bayfm 20th Anniversary COUNTDOWN -B'z Special-
1 :
bees1783:
2009年9月30日(水)にON AIRされた「bayfm 20th Anniversary COUNTDOWN -B'z Special-」の書き起こしです。
2 :
bees1783:2009/10/10(土) 04:01:42 ID:IgRncxbS0
伊藤:さて,今日はあの,bayfm 20th Anniversary COUNTDOWNの中に,こうB’zさんと私伊藤政則の,
何か,くっちゃべってくれってことなんで,いろいろと,聞きたいと思いますけれども,
今日はよろしくお願いいたします。
松本・稲葉:よろしくお願いいたします。
伊藤:まあ,あの,bayfm20年,ちょうどB’zも去年でちょうど20周年でしょ。
長く続けるっていうのは,実は,続けるだけだったら,
わりとこう,ね,淡々と続ければいいわけじゃない。
だけど,中身のある続け方っていうのは,とっても難しいと思うんだけれども。
B’zのお二人にちょっとお伺いしたいのは,21年目を迎えましたけれども,
中身のある20年,今日続けてくるのは大変だったと思いますけど,松本さん,どうですか?
松本:ん〜,まあ,大変なこともきっとあったんだろうと思うんですけどもねえ。
まあ,音楽作りとそれからライブパフォーマンスにほんとに集中して,
その2本立てだけで20年やってこれたんでね,
これはほんとひとえにファンの皆さんに感謝したいし,
ほんとありがたい環境を与えていただいたと思いますね。
3 :
bees1783:2009/10/10(土) 04:03:09 ID:IgRncxbS0
伊藤:稲葉さん,どうですか?
稲葉:僕ら二人だけじゃとてもできないんで,すばらしいスタッフに恵まれていることもあるし,
その中で充実感というものに対してのレベルをあまり下げないようにっていうか,
何かひとつやるごとにまた新たな目標が見つかるとか,まあ,ラッキーだったと思うんですけども,
でまあ,その目標に向かって各個人が努力するという,その繰り返しですよね。
伊藤:あの,海外のバンドなんかでも20年続いてるバンドはいっぱいいますけども,
僕やそれから松本:さん,稲葉:さんが好きなバンドの多くは,
途中でいろんなことが起こっちゃったりするじゃないですか。
エアロスミスとかね,モトリークルーとかね,いろいろ,
まあ,アイアンメイデンもボーカル替わったりとかね,3回替わったりとかいろいろありますよ。
B’zの20年間ってのは,我々のその影響受けたっていうか,大好きなアーティストとは違って,
わりとこう,外から見てると,順風満帆で20年来てるのかなという気がするんですけど,
それは外見そう見えて,実は内実結構いろんなことがあったのよということなんですか?
松本:どうなんですかね。ただ海外のバンドって,たとえば,お酒の問題だとか,
ドラッグの問題なんかもあって,普通の意識じゃないところで続けてたりするから,
起こらなくてもいいようなトラブルだとか,っていうのは結構多々あったと思うんですよね。
僕たちの場合はね,割と正気で話をしてるので,そういう問題はあまり。
割と冷静に語り合ってきたからね。
伊藤:冷静ですか,稲葉さん?
稲葉:冷静ですね。あとはだからその,バンドのメンバーが一人抜けてしばらくしてからって,
うちの場合,一人抜けちゃうと一人ぼっちになっちゃうんで,成立しないですからね。
5人のバンドとか4人のバンドと違って。だから,その辺の意識も根底にあると思うんですけど。
4 :
bees1783:2009/10/10(土) 04:04:55 ID:IgRncxbS0
伊藤:あの,だけどその,音楽的なこととか何かのことで,なんだろう,
細かくぶつかることだってないわけじゃないと思うよ,それは当然ね。
そういうときって,いろんなバンドの中で,その場を和ませて一応中和する,
アイアンメイデンのニコ・マクグレーンみたいな人もいますが,
あの,聞き役に回って「そうだね」って引く役目の人も,バンドの中には必ずいたりするわけだよね。
二人の役割っていうのは,どうなんですか?
そういうふうな,何か,こう,ぶつかるものがなかったわけじゃない,
あったとしたら,それは年上である松本さんが引くんですか。
松本:いや,引くとかっていうんじゃなくて,あの,その音楽的な自我だとかさ,
こうしたいっていうのは当然あるじゃないですか,お互いに。
だから,それを,その,どっちかが引くとかじゃなくて,両方のアイデアをとにかく試すと。
で,そうすれば,形としてこう聞いてみれば,どっちがいいっていうのは,
まあ,はっきり明確に出る場合もあれば,あとはもう好みの問題というのもありますから。
だからもう,はっきり出た場合は,もちろんそっちを取るし,いい方を取るし,
これはもうどう考えても好みの問題だよなっていうときは,多数決だね。
伊藤:なるほど。だって,二人しかいないじゃん。あ,まわり入れて。
稲葉:まわりの人間とかもいるし,アレンジャーとかも一緒に。
松本:やっぱ,こっちの方がいいんじゃないかなって。
そういう,もうその,いわゆる民主主義的に。多数決ですよ。
伊藤:ロックンロールバンドではまったく,あのー,なんだろう,縁もゆかりもない,民主主義っていう。
稲葉:でもまあ,それでね,また,1回解決して,それでまた気になったら,
もう1回話し合うっていうことはもちろんあるし。
<♪イチブトゼンブ>
5 :
bees1783:2009/10/10(土) 04:07:14 ID:IgRncxbS0
伊藤:軸のぶれない活動ってね,これは,言うのは簡単だけど,
実はこれをそうやりぬくって難しいじゃないですか。軸のぶれないで,音楽活動を続けていくってね。
まあ,その話は,今,ラジオをお聞きの,すべての日本のミュージシャンに
ちょっと聞かしてあげたいと思うんだけど,
軸のぶれない活動を続けるっていうのは,どういうことですか。
松本:う〜ん,まあねえ,あの,何て言うのかなあ,
僕らでやれることって,もう決まってるじゃないですか。
結局,稲葉:浩志は稲葉:浩志であり,松本:孝弘は松本:孝弘であるわけだから,だからもう,
とにかくその,自分のやれる限りのことを,磨いて,邁進すると,いうところじゃないですかね。
だからもう,あの人みたいにはなれないからさ,きっと。憧れはたくさんあるけど。
伊藤:まあ,そうだよね。憧れって,目標であってさ,そこに到達するっていうことじゃないからね。
やっぱ,自分のできることを磨いていくってね,それはミュージシャンのみならず,
たとえばB’zのファンの一人一人だってさ,自分のできることを磨いていけばさ,
自分の新しい目標見えてきたりとかするわけじゃない。
自分のできることを磨くということを,稲葉さん,ちょっと語ってもらえますか。
6 :
bees1783:2009/10/10(土) 04:08:02 ID:IgRncxbS0
稲葉:そうですね,まあその,ぶれるっていうことに関しては,いろんな見方があると思うんだけど。
音楽の内容,たとえば楽曲とかに関して,うちとかはその,いろんな種類の自分たちの聞いてきた
音楽のエッセンスをどんどん取り込みながら,B’zの形にして,やったりしてるんだけども,
それからすると,たとえば,ほんとにもう,決められたもっとせまいスタイルの音楽を
ずっとやっている人も,海外にはね,そういうバンドもいっぱいいると思うんですけど,
そういうところから比べると,うちはまたちょっと違うんだけども,
でもそうやって作った楽曲をとにかく,ライブで披露すると。それしかやってなくて。
で,結局,それをやればやるほど,自分たちにはこれしかないというのが,
どんどんこう,痛いほどよくわかってくるわけですね,お客さんの反応を見てて。
やっていく中で,自分たちの持っているものにどんどん気がつき始めて,
で,持ってないものは磨けませんから,いかにしてそれに気がつくかというとこが大事だし,
持っているものを見つけたら,それをもうひたすら磨くしかないないですよね。
あとはだからそれをほんとに,聴いてくれている人たちや観てくれている人に,もう,
最高のコンディションでぶつけると。それをまあ,毎年とかそうやって繰り返してる感じですね。
7 :
bees1783:2009/10/10(土) 04:08:51 ID:IgRncxbS0
伊藤:そのー,自分の持っているものしか磨けないと。だけど,その音楽を作り始めたときってのはね,
もちろん,そのいろんな影響があるわけだから,これもやってみたい,あれもやってみたい,
だけど,自分たちに合うか合わないか,わかんないわけだよね。
そういうことに気がつき始めて,やっぱり自分たちの持っているものをどんどん磨いて,
それこそがB’zらしさであるということに気がつき始めたのって,いつぐらいのこと?
松本:ここ最近だよね。
伊藤:また,ちょっと,20年やってんだよ。
松本:やっぱり,ほんとに,あの人のようになりたい,あのバンドのようになりたいと思い続けて,
まあねえ,長い間経ちましたけれども,ほんとここ数年のことだと思うよね。
伊藤:ほんとですか?
