前ちゃんはギンギンになった息子をさらして禊を受けるしかないな。
その飲食店は、目立たない路地にひっそりと建っていた。決して大きい店ではないが、それがかえって知る人ぞ知る名店といった印象を与えた。
しかしその店を知っていても、食事をすることは容易なことではなかった。
その店で食事をするには、会員証が必要だったのである。
ある日、男がこの店に立ち寄った。
「ここで食事ができるか」
「はい。ですが、普通の方はご遠慮させていただいております。会員証をお持ちの会員でなければ」
「なんだ、この店は会員制だったのか」
「さようでございます」
「では会員になるとしよう」
「無理でございます」
それを聞いて、男は怪訝そうな表情を浮かべた。
「会員でなければ食事ができない。しかし肝心の、その会員になれないとは。おかしい。矛盾しているぞ」
「いえ、そう早合点なされては、困りますな。つまり会員証の数をそれほど多く作ってはいないのです。会員の人数がとても少ないわけですな」
「そんなことで儲かるのか」
「ええ。おかげさまでね。会員の方はみな、大金を置いていっていただけるので」
「なるほど、大金を払うだけの価値がある料理、というわけだな」
「そうなりますかな」
「仕方ない。出直そう」
そう言って、男は帰っていった。
数日後、店に再び男が現れた。
「どうだね、これで食事ができるだろう」
男が出したのは、高級感のある金色のカードだった。
「たしかに、我が店の会員証ですな。どうなされました」
「大金をはたいて、会員の者から買い上げたのだ。きちんと会員の権利を譲るとの証明もある」
「証明書の証明というわけですな。よろしゅうございます。しばらくお待ちください」
店主がいったん、店の奥へと消え、しばらくしてから戻ってきた。
ただし、店主の手にあったのは、料理ではなく、拳銃だった。
「なんの冗談だ、わたしは食事をしにきたのだ。冗談につきあうつもりはないぞ」
「いえ、これが商売なのです。普通に会員を作ったのでは儲けはそうでません。しかし、料理がうまいとちらつかせる。つまりえさですな。そして、あなたのような方が大金を払ってまで会員証を手に入れるわけです」
そう言って、店主はポケットから男が持っているのと同じカードを取り出した。
「あ、つまりわたしに会員証を売ったやつ。あいつもぐるだったのだな。よくもだましてくれたな」
「いえ、わたしは嘘は申していません。しかし、あえて申し上げるなら……」
店主はなれた手つきで拳銃の引き金を引いた。
「わたしは本当は料理が下手なのです」
男は街中を散歩していた。
町の様子を観察しながら歩いていると、通りの向こうに博物館を見つけた。
「博物館か。時々歩いていた道なのに、どうして今まで気付かなかったのだろう」
近づいてみると、古く薄汚れた博物館の入り口にはポスターが貼ってある。
ポスターには『人の歴史展』。
長年置き去りにされたかのように黄ばんで変色している。
チケットを買って中に入る。
いくつかの部屋を回ってみるが、男の他には一人の姿も見えない。
展示物は、石器から、民族衣装、工芸品、絵画、武器兵器、雑誌・本、各種家電、etc……、果ては宇宙服。
順路に沿って年代順になってはいるが、
ありとあらゆる時代・国のものが乱雑にガラスケースに収められている。
「テーマが広すぎるんだ。何でも置けばいいってもんじゃない」
ぶつぶつと文句を言いながらも、男は最後の部屋にやってきた。
一番奥のケースの中には壊れた腕時計がある。
時計は、熱か衝撃かわからないが、ぐにゃりと歪み、風雨に晒されたかのように錆ついている。
男がどこか見覚えのある腕時計だと思って見ていると
それが、今、自分が着けている腕時計だと気がついた。
限定品の時計で、側面に刻まれたシリアルナンバーも同じだ。
男はケースと自分の腕時計を見比べる。
今は確かに動いているが、これが止まるのはいつだろう。
部屋は行き止まりで、どこにも出口は見当たらない。
壁の向こうから爆発音が聞こえた気がした。
内ポケットから煙草を取り出して火をつける。
煙を吐き出しながら、男は世界の終りを待つことにした。
男は街中を散歩していた。
町の様子を観察しながら歩いていると、通りの向こうに博物館を見つけた。
「博物館か。時々歩いていた道なのに、どうして今まで気付かなかったのだろう」
近づいてみると、古く薄汚れた博物館の入り口にはポスターが貼ってある。
ポスターには『 の歴史展』。
長年置き去りにされたのか、一部は破れ、黄ばんで変色している。
チケットを買って中に入る。
いくつかの部屋を回ってみるが、男の他には一人の姿も見えない。
展示物は、石器から、民族衣装、工芸品、絵画、武器兵器、雑誌・本、各種家電、etc……、果ては宇宙服。
順路に沿って年代順になってはいるが、
ありとあらゆる時代・国のものが乱雑にガラスケースに収められている。
「テーマが広すぎるんだ。何でも置けばいいってもんじゃない」
ぶつぶつと文句を言いながらも、男は1つの部屋にやってきた。
この部屋に置かれている物は男が見覚えがある物ばかりあった。
「俺が子供のころ、こんなおもちゃがあったなあ。あ、これも、これもだ、もってたなあこれ。」
男が懐かしさに浸っていると、一番奥のケースの中の壊れた腕時計が目に付いた。
カレンダーつきの時計で、日付は今日を示している。
時計は、熱か衝撃かわからないが、ぐにゃりと歪み、風雨に晒されたかのように錆ついている。
男はそれが、今、自分が着けている腕時計と同じものだと気がついた。
男はケースと自分の腕時計を見比べる。
限定品の時計で、側面に刻まれたシリアルナンバーも同じだ。
この部屋は行き止まりで、どこにも出口は見当たらない。
戻ろうとしたとき窓の外でが何かが光った気がした。
男が時間を見ると、もうすぐあの時計と同じ時間だった。
303 :
名無しさん@お腹いっぱい。:2011/11/01(火) 18:41:55.16 ID:0olWctgU0
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キャッキャ ( ´∀`) ヮィヮィ (・∀・ ) ヮィヮィ
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ガラガラ!(ヤクザ前田が部屋に入る音)
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