鬼束ちひろ 154

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351名無しの歌姫
その日は残業で遅くなり、スーパーでいつもより安くなってるタイムサービスの惣菜を漁っていると、急に猛烈な便意に襲われトイレに駆け込んだ
用を足し個室から出て手を洗ってると「こんばんは!」と声をかけられた
振り返ると後ろにあの子がいた

心の準備が出来ていなかった俺はしどろもどろになり、「あぅあぅ、あぁ」なんて訳のわからない言葉を口走っていた
するとあの笑顔で「今日はお店に来なかったんですね♪ちょっと寂しかったですよ♪」なんて言ってくれた
俺は一瞬固まり、また「あぅあぅあぅ」なんて口走ったが、必死に持ち直しチャンスktkrとばかりに気の利いた一言を思いついた

「俺も君に会えて嬉しいな♪」
やった!言えた!俺は心の中でガッツポーズし、反応を見ようと表情を伺うと、かなりしかめた顔をしていた
「うわっ 何それキモい・・・てか口臭いし。それより早くどいてくれよ。手洗いたいから」
俺は呆気にとられ一瞬固まったが、我に返り恥ずかしさのあまり、トイレから走り去った

いまもコンビニの前を通るとガラス越しにあの子が見え、胸を締め付けられる