松本:う〜ん。ちゃんとこう地に足が着いて,たとえばコンサート観に来てくれるみんなが俺たちに何を
求めてるかだとか,俺たちは何をするべきだっていうことに,こう,少し気がついて,そこに,こう,
何て言うのかな,そういうことを磨き始めたのは,ここ最近の話だと思うよね。
8 :
bees1783:2009/10/10(土) 04:09:39 ID:IgRncxbS0
伊藤:ほんと? だと言ってますが,ここ最近ですか?
稲葉:まあ,どこの,何をして気づいたかっていうのは人それぞれだと思いますけども。
そのー,最初の数年間というか,1,2年間ぐらいは,
そのー,とりあえず,その,形としてCDを作ってという,その時点ではほんとに
あらゆる種類の音楽の要素を取り入れながらたぶん作ってたと思うんですけれども,
やはり,ライブを始めてからですね,どんどん自分たちの,こう,本質というか,
そういうのが見えてきたっていうのはありますね。
それは最初のライブではなかなかそういうとこ,レベルは行かないですけれども,
ライブやればやるほど,あの,自分の持ってる,そのー,シツジというか,持っているもの,
さっき言ってた,そういうのが,こう,見えかけてくるという。
やればやるほど,痛感しますよね。ただ,それがいつからっていうのは,ちょっとわかんないけど。
伊藤:まあでも,松本さん,ここ最近っておっしゃったけどね,ていうことは,
僕はミュージシャンじゃないから,ミュージシャンのそばにはいるけど,
ミュージシャンじゃないからわからないけれども,
ひょっとすると,それを気がつかないで,走り抜けてしまう人もいるかもしんないわけね。
松本:どうですかね。
9 :
bees1783:2009/10/10(土) 04:11:39 ID:IgRncxbS0
伊藤:逆説的な言い方だけどさ。まあちょっと言葉良くないけども,気がついてよかったねみたいな。
松本:でも逆に気がつかないで,そのまま続けててよかったねっていう人もいるかもしれないよね。
伊藤:あー,逆にね。
稲葉:そんなこと考える必要もない人がいる。
松本:ほんとに。そういう人もいるかもしれない。
伊藤:あー,逆にね。じゃあ,ここ数年さあ,自分たちの持っているものを磨いて,それこそがB’zであると気がついて,
自分の作る音楽とかライブパフォーマンスにおける,まあB’zのね,何か変わりましたですか?
松本:う〜ん。どうでしょうねえ。まあとにかく,その都度その都度,自分たちの納得いくものを作ってることには
変わりないので。まあでも,そういうニーズには意識的に応えてんのかな。
伊藤:でしょ。だって。う〜ん。
松本:まあ,だから,そうしないと,結果っていうのはつながってこないからね,やっぱりね。う〜ん。
だから,結果が出るっていうことは,まあその,やってることは間違いではないということになりますよね。
伊藤:つまり,結果が出てくる,出るというのは,たとえば,ツアー終わった後,コンサートに足を運んでくれた人が,
「これはほんともうすばらしい,いいライブツアーだったな」って,そういうことだよね。
松本:そうですね。
<♪National Holiday>
伊藤:まあ,あのー,このbayfmの隣には実は,千葉ロッテマリーンズの本拠地のスタジアムありますね。
今年の夏,えー,バンドとしては2度目,まあ,おのおのソロっていうのもちょっとありますけれども,
えー,まあ,大阪でもやられましたけれども,今年の夏のサマソニですね,サマーソニック,出演,どうだったですか?
大阪は直前まで大雨が降ってたけど,B’zの登場を,神様が,来るかということで,びったりやんだという説もあるけど。
東京,それから,まあ千葉ですか,大阪。今年のサマーソニック振り返って,松本さん,どうですか?
松本:いやー,まあ,とにかく,普段のコンサートとは違うね,あのー,お祭り的なあの雰囲気が。
特にねえ,あのー,大阪なんかはもっとこう,1か所に凝縮されているので。
伊藤:あー,ばらばらじゃないもんね。
松本:もっと夏のフェスティバルっていう雰囲気がありますよね。
伊藤:どうだったですか,稲葉さん?
稲葉:ん〜,まあ,楽しいですよね。そのー,お客さんの様子もやはり違うし。
それこそ,通りすがりの人にも聴いてもらえるチャンスがあるわけですから,やりがいも非常にありますよね。
伊藤:いやー,これはね,あのー,とても面白い話なんでぜひ,
bayfmを聴いている皆さんにもぜひ聞いてもらいたいんだけれども,
僕がB’zさんに言ったのはですねえ,
そのー,外国から来たアーティストがたくさん出ているところに,日本のB’zが出た場合に,
そのー,客も含めて,アウェーの感覚っていうのをね,
持ってそこへ臨むものなのか,どうなのかっていうのをね,
ここ,まあ,あのー,今年のサマソニおわってどうっだったんだろうって,ずっと思ってて。
そのアウェー感ってねえ,とっても大事なこと,なんだと思うんだけども,
そのアウェー感って,あったのかなかったのかって,まず聞かせて下さい。
松本:アウェー感はやっぱりありますよね。
特に,僕らは,そのー,フェスティバルっていうのはサマーソニック以外は出たことがないので。
で,ましてやサマーソニックっていうのは基本的に,僕たちの出るステージは,
僕ら以外は全部,あのー,海外のアーティストの方だったので,
で,まあ,ファンの人たちも,やっぱり洋楽志向が強い人たちが多いでしょ,
サマーソニックのお客さんたちって,全体的に。
だから,やっぱり出る前は,あのー,アウェー感はありましたね。
伊藤:つまり,まあちょっと言葉は悪いけども,“敵地に乗り込む”だよね。
そこまでのもんかどうかはさておくけれどさ。
で,実際,えー,2回目,若干アウェー感は薄まったと思いますけれども,出てどうだったんですか?
松本:いやもう,お客さんがほんとに盛り上がってくれたんで。
しかも,いつもの僕らのコンサートに来てるお客さん以外の人たちも,もうそのー,独自の,
明らかに俺たちの普段のショーとは違う楽しみ方で,あのー,観てくれているのが,
すごい,ステージから見ててわかったので,すごい嬉しかったし,楽しかったですね。
伊藤:そのアウェー感,およびそのー,サマーソニックのステージのこと,稲葉さん,どうですか?
稲葉:ステージ上でのアウェー感はもうまったくなかったですね。
…むしろ,ケータリングとかにアウェー感が。(笑)
伊藤:具体的に言うと?
稲葉:やっぱり,味が,味が濃いっていうか,何なんですかねえ。(笑)
伊藤:外国のミュージシャン用ですか?
稲葉:普段,やっぱ僕らケータリングああいう感じじゃない。
松本:ははは。
伊藤:ああいうかんじってのはさあ,まあ俺,B’zのケータリング,一,二度見たことあるけど。
稲葉:だいたいシリアルとかはすごいありますよね。
伊藤:ああ。
稲葉:あとパスタ系とね,チキン,ピザみたいな。
やっぱりああいう,あれでアウェー感,ちょっと感じますね。(笑)
伊藤:だけど,あれじゃない?
パスタとかさあ,ピザとか,わりと外国から来たミュージシャンの好みの最大公約数。
稲葉:・松本:そうですね。
稲葉:だからああいう,それはもう,もちろんそれはそれでもう楽しめるんですけど。
伊藤:じゃあ,B’zのケータリング? 定番は何ですか?
稲葉:最近は,温野菜は絶対。
伊藤:温野菜?
稲葉:温野菜。ただ茹でてるだけでね。
松本:いやもう,パスタ,ピザだとか,そういうのはまったくなくて。
ご飯とお味噌汁と,野菜の煮物とか,魚とか。
伊藤:松本さん好きな納豆あったよ。
松本:納豆。納豆,僕よりも今シェーンが好きなんですけどね。
伊藤:あーそう! シェーンが好きなんだ。うそー!
松本:あいつ,1日4パックぐらい食べる。
伊藤:えー,最初何だろうと思ったろうね,シェーンもねえ。
稲葉:うちのケータリング毎食食べてたら健康になりますよ。
松本:ピザとかまったくないですよ。ほんとヘルシーな食材ばっかり。
伊藤:昔から?
松本:でもわりとそうだよなあ。ここ最近特にそうだけど。
伊藤:ほんとー。そうか,食事のアウェー感ね。
稲葉:まあ,冗談ですけど,それは。(笑)僕,ああいうのね,ちょっと違うとこ来たなって感じしますね。
松本:あー。普段の俺たちじゃありえないもんな。
<♪綺麗な涙>
伊藤:ライブ前,食べるんすか?
稲葉:僕は食べない。
松本:僕も食べない。
稲葉:だから何時間か前にだけ。
伊藤:そうだよね。だってさ,満腹になっちゃったら,何でもそうだけど,闘争心消えるじゃない。
脳の中にさ,もう栄養回ってしまって,割とリラックスモード入っちゃうでしょ。
ミュージシャンって総じて,やっぱりコンサート終わってから...
稲葉:腹減ってるぐらいのがまだ全然いいですよ。
伊藤:やっぱそう。ほー。そうだよね。何時間前に食べるって決まりあるんですか?
