【もうすぐ51歳】長渕剛No.63【まだまだ魅せる】
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ここは日本を遠く離れた中国の地、黄河の畔。
三人の旅人が馬に乗り、とぼとぼと歩いていた。
「ああ、腹が減ったな。酒もひさしく飲んでおらん。こうなると気が滅入るわ」
三人のうちの一人、虎のような鬚を蓄えた、身の丈七尺はあろうかという大男が寂しげにいった。
するともう一人、更にふっさりとした長い鬚を持つ男がこういった。
「こら張飛。なんと情けない事をいうのだ。満足に食事しておらぬのは長兄も同じなのだぞ。その上、酒まで欲しがるとは贅沢が過ぎるぞ」
「しかし雲長よ、われらはこれまで長い間、各地を転戦し武功を挙げてきたにもかかわらずだな、いまだ城の一つも構える事ができず、十分な兵力もなく、こうして流浪の旅を続けているのだぞ」
「しかたなかろう。これも大志を遂げる為の道程と我慢するのだ」
雲長と張飛が言い争っていると、最後の一人、それまで黙っていた男が口を開いた。
「関羽、張飛よ。わしの力がいたらぬばかりにお前達には苦労をかけるな」
その言葉を聞いた二人、慌てて顔色を変え、
「なにをおっしゃいます、玄徳兄者。この程度の事われらは苦とも思うておりませぬぞ。」
「そ、そうです、兄者。それがしの言葉で気を悪くされたなら、謝りもうす。もう二度とあのような弱音は吐きませぬゆえ、兄者もどうかお気になさらぬように」
と、玄徳にいった。