需要があるかは、甚だ疑問だから、sageで。
宮沢和史 SPIRITEK
1、Pulse ★★★★
BOOMの時は、割とアッパー、アップテンポな一曲目が多かったが、
これはその対極。スローテンポで穏やかに始まる。非常に聞きやすい曲。
終盤で、一瞬ジャズっぽい展開という仕掛けもあり。
2、あの海へ帰りたい ★★★☆
BOOM=島唄の人にも耳馴染みのよさそうな曲。宮沢氏得意の、
海を感じさせるような広がり方のメロディーに、これまた得意の、
切々とした歌詞がのり、三線の音色も心地よい。
3、SPIRITEK ★★★★★
タイトル曲。birdとのデュエット。彼らしくない?コンテンポラリーな
サウンドのナンバー。横ノリなのも珍しいかもしれない。birdの声が
響く割には、彼の声がイマイチ聞こえないのが残念か。
4、誰よりも遠くから ★★★★
この曲は、作曲が宮沢氏ではないが、違和感はなし。また、歌詞もこれまた
彼らしい、切ないもの。ただ、この曲はボーカルの出来が、アルバム中でも
一番よくないような。女性受けしそうな曲。
5、僕の部屋で暮らそう ★★★★
元々女性に提供した曲(本田美奈子)という事もあってか、非常に
ポップかつ力の抜けた感じに。山弦のギターと宮沢氏のみのシンプルさが、
メロディーの甘さを引きたててる感じ。
6、2 continents ★★★
アルバムがレコードなら、この曲はB面の一曲目?という感じのナンバー。
ボサノバ調の曲調なので、歌詞もスペイン語、演奏もブラジルの腕利き。
まとまっているんだけど、インパクトはそれほどかもしれない。
7、夢の旅人 ★★★★★
この曲は、BOOMでも一時期得意だった、和風メロディーとレゲェのリズムの
融合。こういった、かなり強い和の香りのメロディーと、南米のリズムの
合わせ技が、彼の得意技と再確認させられる。
8、モクレンの花 ★★★★
アコースティックなスローナンバー。これまた女性ウケしそうな一曲で、
メロディーも、メリハリよりも全体の響きや柔らかさを重視したものと
なっている。
9、ピアノ ★★★★☆
個人的には一押し。タンゴ調というより、タンゴの言葉通り、バンドネオンの
音色が、大々的にフィーチャーされており、歌詞が日本語なのを気にせずに
聞くと、南米アルゼンチンにいるような気分になるかも?
ただ、賛否両論のような感じは強いので、最後の星は☆にした。
10、何もいらない ★★★★
歌詞が非常に印象的なナンバー。こういった、なんとなく寂しい、しかし
生き生きとした気分にさせるような歌詞が彼の真骨頂か。また、矢野顕子氏の
ピアノ参加も大きなトピックであり、矢野色が強いという気もする。
11、愛は私の胸の中 ★★★☆
これまた、秀逸なバラードナンバーだが、個人的には無難過ぎる感もあり。
須川展也氏のサックスも聞くことが出来る。始めが穏やかなら、終りも
穏やかに。この曲を聴くと、心地よい眠りにつけそう。
というわけで・・・
総評★★★★☆
非常にまとまっているし、演奏はその道で名の知れた人が数多く参加しており、
彼のボーカルが一番不安定かも?(笑)ただ、それを差し引いても、
良く出来たメロディーと、大げさではないものの、聞きやすいアレンジ、
いつもよりは聞きやすさを重視すると思われる唄い方であり、
彼の歌を島唄しか知らない人に向いているかも。手紙や、TROPICARISMの
暴走振りが好きな方には、食い足りないものでもあろうかと。
AORと言った単語が非常によく当てはまる。