稲葉:ありますよ,僕,一応。
伊藤:お! ちょっと,言って下さいよ。
稲葉:だ,楽屋,たとえばお昼に入ったら,だからちょっとずつしか食べないんですよ。本番までは。
伊藤:ほー。
稲葉:で,いわゆる本番が始まる,えー2時間半ぐらい前,にいわゆる炭水化物をちょこっとだけ食べると。
たとえば,それこそご飯があったらご飯をこう,ひとかたまりとか。
伊藤:ちょっとだけ。
稲葉:一杯と味噌汁ちょっと飲むとか。あとは,簡単に飲めるゼリーとか。
あのへんでちょっとおなかに入れとくぐらいですけどね。
伊藤:あー。で,ショー終わってから食事すると。
稲葉:そうですね。
伊藤:松本さん,お決まりあるんですか,自分の?
松本:ありますよ,やっぱり。あのー,僕もだから入ってお昼に,お昼ご飯を,ほんと少しだけど食べて,
それからリハーサルが終わった後にまた少しだけ食べて,
だから,そうすっと2時間前ぐらいで終わるか。
稲葉:そうかな。
伊藤:それはもう,古くからっていうか,前からそういう,そのリズムを,ずっとショーのときは作ってる?
松本:俺は変わってきたけど,最近。
伊藤:どういう風に?
松本:前はお昼にがっつり食べて,それで終わりだったんだけど,小分けにするようになったんだ,最近。(笑)
伊藤:ああそう。でもそういう決まりってすごく大事みたいで,デービッド・カヴァーディルも,ショーの何時間前に食べて,
で,1回ホテルかどこかでお昼寝を1時間くらい,仮眠をとって,で,それでステージ行くっていう。
自分がこう,たとえばね,野球のイチロー選手ってさあ,何時に食べて,何時に球場入って,
そしてこのくらいからスイングを始めてっていう,バッターボックスに入る,イメージをずっと
こう持ち続けていて,あんまり自分のこのリズムを崩したくない人らしいんだよね。
だから,自分のリズムっていうかね,そういうものをきっちり持ってる人と持ってない人って,
結構結果に出るのかなと思うんだよね,別に音楽に限らずね。う〜ん。
でもそこの,2時間前に食事するとかさ,2時間30分前ってのは,自分がそうやってきて,
それが,そのステージでいい形になるとか,体がいい感じだよっていう,躍動感が出るなって,そういうことでしょ。
稲葉:そうそう。ええ。ええ。
伊藤:そりゃ,ピザ無理だよ。もたれちゃうだろ。
稲葉:濃いものは食べないですね。
伊藤:無理だよね。だけど,きっと目撃なさったかどうか知りませんけど,外国のミュージシャンって割と
そういうことを無関係に,そういうパスタとかピザとか,あるいはお肉にしてもがーっつり食う人いるからね。
松本:んー。
<♪Calling>
伊藤:でまあ,あのー,サマーソニックでたんだけど,これまた,あのー,ちょっと謎の部分でね,
ちらっと,そのインタビュー始まる前にも言ってましたけど,
B'zが,外国のアーティストとのフェスティバルに出ることはあっても,
日本人と一緒のコンサートは,まあ,テレビ出演は別にあれしても,
コンサート?やったことないわけでしょ,ほとんど。
とにかく,フェス0(ゼロ)だよね。日本のアーティストと。
松本:そうですね,はい。
伊藤:これ,この謎の答えは何?
松本:謎というか,まあ,そのやりたい気持ちはあるんですけれども,なかなかその,自分たちの居場所,が見つからないというか。
その,出て,ねえ,何かいい感じになれそうな,その,場が見当たらないというとこですかね。
伊藤:もうちょっと踏み込んでいくと,稲葉さん,どういうことですか? 共演するアーティストがいない?
稲葉:共演して,こう,しっくりいきそうな,まあ想像上ですけども,なかなか思いつかない…ですよね。
いざ,こう,やる,やりたいんですけど。えー,誰とも別にけんかしてるわけでもないですし。
たいんですけど,じゃあ,いざ誰とっていうことになると,今ひとつ思いつかないですよね。それはいつもですけど。
伊藤:B'zが登場して,同じステージに立って,まあ,ヘッドライナーにしてもコヘッドライナーにしても,
5つ6つのバンドで固まって何かをやるときの,お仲間というか,一緒にやるその日本のバンドが,
誰がいいんだか,ちょっと想像がつかないっていうことですか?
松本:う〜ん,そうですね。
伊藤:これやっぱり,やってる音楽が違うっていうことはないですかね?
稲葉:どうなんですかね。でも,いろんな種類の人が集まってフェスとかやるじゃないですか。
伊藤:ま,フェスだからな。ほー。
稲葉:ええ。
伊藤:う〜ん。…じゃあ,思い切って,どうですか? えー,それならば,逆説的な意味で,
えー,来年以降,海外のロックフェスティバルに出るってどうですか?
松本:うん,まあそういうオファーがあれば。うん,まあそれはやぶさかではないですよね。
伊藤:それこそ,イギリスだったら,レディング・フェスティバルとかさあ,伝統的な,
もう何十年も続いているフェスティバルあるわけじゃないですか。
そういうところの方が,逆に居場所があるっていうか。
松本:かもしれないですね。
伊藤:やってみたらいいじゃないですか。ぜひ。どうですか,海外,フェスティバル。
ヨーロッパ含めて。一応そういう夏を過ごしてみる。
稲葉:チャンスがあればやりたいですけれどもねえ。
伊藤:ねえ。だけど,心の中では一緒に共演したいなあと思うようなアーティストいるでしょう。
このアーティストと同じステージに立って,一緒に,ま,やってみたいとかさ。
たとえばさ,僕なんか,あのー,個人的な興味で言うと,まあ,今の編成ではあるけれども,
GUNS N' ROSESとB'zっつうのがね,これ結構個人的には,あの,ちょっと観てみたいなっていう気はしないでもないね。
松本:いやー,いいですね。
伊藤:ね。ちょっと,スラッシュいなくて申し訳ない。って,俺謝ってもしょうがないんだけどさ。
松本:あ,そうだ。今,アクセルしかいないんだよね。
伊藤:まあ,そうなんだよ。スラッシュがいればね,あれだけれども。
だって,かつてはほら,B'zの影響土壌にあるAEROSMITHと一緒にやったよね。
海外のアーティストと他誰かやりましたっけ?
松本:いや,ライブはAEROSMITHだけだよね。
伊藤:AERO,FIFAのあのときだけですか。
松本:そうですねえ。
伊藤:個人的には一緒に共演してみたいアーティストは,たぶんまあ,GUNSは入るでしょ?
稲葉:そうですね。
伊藤:入りますよね。
稲葉:だから,スタイル的に,今の音楽…でうちとの相性ってまだちょっとわかんないですけど。
またちょっと違うじゃないですか。スラッシュいたころだともう少しロックンロール的な要素もあったし。
でもまあ,その,候補というか,あれには入りますよね,やっぱりね。
伊藤:他,松本さん,誰かいます? このアーティストだったら一緒に何かやってもいいなあっていう。
松本:ん〜〜〜。……そうですねえ。まあ,その,何て言うのかなあ,
バランスだとかそういうこと考えると,とりあえずBON JOVIなんか
伊藤:いいねえ。
松本:は割と合うと思いますよね。
伊藤:BON JOVIの音楽は,まあ彼らも,えー,11月,えー,4日,BON JOVIが出すらしいんですよ。同じ11月発売ですけどもね。
松本:ああ,そうですか。
伊藤:BON JOVIの音楽って,まあ,彼らもこういろいろ編成は経て来ているけども,松本さん,BON JOVIの音楽ってどういう風に?
松本:好きですよ。
伊藤:どういうところがいいですか?
松本:あのー,まあその,ジョンの歌もそうですけども,やっぱりわかりやすいじゃないですか,すごく。明るいし。んー。
伊藤:まあ,あと,曲のツボはつかんでるかな。
松本:「あれはヒットするでしょ」っていうところに来ますよね。
伊藤:ソングライティングがうまいってこと?
松本:うまいでしょうねえ。んー。
伊藤:稲葉さん,どうですか? BON JOVIって,今,松本さんから出ましたけども。
稲葉:BON JOVIももちろん,はい。
伊藤:どんなところが?
