1 :
1(MX厨)代理 :
02/03/01 00:55 ID:W3Qn7Er4
>>1 代理でスレ立てして頂いてありがとうございました!
(初心者板に逝ってスレ立てを依頼してきたわけです。)
3 :
謎の最強物質回答コテハンX ◆pI0/1FXg :02/03/01 01:00 ID:W3Qn7Er4
>>2 ほほぅ。まぁまた用あったらいつでも濃いよ。
4 :
謎の最強物質回答コテハンX ◆pI0/1FXg :02/03/01 01:01 ID:W3Qn7Er4
バサラ!!!
謎の最強物質回答コテハンXさんカコ(・∀・)イイ!!
病院を出たシカオとYOSHIKIは、デパートに来ていた。 YOSHIKIがhydeとIZAMに調達を頼んでいた「爆弾」を作る為の材料を再び手に入れる為に。 一度は完成した爆弾であったが、今までのゴタゴタと夕方まで降り続いた雨のせいで使い物にならなくなってしまったのだ。 「…最初っから自分で探しに来れば良かったのかもな」 YOSHIKIはおもちゃ売り場の倉庫を漁りながらポツリと呟いた。 「そうすればIZAMもhydeも…」 「やめましょう、YOSHIKIさん。もう過ぎた事です。今更何を言っても仕方ないじゃないですか」 愚痴るYOSHIKIの言葉をシカオが遮った。 「…そうだな…今はとにかく、コレを完成させるのが先だな」 そう言うとYOSHIKIは、手に持った花火の袋に目を落とした。 「シカオ、俺の頼んだ物は見つかったか?」 「はい、一通り持ってきましたけど…でも、こんなので爆弾作れるんですか?」 そう言うシカオが手に持っている物は、缶詰ほどの大きさの蓋付きのアルミ缶、ネジ、ガラスのコップ、それに厚紙とガムテープ。 シカオはそれを丁寧に床に並べた。 「まあ見てろって」 YOSHIKIは手にした花火の袋を開きながらニヤッと笑った。 材料を器用に組みたてるYOSHIKI。シカオはそれをキョトンとした顔で見つめていた。 「…YOSHIKIさん、何でそんな物の作り方知ってるんですか?」 「ああ…お前には話してなかったっけか」 そう言うとYOSHIKIは、今朝方hydeに話したのと同じ話をシカオにした。 「そうですか…HIDEさんが…矢沢さんが殺られたのも…」 「かもしれないって事だ」 YOSHIKIは手を休めることなく淡々と答えた。
「俺達は…俺達は、こんな事の為にミュージシャンになったんじゃないのに」 シカオはぎゅっと唇を噛み締めて呟いた。 「仕方ないだろ、こうなっちまったんだから。お前もさっき言ったじゃねぇか。 『今更何を言っても仕方ない』って。だから今出来る事をやるしかないんだよ!」 YOSHIKIは最後の爆弾を作り終えると顔を上げて、シカオにそう語りかけた。 そしていくつかの爆弾をビニール袋に詰め、シカオに手渡した。 「お前も半分持ってろ。使い方はわかるな?」 「…はい」 「よーし、じゃあ腹ごしらえでもするか。 食品売り場に何かあるだろう?『腹が減っては戦は出来ぬ』ってな」 そう言いながら残りの爆弾と数種類の打ち上げ花火をデイパックにしまい込み、YOSHIKIは立ち上がった。 その時、あのいまいましい音楽が流れ始めた。 「…もう6時か」 シカオがため息混じりに呟いた。
【2日目・午後6時】エリア内全体 いつもの様に『少年時代』がエリア中に響き渡る。 『元気ですかーッ!!』 これもいつもの挨拶。だが聞いていた者の多くは多少違和感を感じたかも知れない。 『え〜皆さん今晩は。私は陽水さんではなくてモノマネ芸人のイジリー岡田でございます。』 声の主は素に戻り遠慮がちに自己紹介した。 定時放送が近づいても陽水が現れそうもなかったため急遽呼び出されたのだ。 『えっと良く分からないのですが陽水さんが、 あのお忙しいとかで僭越ながらそ、その代役で私が放送させて頂きます、ハイ。 それでここからは陽水さんの原稿を読み上げます。』 また陽水のモノマネに戻る。 無理にだが呼びだされた以上、自らのプライドを賭けてこなしているといった感じだ。 『えー、では脱落者を発表する…ところなんだがもう人数も随分減ってしまった。 