>>311の続き
−藤原さん、いったん落ち着いて下さい、深呼吸しましょう。
藤原「…」
−ちょっと話を変えますね。子供の頃の話を聞かせてもらっていいですか?
藤原「…子供の頃?」
−ええ。
藤原「…子供の頃はまだ自分の鼻が小さいなんて思ってなかったから楽しかったです。好きな子もいたし。」
−好きな子がいたんですか?詳しく聞かせてもらっていいですか?
藤原「あ、いいですよ。つーかその子とは中学も一緒だったんだけどすげえ可愛い子で。一目惚れに近い感じで」
−一目惚れですか?
藤原「みたいなもんですね、二つ年下の子だったんだけど」
−へえ。付き合ったりもしたんですか?
藤原「中三の時に告白したんですけどフラれましたね。その時その子に言われたのが、
鼻の穴をおじぎさせる手術をしたらもう一度挑戦しに来て!ってセリフで」
−それは…ずいぶんキツい子ですね。
藤原「その日から一念発起して。絶対見返してやると。とにかく鼻を手っ取り早く高くするにはシリコンだと。
とにかく一日も早くシリコンを買うためにバイトを始めて。
でもシリコン代なんて学生のバイトくらいじゃなかなか貯まんなくて。バイトじゃ無理だと諦めたんです」
−あらら
藤原「バイトは諦めたけどシリコン買うのは当然諦めきれなくて。
それで金持ちになるにはなんだろうと。歌には自信あったんでミュージシャンだと。とにかくシリコン買えるくらいは売れてやると」
−なるほど、執念ですね。
藤原「それでユグ出した頃にようやく目標額が貯まって。美容整形医院に行ったんです」
−いよいよですね。
藤原「ところが入ってすぐいきなり看護婦達にバンプ、バンプって騒がれて。収拾が…つかな…いん…ですよ…ね…」
−藤原さん?
藤原「つーかなんで騒ぐの?あの人達プロじゃないの!?こっちは真剣にシリコンが欲しくて来てんのに…」
−確かに看護婦さん達、騒ぐのはよくないですね。
藤原「よくないどころじゃないだろ!!!!死刑にしろ!!!!人がどんな想いでクリニックのドアくぐったと思ってんの!!!?
待ち侘びたんだよ!!!?シリコンもらうの!!!!?鼻高くするの!!!台なしにしないで!!!!?
何がキャーなの!!!?お客様だよ!!!?ちゃんと接して!!!!?」
−それは藤原さんの言う通りですね
藤原「でしょ!!!?常識守って!!!!?仕事して!!!?シリコン渡して!!!!?お客様だよ!!!!?
職務遂行して!!!?ずーっとそれの繰り返し!!!!いつになったら鼻高くできるの!!!?シリコンもらえるの!!!!?
苦しまなくてすむの!!!?俺なんかした!!!?鼻を呪われるようなことした!!!?してないよね!!!?まっとうに生きてます!!!!!」−藤原さん、深呼吸。
(来月号に続く)