稲葉:BON JOVIですか? どうですかね。その,すっごいでっかいバンドになりましたよね。
伊藤:なった。なった。
稲葉:初めて見たときANVILと一緒に出てたっていうのがあるんですけど。(笑)
伊藤:古過ぎ。
稲葉:バンドがビッグになっていくことに対して,やっぱ,それをコントロールできる能力があるんですよね。
だから,売れていくことに対しての,積極さとか,あの姿勢とかすごく好きですよね。
伊藤:B'zと似てません? もちろん,あの,BON JOVI今ベースが抜けて4人で活動してるんだけども,
基本的に音楽のハンドリングしてるのは,ジョン・ボン・ジョヴィとリッチー・サンボラ。
で,えーっと,ソングライティングもこの二人。もちろん外部から招くこともありますし,
それと,まあ,プロデュースも外部からプロデューサー入れても,
ジョン・ボン・ジョヴィとリッチー・サンボラ,二人が必ずプロデューサーとしてクレジットされてる。
そういう意味では非常にB'z,と似てるかなって。
松本:そうですね。
伊藤:バンド形態ではあってもね。んー。そのへんちょっと似てますよね。んー。
松本:んー。
伊藤:それとさ,B'zのさあ,二人の聞いてきた音楽って,ものすごく幅広いものがあるから,
いろんな要素があるんだけど,あのー,僕この中間ファンクって今朝,
きのうずっと聴いてて,あ,そう言えばと思ったんだけど,
アレンジがねー,B'zの場合凝ってる曲がやったら多いんだけどさ,
ニューアルバムでもマン,「MY LONELY TOWN」。中間のアレンジとか,すっげえ面白いよね,この辺の。
松本:ああ,ちょっとファンキーになるとこ。
伊藤:まあ,俺的に言うとファンクっぽい。でも,ファンクこそ自分のルーツの中に若干あるんでしょ。
松本:ありますね,僕は。
伊藤:信じられないんだ,これが。話聞いてみないとわからないもんで。
ちょっと自分のルールにあるファンクってちょっと若干話して下さい。
松本:まあ,もともとはロックから来たもんなんだけど,僕の場合は。
あのー,それこそ最後のころのDEEP PURPLEがねえ,ちょっとファンキーになったときとか,
ああいうときが何かすごく好きだったりするんだよね。
伊藤:ほー。
松本:で,LED ZEPPELINなんかもちょっとそういうニュアンスあるじゃないですか,後半の方なんかは。
だから,そういうのってやっぱり,好んで聴いていましたよね,ティーンエイジャーのときから。
だから,そういうのの影響はあると思う。
それから,この世界に入ったときに,あのー,アマチュアのときはソロばっかり練習してたのに,
やっぱり仕事になると歌のバックってやらなきゃいけないじゃないですか。
そこにはやっぱりディストーションでガンガンガンガンってやるのばっかりじゃないんだよね。
やっぱカッティングやれっていうのすごく言われて,それものすごい練習になりましたよね。
伊藤:あ,そー。ほー。だからかなあ,やっぱり,その,ロックのその一本筋通ったアルバムなんだけども,
実はその,いろんな要素がね,あって,まあ,だからどれもこれもがねえ,
その要素がB'zなんだよね。今回のアルバム聴いて,改めて勉強になりましたよ。
<♪MY LONELY TOWN>
伊藤:あのー,まあ,ニューアルバムの話もね,ぜひお伺いしようと思って。
僕,最近のレコードもちろんあれだろうけども,頭からすごく,ロックしてる,じゃないですか。
松本:あ,そうですか。
伊藤:あら,何だ,その「そうですか」って。
松本:はは,いや。(笑)
伊藤:そうじゃないって言いたいの?
松本:いや,そうじゃなくはないですよ。(笑)
伊藤:そうじゃなくはない?
松本:もう,一本通して,こう,ね,ロックしてますからね。
伊藤:いや,もともとロックバンドだからね。
ねえ,それと,この「Introduction」,から入るでしょ。
ま,もちろん,これ,どのバンドもイントロダクション,SEみたいなの自分たちで作って入ると,
いうようなことは,今じゃね,やってるかもしれないけど,もともとこの,ロック系だと
このイントロSEから1曲目ってのは,たとえば,IRON MAIDENとかさ,Judas Priestとかね。
ま,Judas Priestで言うと,稲葉さんの好きな「The Hellion」から「Electric Eye」ね。
それで,IRON MAIDENで言うと,セカンドの「The Ides of March」から,あ,入るという。
割とこう,ハードロック系の感じで,今,あんまり日本の人たちはイントロダクションから,こう,
入ってくるってのは...
稲葉:まあ,入れたら飛ばされるからじゃないですか?
伊藤:え,どういう? 2曲目から聴いちゃう?
稲葉:何か。(笑)はははは。
伊藤:また出た。
稲葉:はははは。
伊藤:この「Introduction」からってのは,松本さん,結構いい?
松本:これね,もう,俺たちも久しくやってなかったのよね,こういうこと。
それで,レコーディング全部できあがってから,彼が何かそういうのつけたらどうかって言って。
まあ,ちょっと燃えますよね,そう言うとね。
伊藤:何でだよ。(笑)
松本:血が騒ぐじゃないですか,この手は。
伊藤:「いいね」と。
松本:う〜ん。
稲葉:ギターでちょっと,何かちょっと,さらーっとみたいな。
松本:そうそうそうそう。
伊藤:あぁ。
松本:「あ,まじ〜? やっちゃうよ〜!」みたいな,感じで結構楽しくね。
伊藤:ほぉー。じゃあ,稲葉さんの一言が,「何かイントロダクションあった方がいいんじゃないの?」っていう一言だったんですか,稲葉さん?
稲葉:うん,あの,通して,えー,アルバムの全体の構成考えたときに,
そのー,そういうのがあって,どれかに入りたいなというのがすごくあったので。
で,その,最終的には,ギターの,ギターだけで構成,作ってるイントロダクションになってますけど,いろいろちょっと試行錯誤もしてて。
伊藤:ああそう。
稲葉:で,最終的にはもう,全部こうやってギターで,1本で作ったやつでっていうことになってこれになった。
伊藤:え,じゃあ,最初はギター以外にもいろいろ入ってたの?
松本:いろいろ試したよね。たぶんね。
伊藤:あ,ほんと?
松本:いろんなパターンを。
伊藤:だけど,その,ギターだけのバージョンが。
ま,ロックっぽい頭,ねえ,何曲かロックっぽい頭の曲が,すごくパンチのある曲だから,
ギターだけの方が結果的に,僕は他のバージョン聴いてないから何ともいえないけどね。
で,あの,bayfmを今お聴きの皆さんは,ま,十代から,ひょっとしたら六十代,七十代の方もいるかもしれませんけども,
私は持っておりませんけども,まあ,携帯音楽プレーヤーって言うんですか,
ま,俗にi-Pod等,ありまして,で,稲葉さんも持ってるそうですが。
稲葉:はい
伊藤:こういう,そのー,「Introduction」から入って全13曲,
意味を持つ曲の並びってあるわけじゃないですか。
たとえば,僕なんかの世代は,っていうか,B'zのみなさんもそうですけど,
アナログレコードですから,だいたい買ってきてA面の1曲目から聴くわけですよ。
よっぽどひねくれてないと,B面1曲目から聴かないですよねえ。
で,A面1曲目から聴いて,だいたい,A−4,A−5で終わって,次B面行くじゃないですか。
だいたい,いい曲ってね,A−1,Aラス,B−1,Bラス。これってよく考えられていて,
針を落として1曲目ですっごいいい曲って,「こりゃーいいや」って聴きますよね。
で,Aラストでまたいい曲入ってくると,「こりゃーいい」って言って,
B面ひっくり返すのがほんとにこう,惜しいけど,「どんなの入ってるのかな?」って,
またB面聴くじゃないですか。ものすごいいい曲入ってるじゃない。
そして,Bラスでめっちゃいい曲入ってて,「これもう1回聴こう!」って聴く。
松本:ははは。
伊藤:でも,そういうことの繰り返しだったでしょ。アナログ,いや名盤て言われるものはさ。ね。
で,今CDの時代になっても,この曲の並びってとても大事だと思うんですけども,
今回この全13曲,この曲の並べ方,流れ方,一本筋が通ってるロックという風におっしゃいましたけれども,
この辺,どういう風な気の使い方だったんでしょう。
松本:あのね,曲順は,ほんと毎回,みんなで悩むんですけれども。
あのー,まあ,まず全員でアイデア出し,出し合って,で,それをまあ,1つのCD−Rにして,
持ち帰ってみんなで聴いて,もう組み替えていくんですけども。
まあ,結構大変な作業ですね,毎回細かい。
で,その曲順って,その場所にあるかないかでその曲が,よく聴こえたり,
いいのに,もうちょっとよくなく聴こえちゃったりとかしちゃうんですよ。
伊藤:やっぱり,前後の曲との作用があるね。
松本:すごい大変なの。う〜ん。
伊藤:一番大変かもね。で,どの辺が大変だったですか?
松本:ま,どの辺がっていうか,みんなアイデア持ち寄って,で,それで聴いてみて,
まず,大枠「これがいいよな」ってのが決まるじゃないですか。
そうすると,また個々がアイデア出し合って,こう,これとこれと組み替えたらどうかって。
それもまた試して聴いてみて,まあ,最終形に持っていくんですよね。
伊藤:出た。民主主義だ。
松本:あ,はい。(笑)
伊藤:出た。B'zに,B'zにある民主主義ね。(笑)
で,たとえば,その,稲葉さんが,i-Podでこの「MAGIC」,新しいアルバムをね,あのー,聴く場合,
たとえば,ひょっとすると分解して聴く可能性だって無きにしもあらずですか?
稲葉:う〜〜〜ん。(悩)
伊藤:やっぱし,1曲目から13曲目まで流れで。
稲葉:そう,ま,これ,自分のアルバムに関してはねえ(笑),流れ考えて作ってるんで。
伊藤:そう。
稲葉:いわゆるこれが完成形ですから,1つの。
伊藤:ね。それってさあ,提言になってません?