そこで盛り上げるために名前を挙げるのはやめようと思う。 面白そうだろ?ン〜フフフ。代わりに残りの人数を発表する。あと5人だ! ここまで来たら生き残らなきゃ嘘だぞ。皆馬鹿になって頑張れ! そうすれば楽しいことがあるかも知れんぞ。…とのことです。』 また素の声になった。 『何を競っているのか教えて貰えませんでしたが、もう少しです。 残った5人の方は是非頑張って…えっあっスミマセン。』 マイクの向こうで怒られているらしい。イジリーが台本に無い事を言ったせいだろう。 いつも通りの終わり方の後『少年時代』が流れ、放送はゆっくりフェードアウトしていった。
【2日目・午後6時過ぎ】デパート 「…何で代役が?」 「さぁな。大方いつもの気まぐれであの人がどっか行ったまま帰って来ないから 代わりに呼び出されて原稿読まされたんだろ…馬鹿馬鹿しい!」 本当に馬鹿馬鹿しくて苛ついているのだろう。YOSHIKIは吐き捨てるようにそう言った。 「でもそれなら民生さんが放送をするはずじゃないですか?民生さんもいないって…変ですよ」 シカオは冷静に、真顔でそう呟いた。 「…確かにおかしいな。民生…どこにいったんだ?」 「何か仕掛けてきたりするとか…嫌な予感がしますよ」 「そうだな。あいつらが何か動いてる事は確かだな。って事はもうちょっと武器を増やした方が…」 そういうとYOSHIKIは黙り込み、考え事を始めた。 「…YOSHIKIさん?」 「………そうだ!おいシカオ、紙とペン出せ!」 「は?」 「いいから早く出せって!」 そう言われたシカオが紙とペンをデイパックから取り出すと、YOSHIKIはそれを引ったくり、何やら文を書き始めた。 「筆談ですか?突然どうしたんですか?」 「万が一民生が動いてるとしたら、俺達の会話は筒抜けだ。聞かれたら元も子もないからな」 そう言いながらYOSHIKIは紙にペンを走らせ続け、書き終えるとシカオに手渡した。 「新しい武器を思いついたんだ。でも俺達はマイクロチップで管理されている。 当然会話も…口に出したらバレちまうからな。だからそれを黙って読め」 「は…そうか盗聴されてるのか…え、ああ!なるほど!」 シカオはメモを読み終えると感嘆の声をあげた。 「お前が持ってた中居のアレで思いついたんだ。ま、アレ自体は使えないけどな」 YOSHIKIはそう言うと得意げな笑みを浮かべた。
「でも、ここならアレより使える物ありますもんね。他の道具もあるし」 「ああ。で、シカオ。悪いが『中身』を調達してきてくれないか?俺は外に出て走れる程の余裕がないからな」 YOSHIKIは申し訳なさそうに足を擦りながらそう言った。 「わかりました。じゃあYOSHIKIさんはここで他の物を調達してきて下さい」 「おう。集合場所は…地下のエレベーターの前でどうだ?食料も調達したいし」 「YOSHIKIさん…さっきから食料、食料って…よっぽど腹減ってるんですね」 そう言って西村は苦笑した。 「ばっ…バカヤロー!仕方ないだろ!この二日まともな飯食ってないんだよ! とにかくっ!道具の調達と食料の調達!とっととやっちまおう!」 図星を突かれたYOSHIKIは照れ隠しの為か、まくし立てるように言葉を吐いた。 そんなYOSHIKIを見てシカオはクスクス笑いながら荷物を背負い 「はい、早いとこ準備して飯食いましょうね。じゃ、行って来ます!」 そう言って外へと駆け出していった。
イジリー岡田を使う所にプヲタ臭さがちらほら。。。 ちなみに元ネタでは春一番でした。
最近だんだんワカテキタ 誰もYOSHIKIには期待してない…
13 :
謎の最強物質回答コテハンX ◆pI0/1FXg :02/03/01 01:36 ID:W3Qn7Er4
14 :
:02/03/01 04:28 ID:UgP0iBUb
折れは結構楽しみにしてるよ、確かにYOSHIKIにはあんま期待してない・・・。
15 :
SuperGirl :02/03/01 11:11 ID:tkL2BwBL
1さん 更新おつかれ 次は誰がどう絡むのか?
