BUCK-TICK vol.26

親父へ
美由紀がアメリカで死んだ時の、叔父さん叔母さんの顔を見てるだけに、子供が先立つ事が
どれだけ不幸か良く解っているつもりです。でも、これが私の生き方です。最後まで親不孝で
ごめんなさい。明日香は親友に育てて貰うことにしました。親友の家が一番安心出来るからです。
あの家でなら、明日香は幸せに大きくなることが出来ます。親友には毎月ビデオレターを
送ってくれるように頼んでありますので、明日香の成長を私の変わりに見続けてやって下さい。
親孝行も出来ないまま、勝手に地獄で生きて、勝手に子供を産んで先立つ不幸です。最悪の娘です。
ごめんなさい。元気で長生きして下さい。私は親父の娘として産まれた事を幸せだと思っています。
最高の父親だった貴方に感謝の言葉もありません。親父ありがとう。親父の娘で私は良かったよ。

親愛なる三人へ
貴方達に命を助けて貰ったのに、こうして別れる決意をした事を許して下さい。
これが私の生き方です。Ｇ君、貴方が言ったように、私は説得しても言うことを聞かない人間です。
その通りだったと笑って見送ってやって下さいね。Ｍ君、必死に説得してくれて本当に感謝の
言葉もありません。か〜にも宜しく伝えてね。私は貴方と出会えた事を奇跡だと思っています。
沢山の光を有り難う。Ｎ君、貴方には本当に申し訳ないことをしたと思ってる。貴方の青春時代を
私は台無しにしてしまいました。悔やんでも悔やみ切れません。どうか私のことは忘れて下さい。
貴方達三人の幸せを、見守って居ます。
光達よ・・・どうか、何時までも輝き続けて下さい。残った人達の、悲しみも一緒に持って行きます。
どうか笑って見送って下さい。私は最後まで「自分の道を自分で決めた」のだから。私は死んでも
自由で居たいので、骨は海に散骨して下さい。これが最後のお願いです。