140 :
nanasissimo:
音楽療法は、今注目されている分野でもある。
欧米では、音楽療法士は国家資格になっていて、生活が保障
されている。
つまり、欧米では、福祉に重点が置かれているということだ。
さて、日本では音楽療法はどうかちょっと検証してみよう。
今日本では、急速に高齢化が進んでいる。
おそらく、これからは、高齢者に対する音楽療法というのは、
注目されるだろう。
本来ならば、高齢者福祉に対して十分に予算を使わなければならない。
高齢者対象の音楽療法士に対して十分な金額が補償されているだろうか?
いや、必ずしもそうはいえない。
日本は、介護保険制度が始まる前は、措置制度といって、
介護施設のスタッフの給料は、全て税金でまかなわれていた。
それまでは、音楽療法士に対しても、正当な報酬が支払われていた。
世の中は、福祉を中心に、どんどん良くならなければならない。
ところが、介護保険制度が入ったとたん、現場は大混乱。
なんと福祉の切捨てなのだ。
政府は、「介護を社会全体で支える」とか抜かしていた。
でもそれは、無駄な公共事業でお金を使ったつけを、国民が
負うことになった。
国は、これまでの「福祉施設は税金で保護」という姿勢を完全に
転換した。
無駄な公共事業を次々と実施した政府、政治家の給料が減らされる
ことはなかった。
国は、高齢者福祉に対しての税金の割合を低くした。
そして、介護保険料という負担が国民に来てしまった。
高齢者福祉施設は、ほとんどが民営化され、介護報酬で
経営をしなければならなくなった。
その結果、介護で働く方々の給料は、最低賃金となった。
音楽療法士は、当然のことながら、「外部の講師」として
現場に行くことになる。
音楽療法士は、基本的に、現場の介護職員よりも
不安定な職種である。
ゆえに、予算的な面で問題が生じたときに、
一番にくびになるのが音楽療法士である。
141 :
nanasissimo:2009/10/20(火) 08:34:40 ID:aEfhzAN10
次のようなことが、実際にある現場であった。
介護保険制度が導入する前の、2000年3月までは、
音楽療法士に対して1回10000円が支払われていた。
大体拘束時間は、セッション時間を含めて2時間程度である。
介護保険制度が導入されたとき、音楽療法士が替わった。
報酬は、介護保険制度が導入されたことにより、
極めてひどいものになり、なんと時給1200円になった。
しかも、拘束時間はおよそ3時間。
今までは、1回(おおよそ2時間)で10000円だったのに、
3時間で、およそこれまでの3分の1の金額になったのだ。
まあ拘束時間を増やして報酬を3分の1にする施設も馬鹿だけどな。
この音楽療法士は、まさに被害者で、無駄な公共事業のせいで
予算を削られたことによる犠牲者といえよう。
これはあくまでも一例である。
このような被害者が出ていることは、政治家は制度導入後、
しばらくすれば分かっているはずだ。
最初は分からなかったかもしれないが、分かったのなら、
3年に1度の介護報酬改定時に、介護報酬を当然引き上げなければならない。
最初の介護報酬の改定時期が、2003年4月1日である。
その時に、「介護や福祉は大切だから、また音楽療法士も
大切な職業だから介護報酬が上がるな」と誰もが思っていたはずだ。
ところが、なんと介護報酬は引き下げられたのである。
それから3年がたち、2度目の介護報酬の改定時期が来た。
それが2006年4月1日だ。
2003年から3年がたち、そのときよりも音楽療法の需要、
必要性は高まっているはずである(高齢化がもっと進んでいるため)。
世の中の誰もが、「今回の介護報酬の改定では、必ず介護報酬は
引き上げられるはずだ」と思っていたはずである。
しかし、またしても逆の方向になってしまった。
2回の介護報酬の改定、いずれもマイナス改定だったのだ。
間違いなく誤った政治判断だ。報酬引き下げを決めた政治家が悪い。
その結果、介護で働く人の全ての職種で、人を雇えなくなり、
倒産が相次ぐ結果となった。
もちろん音楽療法士も例外ではない。現場での仕事が少なくなり、
被害者であることは間違いない。
そしてさらに3年後の今年4月1日に、3回目の介護報酬の改定が
行われた。さすがに介護報酬は引き上げられたのだが・・・
政府は、「介護職員などの賃金などの上昇」とか抜かしていた。
ところが、実際には全くのでたらめで、賃金が上がったところなど
ほとんどない。
音楽療法士の報酬も、全く変わらないか、仕事を失っている方々も
いらっしゃる。全くふざけるのもいい加減にしてもらいたいものだ。