たとえば,今このラジオをお聴きのみなさんで,そういう携帯音楽プレーヤー持ってる方,
1曲目から13曲目まで,CDを買ってきてですよ,
で,通勤,通学のときにB'zの「MAGIC」を聴くと,いうときに,今の稲葉さんが言ったみたいに,
曲順には意味があると,こういう流れにした,その,俺たちの気持ちをこの,曲間っていうかな,
これからちょっと汲んでみてっていう風なね,提言してるけども,
ひょっとすると,多くの人はシングルの曲だけを,まあ,「イチブトゼンブ」とかね,抜いちゃう,あるいはシャッフルしちゃうと,
ちょっと笑い話のようだけど,「Introduction」が真ん中の6曲目に来ちゃったりという。
こうなると,B'zの,その,このアルバムに込めてるものが随分こう変形してくるというか,
ゆがんでくるような気もするけど,しょうがないですか?
松本:ま,しょうがない,それはね。
もうお好きに聴いていただいてかまいませんけども,まあ,あの,本筋はこれですからね。
伊藤:本筋ね。
松本:はこの形ですね。
伊藤:この形ですか。あとは,あのー,本筋がこうだってことわかっていただければ,
もう作品は,えー,ゲットしたあなたにもう委ねるということだね。
でも,そうなるとね,すごく興味深いのは,さっきも言ってたけれども,
曲は前後の曲によって光り方違うっていう風に言ってたけども,ね,
当然1曲1曲が独立したすばらしい曲でなければ,そりゃ昔からそうだよね,もちろん,
そうだけれども,今日に至って,なおかつシャッフルで聴かれたら,1曲1曲が独立した強い,
いい意味での個性を持って曲でないと,そういう風に分解しちゃったら大変だよね。
で,そういう意味で,そのー,まあ,私も聴かせてもらったけれども,
その,1曲1曲が,まあ,あの,独立したすごくいい曲であるっていうのは,
もうここ何年もね,B'zの中では当然のことなんだろうと思うんですけれども,
その辺どうですか? 改めて。…1曲1曲が独立した曲である
松本:ま,録ってるときは,1曲1曲独立して,その曲に集中して録ってますからね。う〜ん。
ま,それはもう前提としてあって,その,その,それの上での並びですよね。
伊藤:個人的には,その,i-Pod等で聴かれる,まあ,自分たちの音楽が聴かれるなら,
いかようにも,とにかく多くの人に聴いたほしいとは思っているんだろうけども,
i-Podとかそういうものがはやってきて,今のように分解して,ザッピングして,
楽しんでるファンがとっても多いわけですよ,今日ね。
ぶっちゃけ,俺はね,あんまり,あのー,お勧めしないんだよね。
逆に言うと,擦り切,まあ今はもうCDは擦り切れないんだろうけども,
擦り切れるまで聴いて,ZEPPELINでも何でもいいけど,擦り切れるまで聴いて,
新しい聴き方から何かそのアーティストの楽曲から発見できないかというね,意図があって,
LED ZEPPELINの曲をザッピングでね,あるいはB'zの曲ザッピングで聴いてみると,
そういうのだったらまだわかるんだけどさ。
そういう,まあしょうがないということはあるにしても,実はそういう聴かれ方,反対でしょ?
松本:うん,まあ,正直なところ,
伊藤:正直なところ。
松本:作り手としてはね。う〜ん。
伊藤:作り手としては。
松本:ただ,もう世に出しちゃったら,もう皆さんの自由ですからね。
伊藤:そりゃそうですね。そりゃそうですね。
松本:たとえば,この中のどれかを気に入ってくれてさあ,友達に「これいいんだよね」って,
そっからまた広がっていけば,ありがたいことだし。う〜ん。
伊藤:自分でi-Pod使ってる稲葉さんはどうですか? そういう聴き方。
稲葉:ま,今は非常に便利なので,その,選択肢が広がってるわけですよね,聴き方の。
だから,まずはこれ,通して聴くこともできれば,
あの,ほら昔カセットで聴いてるとき,次の曲行くのも結構大変だったじゃいないですか。
伊藤:そうね。
稲葉:もう,一瞬ですから。あまりにもみんな速くこう音から音への移動ができるし,
だから,そういう意味では,あのー,すごく自由の,自由度が広がっているというか,
だから,まあ,むしろその,今の世代はそれがあるところからスタートしてるわけですからね,
そっからまた新しいものが生まれるかもしれないし,
ただその,アーティストの,作った,何,このアルバムを作った側からすると,
とりあえず,これが完成形なんで,それだけは忘れないでっていう気持ちはありませけれどね。
ただ,選択肢がある以上はやっぱり,そこで自由に楽しんでいただいてかまわないですけどね。
松本:はい,えー,それではですね。アルバムの冒頭を飾る「Introduction」から「DIVE」を聴いて下さい。
<♪Introduction〜DIVE>
伊藤:まあ今,カセット,っていう風に言いましたけど,だいたいまあ,あの,友達から当時アナログ
借りてさあ,カセットに落として,カセットで繰り返し聴いたもんじゃないですか。ええ。
まあ,たぶん稲葉さんだと,中高生の頃なのかもしれないけど。カセットん中何入ってました,当時?
稲葉:カセット? 何ですか?
伊藤:カセットの中に,マイテープに,の中に,どんなアーティストの,どんな曲入れてたんですか,昔は? 中高生の頃。
稲葉:アルバムとかを。
伊藤:アルバムとか曲,中身はどんなアーティストの曲よく入れてたの? カセットに。
稲葉:IRON MAIDEN,Judas Priest,AEROSMITH,
伊藤:濃いわ。
稲葉:QUEEN。
伊藤:出た出た出た。
稲葉:まず,カセットのあの,背のところにロゴを描くのが...。ははは。
伊藤:あれ,ロゴを描いてたの?
稲葉:はっはっはっ。
松本:結構マメだね。
稲葉:はい。
伊藤:あの背中のちっこいところに?
稲葉:はい。
伊藤:こう?
稲葉:はいはい。
伊藤:最初に買ったレコードは何だったっけ? 外国の。
稲葉:自分でCD,レコード屋行って,お金払って買ったのは「LOVE GUN」なんですよ。
伊藤:あっ,KISS,最初。
稲葉:意外に。
伊藤:おー。
稲葉:結構後なんですけど。そのときの最新アルバム。
伊藤:お小遣いやりくりして?
稲葉:はい。
伊藤:じゃあ,買ってきて,家(うち)着いて,それを聴いたときどうでした? 「LOVE GUN」のアルバム。
稲葉:やっぱ,興奮しますよね。まず,ジャケット見るでしょ。あと,ライナーノーツあるじゃないですか。
Judasのライナーノーツむちゃくちゃ読んでましたよ,だから。(笑)
松本:ふっふっふ。
稲葉:結構,すごい楽しめるっていうか,あのー,パッケージが。いろんな面から。今もそんな感じしますけどもね。
伊藤:う〜ん。
稲葉:だから,そうじゃなくても,カセットでもらって,自分で録ったもの,それを聴くときでも,
ほんとに擦り切れるぐらい聴いてましたからね。
伊藤:松本さん,カセットとか自分で作って聴いてたんですか?
