BUMP OF CHICKEN 502

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115名無しさん@お腹いっぱい。
歩く幽霊 作詞作曲藤原基央

幽霊が歩いている
そいつはどうやら喋れるらしく俺に話しかけてきた
そいつには随分と話したいことがあるらしい 随分と生き足りない過去があるらしい まだまだ歩き足りないらしい
歩く幽霊はたまに足を止める
醜いものばかりが目に入る中、僅かでも美しいものを見つけた時と自分の話を聴いてくれる奴がいたとき
俺は何故か選ばれてそいつの話を聴くことになった
人が人を殺すのが当たり前の時代、むしろ褒められた時代、「俺も人を殺してた」
「周りの奴らも殺してたから」 何人殺したかなんてすぐにわからなくなって、でも殺すのを止めなかった
結局、戦には負けたが俺は生き残った 何にも残らなかった 誰もいなかった
後悔も絶望も未来もない人里離れた場所にたった一人、暮らし始めた
月日の流れなんてどうでもよかったが何年もただただ過ぎて自分が随分と歳を重ねたのだけはわかった
そんなある日の訪問者
そいつは初めての客だった 人間を見るのも久々で、懐かしんだ瞬間にそいつは俺に襲い掛かった
俺はあっけなく死んだ 殺された
後から判ったことだがそいつは俺が殺した奴の弟で戦が終わってからもずっと俺を探したらしい
そいつはとっくに死んだ俺をさらに何度も痛め付け、俺はそれをただ眺めてた
そいつは最後に刀を振り上げて、血まみれの俺から鼻を奪っていったんだ
もう解ったかな?
俺はあんたの背後霊 失った鼻を探し続けて歩く幽霊 時代を越えてまた誰かを見つけては歩くのを止めるまでとり憑いてやる