魅力なのである。
従って、このヨコジュンの作品集は、
SF嫌いのミステリーファンには、我慢ならないものなのは間違いなかろう。
各作品講評
「高利貸し殺人事件」
バカミスでは無く、バカSFではないのかという疑問が炸裂する。
氷の凶器の超バリエーションか?
「極秘研究殺人事件」
この作品も既にミステリーの世界観には無い。
半七捕物帖に「三つの声」というミステリー色の強い作品があるが、
これのヨコジュンバ―ジョン?まさか?
「ホモセクシャル殺人事件」
ここまでやられると笑うか怒るかしかないだろう。
スプラッターな事件の結末の妙味?
「銀行強盗殺人事件」
面白かった。ダイイングメッセージも第1話のようなお遊びではなく、
納得がゆくものになっている。
SFミステリーというカテゴリーなら十分な及第点だろう。
「若手真打ち殺人事件」
落語好きな論者にはスラスラと読めたが、一般には面白く無い作品であろう。
「正一位稲荷殺人事件」
面白く読んだが、読み終えてタイトルが?
もっと適当なものがあるように思う。例えば「黄金の腕殺人事件」とか。
「ねじまわし殺人事件」
ここまでやるとSFミステリではなく、完全にSFそのものである。
せいぜいミステリ仕立てのSFといったところか。
それなりに楽しくはあるが…
「みにくい日本人殺人事件」
SFの古典のアイデアを剽窃したと言われても仕方ない収録作品中一番の駄作。
「人毛かつら殺人事件」
ホラー風だが、意外に正攻法にミステリしている作品。
「穴だらけ殺人事件」
蘇部作品に一番近いテイストの作品。正攻法なバカミスである。
あげ
349 :
名無しのオプ:02/08/12 18:42
確かに作家=金持ちという図式は大間違いだけど、あんまり貧乏だと煽るのも
違う気がするなあ。ここは、ミステリ板だしさ。
作家にも色々いるわけで、そのうちの多くは一万部も売れない純文学系ですよ。
そのうちの大半は、五千部すら怪しい。本屋に行けば、知らない作家の本ばかり。
でも、ミステリはそこそこ売れますからね。特に、講談社辺りのブランドから
出せていれば、意外に売れる。もし家族がなければ、よほど酷い作品じゃない
限り、年に3冊も書けば、取りあえず余裕で暮らせます。
>>349 講談社ノヴェルスの平均的な発行部数を考えたら、確かにそうかもしれない。
でも、もっとマイナーなところからしか出していない作家なら、年に3冊でも
きついかもしれないよ。
まあ、流水や霧舎ですら俺よりはるかに年収が高いであろうことは、認めざるを
得ない。激しく鬱だ・・・。
>流水や霧舎ですら俺よりはるかに年収が高いであろうことは、認めざるを
>得ない。激しく鬱だ・・・。
君しっかりしろよ、清涼院氏や霧舎氏、もうちょいマシだが森氏には、
需要があるバカミスを自覚症状無く書ける才能があるんだ。
これも特殊技術、つまりスペシャリストだ。
リーマン風情の君より金を取って当たり前だ。