Mr.Children1426

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327名無しさん@お腹いっぱい。
 まだタレントショップも出店していない頃の竹下通りの近くの、冷房がやけたら効いた地下のBARで
はじめて飲んだ。
 世の中で起きている出来事が、みんな列をなして、自分だけをみつめているように感じていた君は19才だった。
少し黄ばんだ布製のリュックをいつも重そうにしょっていたけれども、中には、何が入っていたのだろう。
今になって考えてみると、まっすぐな夢がふくらんで生きることへの、やけどしそうな位の情熱が重かったのかも。

そして君は、「僕の理想の女性像は、東京物語にでてくる原節子みたいな女性で、彼女のような美しいまなざしと、
他人のこともすごく大切にする心優しい妻と、子供ふたりくらいの明るい家庭をもって暮らすなんていいな」と熱を帯びていた。

 あれから20年、僕は結婚し、原節子とは似ても似つかない妻と、ポケモンだいすきの息子が
ひとりの家族がいる。

              小坂洋○(EPICソニー代表取締役)