ザ・クロマニヨンズ Part44

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448名無しさん@お腹いっぱい。
◆ミュージシャン・甲本ヒロトさんの弔辞<全文>

 清志郎ーっ。あなたとの思い出にろくなものはございません。突然呼び出して、知らな
い歌を歌わせたり、何だか吹きにくいキーのハーモニカを吹かせてみたり、レコーディン
グの作業中にとんちんかんなアドバイスばかり連発するもんで、レコーディングがとどこ
おり、そのたびに我々は聞こえないふりをするのが必死でした。でも、今思えば、全部冗
談だったんだよな。

 きょうも、「清志郎、どんな格好してた?」って知り合いに聞いたら、「ステージ衣装
のまま寝転がってたよ」と言うもんだから、「そーか、じゃあ、オレも革ジャン着ていく
か」と思ってきたら、何だか浮いてるし。清志郎のまねをすれば浮くのは当然で、でも、
あなたは、ステージの上はすごく似合ってたよ。ステージの上の人だったんだな、うん。

 一番最近会ったのは、去年の11月、それはザ・フーの来日公演で武道館の、その時は
あなたは客席の人でした。ステージの上の清志郎じゃなくて、客席の人でした。たくさん
の人が清志郎にあこがれるように、あなたはロックンロールにあこがれていました。僕も
そうです。そんな一観客同士の共感を感じ、とても身近に感じた直後、あなたはポケット
から何かを出されて、それは業界のコネをフルに生かした戦利品とでもいいましょうか、
ピート・タウンゼントの使用するギターのピックでした。ちっともあなたは観客席の一人
でなかった。僕があまりにうらやましそうにしているので、二枚あったそのうちの一つを
僕にくれました。(ポケットを探り)こっちじゃねえや、これだ。ピート・タウンゼント
が使っていたピックです。これはもう、返さなくていいね。収めます。ありがとう。一生
忘れないよ。短いかもしれないけど、一生忘れない。

 そんで、ありがとうを言いに来たんです。数々の冗談、ありがとう。いまいち笑えな
かったけど。きょうもそうだよ。ひどいよ、この冗談は。そんでね、ありがとうを言いに
きました。清志郎ありがとう。それから後ろ向きになっちゃってるけど、清志郎を支えて
くれたスタッフの皆さん、それから家族の皆さん、親族の皆さん、友人の皆さん、最高の
ロックンロールを支えてくれた皆さん、どうもありがとう。どうもありがとう。で、あと
一つ残るのは、きょうもたくさん外で待っているあなたのファンです。彼らにありがとう
は、僕は言いません。僕もその一人だからです。それはあなたが言ってください。

 どうもありがとう。ありがとう。