松本:やっぱ,作りましたね。で,やっぱりその,お小遣いで買えるアルバムの数ってのは限られてるから。
伊藤:無理だよねえ。
松本:「今月俺がこれ買うから,お前それ買えよ」とか。
稲葉:そうだった。絶対そうだ。
松本:で,チェンジしてお互いにカセットに取り込んで,っていうやり方してたんで。
伊藤:***するんだよね,ファンはね。
稲葉:友達とは絶対かぶらないようにしてましたね。
松本:そうそうそう。かぶらないようにしてた。
伊藤:友達に何か買わせた記憶ある? 「お前こっち買ったらいいんじゃない?」みたいな。
稲葉:いっぱい,ありますよ。で,約束して買って,お互いに買ったやつが,
向こうが買ったやつが良かったときとか,悔しかったのを覚えてますよ。
松本:はっはっはっはっは。
稲葉:俺が買えばよかった。
松本:まあ,あるよね。
伊藤:「そっちの方が全然いいじゃん。」みたいな。う〜ん。
まあ,でもさ,そういうこの,好きな音楽やりくりしながらさあ,
やっぱり,いい音楽,かっこいい音楽いっぱい聴きたいわけじゃん。
でさあ,当時,まあ今でもそうかもわかんないけど,特に中高生の頃って,
頭ん中さあ,スポンジみたいに吸収力がすっげえいいじゃん。
かっこいいなとか,いい曲だなとか,めっちゃすげえバンドだなっていう,
何かそういう新しい刺激がグサグサ脳みそ刺さってきてた,時代だよね。
でも,そういう,その,あの,土台があるから,あのー,B'zとして音楽作るときもさあ,
そういう音楽の素養があるから,いろんなものが頭の中でバーっと組み合わさって,
そしてオリジナリティーとともにガーっと練り合わさっていくわけで。
そういう経験持ち得ない人がさあ,曲作んの大変だよ。
松本:いや,絶対そうだと思いますね。
伊藤:無理でしょ。
松本:だから,ほんとにね,多感なティーンエイジャーのときに,どれだけいい音楽に巡り会えるか
どうかによって,あの,たとえば,僕らみたいにミュージシャンという仕事をする人たちは特に,
そこでたぶんもう,その,ルーツが,割と根底にあるものが形成されると思う。う〜ん。
だから,まあこう言っては何だけども,あんまりよろしくない音楽がすごくいいと思って,
そういう多感な時期に聴いてたりすると,俺たぶんいいもんあんまり作れないと思うんだよね。
伊藤:そうでしょ。まったく同感なのよ。
だけどさ,あのー,これが,あのー,お兄ちゃんとかね,お姉ちゃんとか,
まわりにその音楽聴いてる人がいると,「こういうの聞いてみな。」っていう風に言われるから,
「あ,なんだ。自分聴いてたのダサダサ,ダサくて,お兄ちゃんとか,お姉ちゃんとか,友達,これめっちゃいいや。」って,
そういうまわりに交流する人があると,その,だめなものといいものの入れ替わりがあって,
どんどんいいもの,いい音楽への興味がわいてくるじゃない? う〜ん。
だから,その,自分が今聴いてる音楽がね,中高生の人はね,これが絶対いいものだろうと思って信じているんだけど,
他のところに目行かないんだよ,今の中高生って,こう,外にね。チャンスがないのかね。
そういう意味では,自画自賛になりますが,我々は割といい音楽を中高生の頃に聴いてたっていう感じはしますよね。
松本:そうですね。で,また,うまく時代がリンクしてくれてたというか。ありましたもんね,そういう音楽が。
伊藤:だって,まあ,ちょっと,あの,稲葉さんより松本さんの方がちょっと年上だけれども,
まさに70年代だよね。ロックのものすごくいい時代に聴いてるでしょ。
松本:そうですねえ。
伊藤:稲葉さんは,1970年代の,ま,KISSの「LOVE GUN」とかね,おっしゃったけども,
70年代の後半から80年代にかけて,今度,松本さんがエアポケットのように若干抜けてはいる,
1980年のさあ,あのー,Judas PriestだとかIRON MAIDENの,その,新しいメタルの萌芽というか,
そういうのも体験してきてるわけだよね。
稲葉:そうですね。
伊藤:結構,やっぱ,自分でもいい時代に音楽,いいもの聴いてたなと思うでしょ。
稲葉:ま,あの頃はだからその,逆に,その,ね,僕は兄がいましたけども,こう,ちょっとだけ聴かしてもらって,
後はもう聴かしてもらえなかいみたいな状況だったんですけど。自分ではまあ買えない頃だったんで。
伊藤:ああ,お兄さんが。
稲葉:そういう意味での渇望はすごかったですね。「聴きたい!もっと」みたいな。
だから,そういうヘビーメタルがはやって。で,パンクがすごくはやって。パンクもすごい聴いてて。
その流れの中からIRON MAIDENがこう,後から急に出てきたじゃないですか。
あの流れはすごく,鮮明に覚えてますね。
伊藤:まあだからその,さっき言ったように,中高生の頃にほんとにいい音楽聴いておいて,
まあもちろんね,たとえば,中高生の頃に音楽,部活やって全然聴いてなかったんだけど,
大学入って聴いたっていう人もいるかもしれないけど,
やっぱり何でもそうだけど,いい音楽いっぱい聴いてると,
あのー,今からでも遅くないと思うんだよ,温故知新ってよく言うじゃん,
今からたとえばさあ,そうだな,松本さんや稲葉さんが好き,今でも好きなLED ZEPPELINってさ,
いつ聴いてもよくない? たとえば。
そういう音楽とちょっとね,出会ってほしいなと思うけどね,僕なんかはね。
松本:そうですねえ。
伊藤:でも,そういう古い,古いっていうか,まあ,クラシック・ロックって言うんでしょうか,
そういうのは,まあ,稲葉さん,i-Podっておっしゃったけれども,松本さんなんかも,あの,
何かの局面でそういうの聴,古い曲とか,そういう自分の影響受けた曲とか,聴くことあります? いまだに。
松本:いや,もうよくありますね。
伊藤:あ,そうですか。ほー。
松本:よくありますよ。
伊藤:ほー。どんなとき? 煮詰まったときとか。
松本:いや。
伊藤:そうじゃないんだ。
松本:たとえば,飛行機の移動中とか。
伊藤:ほー。
松本:う〜ん。ZEPPELINなんかも聴くし,いろんなもん聴きますねえ。う〜ん。
伊藤:でも,その,俺なんか,大人になってからさあ,自分が,あの,当時高校生,まあ大学生でもいいや,
買ったときのレコードとかさ,CDとか聴いて,新たに発見することがあるんだよね。
松本:ありますよね。
伊藤:こう,これだっけっていう。あれ不思議だね。だって,相当聴き込んでたはずなんだよ,自分。
だけど,大人になってからいろんなこと気がつくんだよ,曲の中の。そういうことないですか?
松本:ありますね。僕,つい最近も,ずーっとティーンエイジャーの頃から気になってた,
あの,DEEP PURPLEの「BURN」って曲あるじゃないですか?
最後のソロの1小節,がもうほんとにこう,どうやっ,どこの音行ってんのかはっきりわかんないまま,
20年,あ,20年どころじゃないよね,始めてからだからもう30年ぐらい来ちゃって,つい先日解明しましたもんね。
伊藤:何だそれ,いいねえ。(笑)
松本:改めて聴いてみて,コピーし直してみたんですよ。
伊藤:あら。
松本:あ,そしたら,「こうだったんだ〜。」っていうのがね。もう胸のつかえが取れた。(笑)30年来の。
伊藤:気がついてなかったねそれ,でも。
松本:いや,だから,ちゃんと聴けばわかったんだろうけど,そのまましないままずーっと来てたんで。
伊藤:あれねえ,だから,まあ曲長いじゃん。6分前後あるから,集中力5分40秒くらいで,
「ああ終わりだなもう,もうエンディングだからよーし」みたいな。
そういうことありません? 昔の曲稲葉さん聴いてて,こういうかっこいい曲だったのかって。
稲葉:あ,そういう,ZEPPELINなんか,しょっちゅうですね。
昔,こんな,この曲絶対飛ばしてたのに,みたいなのありますけども。
伊藤:ああ,つまり,ちょっとつまんないなと。
稲葉:だから,その「Since I've Been lovin' You」なんかも昔は,それこそ中高生の頃はあんま聴かなかったですけど。
伊藤:ちょっと,パワーバラードでね,子供聴くにはませた曲かもしれない。
稲葉:あれは,何年か前に,あればっかりをいろんなバージョン集めて聴いてるときありましたね。ライブとか。
伊藤:あ,そう。
稲葉:毎回違うんで,アレンジが。
伊藤:はい。いや,ライブバンドなんだね,あれ。
稲葉:すご,もう強力ですよね,ライブ,もう。あのジャムやってるときとかね。
伊藤:そうだね。あの,何だろう?
だから,あのー,ジミー・ペイジがね,あのー,インタビューしたときに,えーっと,
初来日公演のときに,3時間30分演奏されて,こんな長いコンサート日本人見たことないから,
相当倒れたやつがいたっていう,ね,そしたら,「え,俺たちそんな長くやってたの?」って言って,
「時間とかあまり気にしないんですか?」って,「いや,あんまり気にしない」って,えっとー,
「阿吽の呼吸で始めちゃったら,どんどん展開して」って,で,「じゃあ,終わるとき,どうしたんですか?」って,
これまた,阿吽の呼吸で,目と目が合って,そろそろ終わりかっていう。
だから,1曲が8分くらいになったときもあったりとか,あのー,5分で終わるときもあったんでえ,
だから,ZEPPELINって,毎回演奏が違うっていう。
稲葉:違う。よくあの,阿吽のきょ,呼吸なんですかね,ほんとに。
どうやって合わしてんのかなっていうとき,よくありますけどね。
伊藤:だから,何なんだろう。だからあ,その,そういうバンドって今いないじゃないですか?
松本:いないですねえ。
伊藤:あまり聞いたことないよねえ。あの,何だろう?
やっぱりきちんと楽曲を,決められた形で演奏するじゃない?
そういうバンドがほとんどなわけだからー,そういう60年代的なジャムの要素で曲を発展させてー,
俺たちのエネルギーがどこに向かってって,どんなものを作り上げていくんだろう,っていうね,
そういうことの,こう,実験性に喜び感じるバンドってほんといない。…いない。
B'zって,どうなんですか? もちろん,その,あの,いろいろパターンはあると思うんだけども,
やっぱりライブの楽曲って,きちんと決められてリハーサルどおりで行くでしょ? びしっびしっびしっと。
松本:基本的にはそうですね。
伊藤:そうでしょ。だって,やっぱりあれだけの手の込んだステージやるとー,
たとえば,そこでのばしたりすると,照明とか,パイロとか,まわりのスタッフ,大変だよね?
松本:う〜ん。
伊藤:そういう意味では,IRON MAIDENっぽい,かもしんない?
松本:どっちかって言うと,そうでしょうね。ZEPPELINの方ではないね。
伊藤:ZEPPELINとか,まあAEROSMITH,…じゃないの?
