歌詞四段階説（男性編）

男性の書く歌詞の世界観は四段階にレベル分けされます。

レベル１：格好をつける。格好をつけた結果、格好よさが手に入ると考える。
レベル２：ただ格好をつけるだけでは満足せず、何らかの意味を求める。
レベル３：意味が見当たらず苦しみもだえる。
レベル４：意味のなさを承知の上で、無意味と戯れる。

例えば、氷室京介の歌詞は、
ボウイ時代からソロ活動に至る現在まで、
首尾一貫してレベル１の段階にあります。

「摩天楼　ジグザグに駆けぬけてゆくのサ
　DOWN TOWN　の堕天使にウィンクをして」（『ANGEL』）

この手の歌詞に意味を求めても無駄です。
これはただこのままで格好いいのです。
そこには何のひねりも気負いもありません。
ヒムロック万歳。

レベル２になると、
格好よさ以外のものを求めることになります。
具体的には、物事に「意味」を求めること、
これがレベル２に達した歌詞の特徴です。
愛の意味、生きる意味、俺がここにいる意味、等。

ここで注意すべきなのは、
レベル２の段階では意味を求めることはあっても
それが手に入るわけではないということです。
ここではただ意味を求めるということを決意したに過ぎません。
いや、むしろ、
意味というものがあることに気づいた、というべきでしょうか。
意味という問題に目覚めるのがレベル２です。
それを具体的に探し求めるのはレベル３の段階になります。

レベル３では、彼は意味を探し求める旅に出ます。
そして、その旅は必ず、意味が見当たらない、という絶望に
行き着くことになります。
なぜそのようになってしまうのかは簡単です。
意味というものはこの世に存在しないからです。

仮に、ある人が生きる意味らしきものを見つけたとしましょう。
しかし、全てのものに意味がなければならないのなら、
生きる意味自体にもまた意味がなくてはいけません。
すなわち、「生きる意味」の意味を探さなくては
生きる意味の本質には達しないのです。
しかし、これが単純な無限後退に陥ることは明白でしょう。
人は「生きる意味の意味の意味の意味の意味…」を求め続けるばかりで
いつまで経っても生きる意味そのものを見つけることができません。

意味はないのです。
結論はこんなに明快です。
しかし、レベル３の歌詞はそのことに気づかず苦しみます。
意味はどこにあるのか。
俺はどこにいるのか。
彼は終わらない旅を続けることになります。

ちなみに、平均的な日本人男子は
このレベル３の段階が大好きです。
1994-96の時期のMr.Childrenの爆発的な人気は
そのことを裏付けるものです。
ミスチルは、デビュー以来、
レベル１からレベル３へと
順調に段階的進歩を遂げてきた稀有なバンドです。

ちなみに、レベル３の中にはいくつもの種類があり、
「意味が見つかった、と虚勢を張る」というのも
レベル３における典型的な行動パターンの一つです。
ここ数年のミスチルの活動は全てレベル３の中に位置づけられます。
彼らに「終わりなき旅」という楽曲があるのは象徴的です。
桜井君の終わりなき旅はいまだ終わりません。

最後に、レベル４の段階。
意味を求める旅の果てしなさに気づいた者は、
「無意味」という終着地に目覚めます。
意味はない。
だから、無意味と戯れればそれでいい。
こういう思想的背景を備えたレベル４の歌詞は、
時にただのでたらめに見え、
時に妙に文学的だと思われて深読みされます。
どちらもレベル４の歌詞に対する正しい対応だとは言えません。

もちろん、レベル４の歌詞には
結果として文学的付加価値が付くことはあります。
しかし、それはあくまで副産物に過ぎません。
レベル４の歌詞に秘められているのは
無意味への深い洞察なのです。

レベル４の歌詞の使い手と言えば、
真っ先に挙げられるのが井上陽水でしょう。
彼の歌詞には基本的に意味というものがありません。
なんとなく文学的に見える彼の歌詞を
やたらに深読みするのは愚の骨頂です。
彼の歌詞なら何でも構わないのですが、
最もわかりやすいのはやはり、
パフィーに捧げた楽曲『アジアの純真』の歌詞です。

