あぼーん
日本では絵の流通販売能力・顧客管理能力が、ヨーロッパ・アメリカに比べて、低いことが挙げられます。
ドイツやオランダには、若手芸術家から拾い上げていく制度(画商が直接美大生をスカウトする)がありますが、日本にはありません。
結果、若手のデビューは逆輸入という形が一般的です。
ですから、海外である程度成功しなければ洋画家としては芽がありません。留学しただけではダメです。
また、顧客の大半は「ブルジョワジー」な方々ですのでそらへんで実績重視というのもあるでしょうね。
作家としてやっていくには、月々の制作費や生活費も含めて相当数の絵をコンスタントに売り続けなければなりませんので、商品の性質上顧客の数も限られることになります、
そのおかげで、画家になろうとする人間は多いのですが、業界自体は非常に狭い人間関係で成り立っています。
日本で行なわれているほとんどの美術賞は、直接の賞金以外はほぼ役に立たないと見ていいと思います。
あとは政府ですね、公的機関に作家ごと買い上げられれば数年は資金が出ますが、今の情勢では厳しいでしょう。
まず日本の美術館は新人の発掘という観点で仕事をしていません。
ここらへんは、ヨーロッパの美術館史と日本の美術館史の違いですね。
日本画は、もっと悲惨です、まず食えません。