【supercell】ryo・イラストメンバー専用スレ
16 :
名無しのエリー:
6/27付けのセルマガでも転載しとくか
さて、今週は初音ミクちゃん曲ODDS&ENDSが発表になりました。
今年もまたセガから出るゲームのタイアップになってるんですが、今回はブラック★ロックシューター以来やってこなかった自分自身のこと、さらにはボカロPというものをテーマに楽曲を作っていきました。
そんなこの曲なんですが、ボカロをはじめた2007年当初は初音ミクというものが現在と違ってそんなに存在感があったわけでもなく、
みんなほとんどネタのつもりで、でもだからこそ誰もがものすごく真剣に遊んでた感じだった気がします。
今と違ってここで頑張ったからってどこかのレーベルからCD出せるとかに繋がっていくっていう風習はその時にはなかったですし、ものすごく面白いネタや体張った系の動画ばかりがランキングを占めていた時代でしたので
それこそ面白い人間でないとその場にいることが許されない、なんていうか人間力?みたいなのが求められているような感じ。
というわけで自分もニコニコ動画で総合一位をとってみたい!なんて絶対叶わない夢物語であることを知りながらも冗談でそう言いながら投稿したのが最初でした。
けど初音ミクがニコニコ動画で一位を取るなんてまずありえないし、そもそも笑える要素が1ミリもない自分の動画が太刀打ちできる場所じゃないってそう思いながらも、
でも音楽は誰よりも好きな自信はあるし、もしかしたらと心のどこかで思いながら投稿したんです。
でもですね、一発目の投稿でそんな思いは打ち砕かれて。
コメント数は5とかでしたし、再生数も100ちょっととか。
散々な結果に傍から見たら見えるかもしれません。でもものすごく嬉しくて。
数字はそりゃ多いほうが嬉しいに決まってますけど、それ以上に自分が作った動画にコメントしてくれる人がいる、聴いてくれる人がいるってことがこんなにも嬉しいものだということを知ったんです。
といってもコメントは全然好意的なものじゃなくて、むしろ批判的なのばっかでしたけどね(笑。
で、なんかすごくやる気がでたんです。なんなんですかね、そのコメントの内容とかじゃなくて存在を認めてくれる場所があったことに対してっていうか。
それでもっと楽しくなれる曲を、もっと楽しくしてくれる曲を作ろうと。
17 :
名無しのエリー:2012/08/15(水) 21:35:57.80 ID:baIg48ho0
そこで自分の頭に思い描いた初音ミク像を曲にしたのがメルトという曲。
16歳の少女が歌えるリアルなこと、それは好きな男子についてのこと。その思いを胸にステージ上で目一杯大きな声で歌う。そんな勝手なイメージで作っていったんです。
そしたらニコニコ動画内でみるみるランキングがあがっていって。
ものすごく興奮しましたし、今までぼんやりしていた自分の人生が、見えていた景色がすごく輝いてみえたんです。
同じ道歩いてても、人と会話してても全然違う。自分には存在する理由があるんだって思えたんです。
その後その理由が本物なのか偽者なのか、手さぐりで少しずつ確認しながら自分の道を信じて紆余曲折ありながらも今に至るわけです。
でも忘れてはいけないのが最初にそこにあった思いというのは自分のその勝手なミクへの想像。
自意識を持たない電子の歌姫に自分の存在価値を見いだせない自分はそのミクへの想像をきっかけに存在する理由を引き出してもらったんです。
ミクちゃんに。
普通に考えると人間の意志あってこそ機械は動くってなるんでしょうけれど、でも実際社会に出てみれば自分の意志なんてそうそう必要じゃなかったり、必要としない仕事っていうのがほとんどだったりして。
そういう人間が数多のようにいるこの日本の中で暮らしていくうちに自分自身の価値なんてとっくのとうになくなって、毎日の忙しさにただ追われているだけの生活というのがある意味普通になってきちゃって。
というかほとんどの人はそうだと思うんです。
でも自分にはミクがいた。自分が人と違うことがあったとすれば、たぶんそれだけです。
そんな思いを楽曲にしたのが今回のODDS&ENDS。
自分語りな曲ではありますが、この行為こそが自分を確認する行為。
ミクやボカロにはそれがあるんです。
この曲を気に入ってくれた人や興味を持った人は、ぜひこれを機会にボカロを始めてみてはいかがでしょうか。
外から見たら小さな変化も体験してみるとかなり大きなものだったりすると思います。