坂本龍一 - キーボードスペシャル 1987年3月号 「特集オネアミスの翼」に
野見や窪田の話が載ってた。
> さて、今回起用された3人のアレンジャーそれぞれの個性と果たした役割を、まとめてみましょう。
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> まず、この中では異色のギタリストである窪田晴男は、お得意のブラス+リズム・アレンジで
> "オネアミスの少年像"を描写。
> 野見祐二は、抜群のオーケストレーション・センスと、メロディの素晴しさで、"オネアミスでの
> 人間性"を表現。"宗教"部門もはまり役。
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> 上野耕路は、安定したオーケストレーションで、"オネアミスのドラマ性"を担当。
> この2人のオーケストレーションの違いに個性があらわれていておもしろい。
> パート・ライティングというか、横のラインを重視し、音色を空間的に配置していく、
> どちらかといえば感覚的な野見サンに対して、上野サンは、よりクラシック的なモチーフの
> 展開を主眼に、音を組み立てるやり方です。
> メイキング・オブ・オネアミスの翼 証言4
>
> [4人の合作になった理由]野見祐二
>
> 最初に1曲だけ先に録っていたんですね。イメージ・スケッチのほうに入っている
> 「王立宇宙軍の歌」ですけど、あの曲からスタートしてて、で、そのレコーディングを
> やっているスタジオに呼ばれて行ったら、一緒にやってほしいと言われて。
> そのころは、立花ハジメさんとやることもアイディアとしてはあったみたいですけど、
> その後、映画の概要をくわしく聞いていゆくうちに、少人数ではできないので4人で
> やることになったんです。ミーティングを繰り返すうちに、音楽をギンギンにいっぱい
> つけなきゃいけない映画だということがわかったんです。で、4人で集まったときに
> 各自の分担を決めて、そのときは、ボクと上野さんには特別な話はなかったですけど、
> 窪田さんには「ロック部門をやってほしい」と言ってましたね。
> メイキング・オブ・オネアミスの翼 証言5
>
> [プロデュースの方法、作曲の方法]窪田晴男
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> まず最初に坂本さんがテーマをいくつか作ったでしょ。で、あれがあったからやりやすかった
> ですよね。それと、音楽監督という人がいるんですが、その人と監督とで曲がどこにどういう
> ふうに入るかまとめたものを作っていて、夏休みの宿題のチャート式教材みたいなものが
> あって、何秒で悲しくなるとか細かく書いてあるので、大変ありがたかったです。
> それと、テーマのうちどれを使うか、そのときのイメージはどんなふうか坂本さんのほうから
> 話があって、例えば、ボクの場合だと、リイクニのシーンでは"宗教的な感じ"とか、
> あと他のシーンでは"バカバカしいぐらい派手に"とかいうのがありました。
> 基本線はテーマをリアレンジしたものですけど、それぞれ自分で書いた曲もあるし、
> ツボを押さえてまかされるという感じで、やりやすかったです。
> 「注」(音楽監督=田代敦巳)