松本:ただまあ,あのー,世代的には,ジャムとかできる
伊藤:そういうことだよね。
松本:世代なんだけど,なのでー。
伊藤:そこなんだよ,で,あのー,日本人のミュージシャンが,たとえば外国の人と,ばったり,
まあリハ,まあ,リハーサルルームかなんかで会って,「なんかジャムろうか?」っつって,
たとえばこう,コードを誰かがバーンと弾いたら,ついてきゃいいだけだよね。
ところが多くの日本のミュージシャンって形から入るから,
たとえばじゃあ,AC/DCのリフかなんか,ジャーン,ジャジャジャ。
「その曲なんだったっけ?」って,曲から思い出そうとするからー,ついていけなくなんだよね。
この辺がだから,ジャムをやってきた世代と,形から入ってるミュージシャンの,根本的な違いで,
外国のミュージシャンってやっぱりジャムから入るじゃない?
今のミュージシャンどうかわかんないけど。う〜ん。若い頃結構ジャムやってたんですか?
松本:僕,やっぱり,あのー,最初この世界に入ったときにー,
やっぱりー,セッションミュージシャン,の人たちなんてのは,やっぱそういうのすごい,
たとえば曲をレコーディングする前とかやっぱり必ず始まるんですよね,やっぱりね。
そういう人たち,の間でもまれてきたから,普通,でしたね,それは。
伊藤:なるほどね。ほー。そうか。まあでも今,ジャムのできないバンドって増えてるらしいよ。
松本:う〜ん。
伊藤:う〜ん。まあでも,
松本:わかる,何となく。
伊藤:う〜ん。「ジャムって何?」って言われた暁には,大変だもん。
松本:う〜ん。俺,たぶんアメリカとかヨーロッパのバンドでもそういうの結構多いんじゃないかな,最近。
伊藤:最近のバンドはね。
松本:たぶん。と思うけど。
伊藤:だから,決められた通り,をなぞってプレイするバンドっての,そういうことが,あの,多いと思うんだけど。
夏休み,ホリデーが終わっていよいよね,あの,ニューアルバムのプロモーションも始まってるわけですけども,
たとえば,自分の趣味だとか,そういうものが,たとえば歌詞や,曲の中に反映されるってことないですか?
たとえばね,稲葉さん,サーフィンとか,ま,バイク乗ったりとかしますけどね。
稲葉:はい。
伊藤:海と戯れたり。そういうのって歌詞に出てきたりすること,あるでしょ?
たとえば,今回の頭のこれなんかのさ,3行ぐらいの歌詞聴いてみて,
何かその辺の稲葉さんの何か,そういう趣味と歌詞が若干リンクしてるのかなって。「TINY DROPS」
稲葉:サーフィン,もうそうですけど,バイクのときもそうですけども,やっぱその中で人にも出会うし,
そこでは普段なかなか,こう,交わさない会話があったりもするので,そこにやっぱ,影響は,強く受けますね,僕。
伊藤:う〜ん。サーフィンって,そんなに長くないっておっしゃってましたけども。
稲葉:たいしたことないですよ。
伊藤:また,それはまあ謙遜だろうけどね。
稲葉:趣味っていうほどでもないですけど。ただ,だって日本でほとんどやんないですから。
でも,その中でこう,まとめてどっかで時間取れたときに,海外に行ったときに,やってる中で
やっぱ,仲間みたいな,その,海で会う人,もいる,いれば,バイクの仲間もいるし,
そういうところで,話すと結構,そのー,普段ツアーやったりレコーディングやってる,とき,とは違う種類の会話とか,
があって,そこの中から影響受けたものがまた今度自分の仕事に返ってくるという,パターンはよくありますね。
伊藤:まあ,今言った「TINY DROPS」の頭のとこなんか,もろそういう感じですか?
稲葉:その曲は,もうまったくその通りです。
伊藤:もろだよねえ。
稲葉:はい。
伊藤:だから,趣味が随分歌詞に出ることもあるんだなあと,
まあ,僕が気がつかないところもいっぱい他にもあるんだろうけど,
松本さんはどうですか? ま,趣味のみならず,いろんなところでこう,ま,人と出会って,
そうインスパイアされて,もちろんそれが曲にね,あの,リンクでこう,
ま,投影されてくるんだと思いますけど。今回のアルバムの中で何かそういうのあります?
松本:まあ,ありますよね。う〜ん。何かこう,……
そういう人とのほんと,さっきもおっしゃったけど,人との出会いだとか,ま,いろんなことがこう,
そういう思いがさ,なんかさよくメロディーとして降りてくるって言うけどさ,
伊藤:ああ,はいはい。
松本:俺,「そんなのなー」って昔よく思ってたんだけど,ほんとにあるんだよね。
伊藤:どういう感じなの,降りてくるってのは?
よくね,スティーブン・タイラーも,その,いいメロディーライン,歌メロとか,
「お前にはわかんないけど,突然降りてくることあるんだよ。」って言うんだよ。
「えっ」っつって,「どんな感じ?」って言ったら,スティーブン・タイラー身振り手振りで
稲葉:はっはっはっ。
伊藤:「ヒュー」っつって,「ほんとだよ。」って言うんだよ。そんな感じでしょ。
松本:いや,こっの,その,そんな感じじゃないけど。
伊藤:いや,これはスティーブン・タイラーだよ。(笑)
49 :
名無しのエリー:2009/10/10(土) 05:03:50 ID:IgRncxbS0
松本:たとえば,ベッドでこう,寝てるときに,夢なのか起きてんのかよくわかんないんだけどー,
伊藤:おおっ。
松本:やっぱりね,メロディーがね,鳴るんですよ。
伊藤:あらー。
松本:それでねえ,あのー,最近はー,やっぱり,起きて,これちょっと録っとこうと思って,録りまし,録りますね。
伊藤:う〜ん。
松本:て言うと,ほんとに寝てて夢なんだか,音鳴ってんだか,よくわかんないんだけど,でも覚えてんだよね,きっちり。
伊藤:すごーい。
松本:だからそれをその場で,4時半とか,だったんだけど,今回のときは。
4時半ぐらいでも,起きて,あのー,ギター持って録音しましたね。
伊藤:本当に。すごいね,それ。
それって,ひょっとして,このアルバムの中にどっかにメロディー使われてるものあんの?
松本:えっと,タイ,そのさっき言った「TINY DROPS」なんかそうです。
稲葉:では,アルバム「MAGIC」から「TINY DROPS」を聴いて下さい。
<♪TINY DROPS>
伊藤:今回の,まあ,アルバムの,「MAGIC」ってタイトルはもちろん曲,から取られてるんだろうけど,
とてもいいタイトルだと思うのはさあ,やっぱり音楽,作ってると,俗にそのー,
アーティスト同士,ま,バンド内のケミストリーがどうで,それがこう,
どんどんどんどん高め合って,最終的にはマジックが生まれるって言い方あるじゃない。
マジックって出口なんだよね。う〜ん。ケミストリーからマジック,
で,後はもうお客さん,ファンが,そのマジックをどう楽しんでくれるかっていうね,あのー,こと。
だから,B'zはさあ,ケミストリーを高め合って,出口であるマジックをすごくこう,
20年間大事にしてきたバンドだと思うから,僕なんかは対外的にね,外から見ると,
この「MAGIC」っていう,タイトルはとてもB'zらしいと思うんだけどもー,
まあ自分で,たちで言うのもちょっと何,かもしれませんが,
この「MAGIC」っていうタイトルって,単なるアルバムタイトル以外のものをね,
あの,持ってるなとは思うんですけど,どうですかね?
