《 松任谷由実 30 》

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25名無しの歌姫
彼女に関して、一筆啓上

彼女はバブルの頃の人気絶頂期に、「自分はこれからも60過ぎ迄こう云った感じで売れて行くんでしょうね。もし売れなくなる時が来るとしたら、それは日本の大銀行がバタバタと倒産する様な大不況の世紀末が来る時でしょう。」と、少々傲慢な予言をしていた。
そこには、多分そんな時は来る筈はない、という過信が言外に感じられた。
誰もが限りなき経済成長を浮かれて信じていた、当時の自称浮沈空母、日本の象徴のような歌姫だった。
そして、10年後、その予言の後半は皮肉にも的中した。

でも、彼女が時代に飽きられたのは、本当はその不況のせいだけではないと思う。

彼女は、みゆきみたいに社会派の硬派な歌は元々性向的に歌えないし、いくつになっても若者の恋愛路線なんだな。
でも、30年間若い振りをして、実年齢で自分の子供以下の世代に売り込むのは、さすがに共感を得られなくなって難しくなった。
今の若者も、自分の親以上の世代に恋を教わりたいとは中々思えないだろうし。
かといって、家庭や子供をテーマにした歌も(残念だけど)作れずに、聴き手にリアルに共感を持たせて歌える世界が無くなった、ということかな、と思う。

結局、幻想的で、年齢不詳で、現実から浮き上がった絢爛豪華なミュージカルショーに活路を見出しているのかな、と。矢張りバブル的なものが好きなんでしょう。

でも、これだけ長年第一線で活躍していることはスゴイと思う。
当時の元お嬢さんの固定ファンも、今でも相当な数だし、女の恋心を歌わせたら、みゆきと双璧なのは分る。
膨大な曲のストックが、夫々の人の人生の糧になっているのは素晴らしい。
自分も、彼女の「やさしさに包まれたなら」は特に大好きな曲だ。
彼女は彼女で、体力の続く限り自由に活躍して欲しいし、自分は自分で、マイペースで過去の名曲を発掘して聴いて行きたい思う。

ざっと彼女に関して思うことですた。長文スマソ。