329 :
名無しさん@お腹いっぱい。:
y列?Y列物沈設罪?とからしい。意味が分からない。
警察署に向かう途中のパトカーの中で、名前とか住所を言ってジャージを履かされた後、ただそう聞かされた。
俺はこんな事をしている場合ではない。制服のポケットに詰め込んだ、ただの一枚の紙だとは思えないオーラに早く巻かれてしまいたいんだ俺は。
俺はずーっとパトカーの中から窓ごしに景色を見ていた。いつも見ている景色のはずだが、その時は違って見えた。
少し時間がたち、ソワソワしている俺に一人の警察官が話しかけてきた。
「下山くん、どうしたね?」
俺は無性に腹が立った。見た目36〜7ぐらいで口ひげを生やし、厳格そうでメスが寄り付きそうな男臭さが漂ってくるこの警察官。
俺を下に見ている事を感じ取ったからだ。
「別に・・・」
俺は無愛想にそれだけいった。
「なぁ、なんであんなことしてたね?」
俺が何をしていたかは分からないが、どうせ何を言っても分かってくれるわけはない。適当にあしらった。
「走りたかったからです。」
その警察官は複雑な表情で俺を見つめた。そこで会話はとぎれ、しばしパトカーの中で気まずい空気がながれた。
5〜6分ほどたっただろうか。もう一人の運転している警察官が
「ついたで」とつぶやいた。
それを聞いたさっきの警察官が「ほないこか」と俺の背中をポンと叩いた。
俺は紙を入れたポケットをチラッと見て、パトカーを出た。