稲葉:こーれーもですね,まあ曲,その「MAGIC」っていう曲を,作ってるときに,
そのー,もともとまあ曲のコンセプトというか,だったんだけど,
アルバムにもちょっといいなっていうことで話してたんですけども,
要するに,人とかが出会って,やっぱり,惹かれ合うときっていうのは,もうお互いに,
ま,男女なんか特にそうですけども,すごいいいとこばっかし見えるし,
あのー,お互いの仕草とかも,「なんでこんなに素敵なの。」みたいな,
惹かれあうときってそうじゃないですか。
で,もう見るものすべてが,それこそマジックと,魔法にかかったような状態で,
でー,その時期がしばらくすると,何かこの,思ったよりこう,驚きがないなみたいなことが,
ちょっと魔法が覚める瞬間というのがやっぱり必ず,どっかにやって来て,
でー,でもよく考えるとその,魔法がいわゆる覚めた状態,からがほんとの勝負で,
そこからそのー,あきめ,あきらめるんじゃなくて,お互いがその,それこそさっき言ってたような,
自分たちの持ってるものを,磨くことで,次のマジック,がいつか起きると,その可能性があるわけで。
だから要はその,気の持ちようで,で,自分を磨くことで次のマジックを起こそうと。
その,マジックがまたなんかこう,また次のマジックにつながっていくと。
これもう本当に,そのー,男の人と女の人だけでもなくて,僕ら二人でもそうだし,
僕らとファンの関係もそうだし,あらゆるところに,あのー,言えることで,
僕らにとってもすごいリアリティーのある,今,テーマかなという感じがしますけど。
稲葉:はい,えー,アルバムテーマにもなっております「MAGIC」を聴いて下さい。
<♪MAGIC>
伊藤:まあ,あのー,お時間もそろそろ何なんですか,えー,20年やってきて,これからの
20年ってのはね,まあ,こーれは,ちょっと想像のつかないところだとは思いますけども。
このまんま,数年前に,やるべきことを,自分の中にあることを磨いていくということを
気がついたという松本さん。このまま,5年後,6年後,7年後,磨き続けていけば,
もうあと20年,すぐじゃないですか。
松本:まあ,あと20年かどうかまだわかりませんけども,まあ,とにかく,その,同じことを,
をね,その今言われたように,その自分の持ってるものをとにかく磨いて,その音楽と
いう形に,反映していけばいいんじゃないですかね。他にだってやること何にもないし。
伊藤:そうそう。自分ができること,を磨いてやっていくってことだよね,簡単にね。
稲葉さん,どうですか? これからの,2年,5年,10年,20年。先は長いですが。
稲葉:まあ,今も皆さんがお話ししてた,その姿勢を続けてやっていく中でやっぱり,
そのー,人との出会いとかも生まれてくるし,ほんとに自分が思いがけない,
ないようなことも,起きてくるので,そのー,そういうことを起こすために,
まあその,基本姿勢としてやっぱり自分の,できる範囲で精一杯のその,
努力っつうとちょっとダサいけど,何か,そういう,でもそれしかないかな。
伊藤:う〜ん。まあ,2010年,ツアーがいよいよ発表になって。
えー,僕もB'zのコンサート何度かお邪魔して,えー,見させていただいたんですけども,
他のバンドとの根本的な違いはね,あのー,コンサートが始まる前,入場から退場,
ですかね。ま,お客さん的に言えばね。う〜ん。
ま,7時からコンサート始まるとしたら,6時ドアオープンで,6時入って,
会場に入ったときから,演奏が終わってその会場を出るまで,
この時間を,全部,B'zが,ある種,コンサートの中身のみならず,
その,ファンにね,「俺たちといてくれてありがとう。今夜楽しもう。」
あるいは,「俺たちといてくれてありがとう。また会おうね。」っていうね,
こういう,そのコンサートのやり方って,他のバンドにはないことなんだけど,
本編以外の前後ね,まあ1時間1時間というか,そういう,そのコンサートにしようと
思ってるきっかけというか,アイデアというか,腹積もりというか,それは何ですか?
松本:もうでも,結構何年も前からだよねえ。
稲葉:う〜ん。
伊藤:どのくらい前からですか?
松本:どうでしょねえ。
伊藤:ずーっと前?
松本:かなり前からですよ。
伊藤:あ,ほんと! ふ〜ん。
松本:でも,今日本のバンドも,結構そういうことされてる方はたくさんいらっしゃるんじゃないですかねえ。
伊藤:あ,そうなんですか。
松本:う〜ん。だから,まず入場したときからもう,そのねえ,伊藤さん今おっしゃったように,
「あ,今日は,もうB'zのSHOWに来たんだ!」という気持ちになってもらって,
で,だんだんこう気分が高揚していったとこに本番がドーンと始まるっていうね,
で,帰りも「ほんとに,よかったなあ,今日来て!」,で,こっちも「ほんと来てくれてありがとう!」というね,
そういう,最初っからもう,もう入口から出口までもう飽きさせないっていうのは,いつも考えますよね。う〜ん。
伊藤:稲葉さん,どうですか?
稲葉:あのー,こうスタイル自体は,特にほら,日本の歌舞伎なんかは,
その,会場入ったときに,あの,よむ,夜店みたいなものやってたりとか,
お祭りがテーマの,あのー,演目とかだと,会場入ったときからもうお祭り始まってたりして。
でもね,結局ね,箱に入ってから始まるまでって,ある程度の時間あるわけですから。
もう,ディズニーランドに行くときなんか,門くぐったらもうみんな興奮してるわけじゃ
ないですか。あの辺の時間をやっぱり,有効に使えればねえ,それこそほんとに,
全部が終わった後,「ほんと楽しかったな!」と,言ってもらえるような内容にもできるん
で,そこら辺は何か,うまくというか,面白く,使いたいなというのはいつもありますね。
伊藤:まあこれね,欧米のバンドではなかなかできないことだよ。
だいたい,バンドの好きなBGとか流れて
松本:そうですね。
伊藤:そういうの多くない? 「こういうの好きなんだ。」みたいな,わかっちゃうみたいな。
終わったらもう,三々五々帰っちゃうみたいな。こういうケースはなかなかないな。
僕も,過去,バンド見た中で,こう,ちょっとアイデアは違うかもしれないけど,
PINK FLOYDが,あのー,ずーっと入場前から,鳥の,声とか,風の音とか,
そういうのずーとこう流してて,僕は全然気がつかなかったんだよ。
二度目くらい観たとき,「何,何だ,これは?」と。最初観たとき野外だったから,
ほんとの鳥かなと思ってたんだよ。で,室内で観て鳥で,おかしいなと思ったら,
「あ,そういうオーガニックな何か環境を作ってたのか。」と。
だから,そういう意味ではその,その誰かの曲を流すわけじゃない,
ずーっと風の音と鳥だとか,ね,小川の流れる音だとか,そういう感じでこう作り上げてたってのは,
7,60年代からそういうバンドはいたんだろうけど,でも,そこまで,丁寧にその,来てくれてありがとうみたいな,ことをね,
やり始めたのは,おたくのバンドじゃないんですか,これ?
松本:そうですかね。
伊藤:海外じゃないよ。う〜ん。まあその,今日ではそういうバンドもいるだろうという風なことをおっしゃてる。
それは,また,何にもひょっとしたら決まっていないかもしれない2010年の1月から始ま,るツアーも,
きっとそうだと思いますけれども,正直言うと,中身これからでしょ。
松本:そうですね。
伊藤:ええ。
松本:はい。
伊藤:ね。
松本:はい。
伊藤:中身これからと。
松本:全然これからです。(笑)
稲葉:はっはっはっはっ。
伊藤:こんなに早く決まってるわけない。(笑)
稲葉:2010年だ。
伊藤:もう2010年だよ。だって,来年の1月だもんな。
この,だってアルバム11月発売ですからね。う〜ん。
てなことで,今日はbayfm 20th Anniversary COUNTDOWN,えー,ゲストにわざわざ,
日本で最も忙しい,B'zのお二人に,来ていただいて,ほんとに,感謝しています。
今日はどうもありがとうございました。
松本:ありがとうございました,どうも。
稲葉:ありがとうございました。
<♪イチブトゼンブ-Ballad Version->
57 :
先生 ◆TEACherNJw :2009/10/10(土) 19:44:13 ID:EZwTg2G90
さっきスキマスイッチのライブ映像をCSで見て思ったんだけど、ボーカルの子はミスチルに影響受けてるのかな?
客の煽り方、その他諸々があまりにも桜井と似すぎてて引いた(笑)
アフロ、ミスチルの「星になれたら」を歌ったヤサに
「そのまま星になっちゃえばよかったのに」と言ったそうだw
M10:ありがとう M11:星になれたら M12:ふれて未来を(with常田真太郎)
アフロ=常田真太郎(スキマスイッチ)
ヤサ=大橋卓弥(スキマスイッチ)
58 :
先生 ◆TEACherNJw :2009/10/10(土) 20:26:12 ID:EZwTg2G90
○ o スキマスイッチ Vol.44 o ○
428 :先生 ◆TEACherNJw :2009/10/10(土) 20:18:16
スキマファン皆さんは誤解しないでください
>>427 このレスは他のスレにも残します その過程ですよ
ここにだけ書くのじゃないです
59 :
名無しのエリー:2010/06/02(水) 22:39:00 ID:oEzTjvQ/O
Test
60 :
名無しのエリー:2011/03/03(木) 18:19:08.18 ID:LHJzDFBrO
テス
61 :
名無しのエリー:2011/03/03(木) 18:22:23.24 ID:UlzL57xh0
B'zヲタとかビーイングヲタって
京大のカンニング野郎と通ずる基地外さがあるんだよな
62 :
名無しのエリー:2011/03/29(火) 17:03:05.55 ID:lGqbki2+0
63 :
名無しのエリー:2011/03/30(水) 02:27:44.93 ID:qrrYc8kzO
書き起こしどうもありがとう!
64 :
名無しのエリー:2011/05/02(月) 15:08:44.14 ID:N2e7fZNGO
いいね
65 :
名無しのエリー:2011/05/02(月) 19:40:50.02 ID:j/Fhq4ET0
>>2〜
>>55 パクってもクレームつけられたところには金払ってるから大丈夫まで読んだ。
66 :
名無しのエリー:2012/01/14(土) 22:17:25.75 ID:za0qv5nX0
B'zはTMサウンドみたいなのもまたやってほしい。
原点復帰だ。
67 :
名無しのエリー:2012/02/16(木) 21:17:29.37 ID:lrv3Geng0
B'zは今のままでいいよ、ハードロックさを保ってたほうが。
そうだ、C'mon買いに行かなきゃだ!
68 :
名無しのエリー:2012/02/19(日) 09:21:17.47 ID:giAVf/tj0
C'monは買ったけどMAGICまだ買ってない
69 :
名無しのエリー:
新曲来ました
キオクノ山脈