「ああ、うん。話変わるけどさあ──」
──は、はいっ!?話、変わるんですか?
「いい?」
──はあ(困惑)・・・・・いいですけど。
「(笑)・・・・・何でヒロトってさあ、<リンダリンダ>とか演らんのだろうね?」
──ん!?と・・・・そ、それはですねえ(超困惑)・・・・・
ブルーハーツを封印しちゃったからじゃないですかね?
「演りゃあいいのにね。盛り上ると思わん?」
──あー。そりゃ盛り上るでしょうねぇ。
「俺、それ思うんだけど・・・・もったいないじゃん?せっかく、あんだけすごくいい曲でさ、
みんなが聴きたがっていて。演れる状況にあるのにも関わらず、演んないってさ。
だって外国の人ってべつにこだわらずに演るじゃん?
ローリング・ストーンズだってさ、べつに<サティスファクション>とか演るじゃん」
──ストーンズは同じバンドですよ。
「まあ、そうなんだけど。でも<何10年も昔の歌をまだ演んのか>っていう感じ・・・・
があるのか、わかんないけど。でも演るじゃん。こだわって演んないのはわかるんだけど。
俺はやるじゃん?ブランキーの曲。関係なしで」
──はい。そうですね。
「そういうふうになりゃいいのになって、おせっかいだけど、思った(笑)」
──はい。あの、浅井さんは今でも純粋にブランキーの曲を演りたいんですか。
「というか、いい曲は人に聴かしたいもん。カッコいい曲は、生で。そんだけだよ。
<誰々と誰々(と一緒のバンド)じゃなきゃイヤだ>とかさ、そんなこだわりよりも、
俺べつに、曲のほうが大事だもん。
曲が聴いとる人の身体ん中に入っていった方がいいじゃん」
──うーん・・・・まあ、ここに来て「リンダリンダ」とか演ってくれたらビックリですけどねえ。
「<気が変わった、唄う!>とかなりゃいいのにねえ。何10年も演ってないの?」
──ブルーハーツが解散してからだから、11年くらい演ってないんじゃないですかね。
「うん。あんないい曲、もったいないね」
──んー、これは僕の見方ですけど、
どこかで前のバンドに決着できてないからかもしれないですよね。
その思いがでか過ぎるというか。
「うーん、それ、そういうゴチャゴチャ言うのがね・・・・
なんか<何言っとんの?>って感じなんだよね」
──じゃあ浅井さん、ブランキーは、やれるとこまでやったっていう気がします?
「うん」
──<これ以上ムリ!>ってところまで行ったんですよね。
「あれ以上やっとったら、俺、もう気が狂っとったよ。だけど・・・・みんなは違うのかな?」
──それと新しいバンドで新しいことをやりたいのが大きいとは思うんですけどね。
「まあね。新しいバンド組んだら、そのバンドで勝負したいというのは思うね。
昔の曲に頼りたくないっていうのはわかるけど。
けど、けどさ・・・・だって自分が演らんかったら、もう二度と誰も演らないんだよ?永遠に。
唄えるときに唄いたいもん」
──じゃあそれを照井さんとか達也さんと一緒に演ろうとは思わないんですか。
「それはだって、再結成になるじゃん。だって解散したから・・・・再結成はできないと思う」
このあと、少し再結成云々の話が続いて、
「カッコいいバンドには、だいたいふたり、関係のいい人がおる」というような話になり、
ポールとジョン、キースとミック、サイモンとガーファンクル、って例を挙げてて、
ヒロトマーシーの名前は出なかったけど、
ベンジーの脳内にはチラッとあったかもしれないね(←という俺の脳内)