「北京　ベルリン　ダブリン　リベリア
　束になって　輪になって
　イラン　アフガン　聴かせて　バラライカ」

この歌詞に特に意味がないことは誰でもわかるでしょう。
一つ一つの言葉の意味の流れが次に出てくる単語によって
絶え間なく寸断を繰り返し、まとまった意味が何も残らない。
これは巨人井上が世間に落としていった最後の爆弾です。
もちろん彼の爆弾はいつも不発弾なのですが。

私の個人的な好みで言えば、
奥田民生や小沢健二はレベル４の歌詞の優れた使い手です。
彼らの歌詞は無意味をもてあそびながら
謎の力強さに満ちています。
それは、レベル３を経由しレベル４の段階に達した者だけが得られる
人間としての芯の強さなのです。

最後に言っておきますと、
ここで挙げたレベルという概念は
歌詞自体の文学的なクオリティーの高さと
そのまま対応しているわけではありません。
これは単に思想的な区分であり、
文学的な価値はこれらとは独立に判断されるべきでしょう。

ただ、個人的には、
レベル１〜３の歌詞よりもレベル４の歌詞の方が結果として
質の高い歌詞になっている場合が多いように思います。
特に何の輝きも感じられないような詞は
ほとんど全てレベル１の段階にあると言ってよいでしょう。

以上です。今日はもう寝ます。

1行も読んでないのだが、

何でも一般化したがる人って嫌われるよね。

立てる板間違ったな・・・
ここはファンのすくつだ

まあ、凄く面白いことを言ってるとは思うけどねえ・・・
で、１さんはレベル２の段階にいるというわけですか？
そしてこのスレはage進行にしてみんなと意見をぶつけたいの？
それともこのまま沈ませたほうがいいの？

>>781
>意味が見当たらず苦しみもだえる。

確かにいまの桜井の当てはまるよ〜な。
ﾁｮｯﾄ面白いネ。

誤爆ｺﾞﾒｿ

読んだけど、まあそれなりに分かる部分もあった。
でも書いてることはかなり主観が入ってるね。
陽水や民生なんかは最初からレベル4だったし、
レベル1で終わるアーティストが低レベルと言うわけでもない。
それぞれのスタイルがあることには言及しているけど、
段階で分けている時点で勝手にランク付けしているとしか思えない。
純粋にその段階を踏んでいった例がミスチルぐらいしか思い浮かばないのであれば、
段階分けなんて実証できていないも同じ。
>1はどっかからコピペったのか？

ミスチルにレベル1と2は無いと思うが。

良スレの予感

珍スレの予感

小沢健二はどこらへんが「レベル４」なの？
そういえばレベル４にスピッツという代名詞的存在がはいってない。

＞１６
民生も揚水もデビュー前はレベル１，２，３の歌詞を書いてた、
と言いたいんじゃないの？　＞１は。

>>１-９
何かどっかのＨＰで見たような気がするなあ。

>>1

Larry Worldだろ

ミスチルがレベル３、
揚水がレベル４と言うのは同意。
ただ、俺にはレベル５の領域もあると思うんだよな。
さだまさしとか。

今のミスチルはレベル３じゃないな。今の詩を見れば解ると思うが。
でも4とも違うな。

４の世界を知りつつも
それじゃあ鼻持ちならないから、敢えて３をやってる人もたくさんいるよな

最近のスピッツとかそうだ

>>26
3.5の領域があってもいいかも。スピッツはそこに入りそう。

ハイロウズはどのレベルにいるでしょうか？

「夏だな　夏だな　夏なんだな」←これとか。

ハイロウズから詞を取ったら何も残りません

サザンやコブクロの歌詞に出てくる”わだち"ってどういう意味？
辞書で引くと、車が通り過ぎたあとに残る車輪の跡、って書いてあるけど
希望のわだちってさっぱり意味わかんねーよ
誰か無学な漏れに教えて

>>30
希望へつながる道ってこと？

ＧＬＡＹの歌詞に出てくる「轍」は、
格好いいから使ってみただけ。
これ正解。

良スレ発見

そもそも４は売れそうにないしな

あと１を突き詰めると４にもなるよな

4ってイエモンか

保守

こういうスレッドって、邦楽板では厳しいんじゃない ?
メンヘル板か、サロンの方が良いんじゃない ?
ここは、ファンの巣窟だから。
邦楽板だと、スピッツ、ブルハに代表されるような、歌詞に誇りとか、自信みたいなものを持ってる人しか興味もたないかも。
おいらは、こういうの好きだから、age とくけど。
生き残れないかもね。