●●●山崎洋一郎のつぶやきで1000目指すスレ●●●

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608山崎洋一郎
激刊!山崎(二度のボツを経た最終稿)

俺はプリンが好きだ。
あのムッチムチでポインポインな形状は、宮崎駿作品にも度々
出てくるモチーフだが、なんとも艶かしく、エロティックで、
どこか浮世離れしたエキセントリックさがある。

プリンのムチムチさは、母性、つまり女性性を表象しているの
だと俺は思っている。
だが、俺は最近気づいた。プリン自体よりも、プリンをスプーン
でグチャグチャにする瞬間にこそ、俺はエクスタシーを享受して
いるのだということに。あの完璧なプリンの体形に、逆らいがた
い意志の力が作用し、原型を留めないくらいに破壊されるのを
眺めるのが、俺は好きなのだ。ニューオリンズの街が、カトリー
ナという「人知を超えた力」によって蹂躙された光景に思わず
恍惚としてしまったのも、俺だ。

プリンはロックではない。プリンを突き、崩そうとするスプーン
こそがロックなのだ。いうのならば、女性のヴァギナを突き破ろう
とする己のイきりたった陰茎こそが、ロックなのだ。

ロックは、常に目の前の現実に裂け目を作り、やがてはブチ抜かん
とする「人知を超えた力」でなければならない。

プリンはロックではない。ニューオリンズはジャズではあるが、ロック
ではない。ましてや、ヴァギナもロックでは、ない。
スプーンこそがロックであり、そしてタイフーンと陰茎こそがロック
なのである。間違いなく、ロックは、そちら側にある。

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