新スレオメ&オツです。 はぁ、それに引き換えこっちはいまだ更新出来ず…。鬱。
17 :
なな〜し :02/03/01 12:47 ID:gtcwPQyC
新スレおつかれ。
18 :
(´¬`) :02/03/01 13:13 ID:8TBMZMUH
初めて知ったよ、こんなHP(w 早速過去ログ読んできます(w
20 :
, :02/03/01 14:47 ID:7P+OeNjm
おお、久しぶりだ。自然消滅したかと思つて不安だつた。 楽しみにしてるんでがんばつて。
21 :
:02/03/01 15:15 ID:eQ0Mopx7
>>10 1さん乙カレー。
ちなみに
>そう言って西村は苦笑した。
→シカオ
だよね?
川から走り続け、気付いたら駅前に辿り着いていた。 「喉…渇いた…」 松岡は駅の改札横にある売店のドアノブをジュラルミンケースで叩き壊した。 ドアを開け中に入り、冷蔵庫からスポーツドリンクを取り出して一気に飲み干した。 そして二本目の缶を手にして、狭い床に座り込んだ。 己の勘を信じて走って来たものの、当てがあるわけではなかった。 「ここまで来たけど…どうするかな、これから」 昼と夕方の二度の格闘で体力をかなり消耗していた。 「とりあえずどこか休める場所を探すか…」 この売店でも休めなくはないが、万が一誰かに見つかった場合、狭すぎて逃げ道がない。 もっと安全な場所を探すのが得策に思えた。 「もう一息ついたら行くか」 そう思い、手にした缶のプルタブを開け口に付けた時、外から複数の人間の足音が聞こえてきた。 規則正しい足音に、ガシャッ、ガシャッと鈍い金属音が重なって響く。 「――――軍隊か!?」 松岡は息を殺して壊れたドアノブの隙間からそっと外の様子を覗った。 そこには数人の兵隊と…武道館にいるはずの民生の姿があった。
「失礼します!」 後方から兵士の一人が敬礼をして民生に声をかけた。 「…何だ」 「携帯レーダーでこの付近に3人の選手がいる事がわかりましたので報告にあがりました」 兵士はそういうと民生の前にA4サイズのパネルモニターを差し出した。 飛鳥に支給されたレーダーとは比べ物にならない、高性能のレーダーだ。 音声や画像のモニタリングは出来ないが、感知した人物を特定できる優れものだ。 モニター上に4つの光が点滅している。赤い物は民生、黄色い物は参加選手を表していた。 「…この3人が誰か表示しろ」 「はっ」 兵士の指が黄色の光に順に触れていく。するとその横に選手の名前が表示された。 「YOSHIKI…シカオ…おや?松岡君はこのすぐ側にいるじゃないですか」 そう言うと民生は振り返り、駅の売店に視線を向けた。
(――――思いっきりバレとるやんけ!何やねんあのレーダー!反則やろ!) 松岡は焦り、息を呑んだ。 (俺の運も…ここまでか…くっそー!) まだaikoの敵討ちも済んでいない。シカオに謝罪だってしたかった。 何より陽水をこの手で倒そうと誓ったのに――――!! どうにかならないものか…考えてみたものの、名案は浮かんでこなかった。 民生はジッとこちらを見ている。 (やるしか…ないんか…!?) 飛び出していけばあっという間に兵士に撃たれ、身体は蜂の巣になってしまうだろう。 (やっぱここはカウンターを狙うしかないわな) 松岡はポケットに忍ばせたグロックとスタンガンを確認し、身構えた。 ここで死んだならば、自分はそこまでの選手だったと諦めるしかない。 「俺は音楽の世界に必要ない人間なんや!」 と、一度は声に出して叫んだ自分だ。覚悟は出来ている。 ただ、aikoとの約束を守りたい。だから…無駄とわかっても最後まで抗いたい。 (さあ…いつでも来やがれ!) 汗ばむ手をシャツで拭い、松岡は民生を睨みつけた。
ジッと売店を見つめていた民生は、踵を返し歩き出した。 「あの…そこに一人いますけど…手を下さなくてよろしいんですか?」 兵士の一人が驚いた声で民生に声をかけた。 「構わん。松岡君に今、手を出す気はない」 そう言うと民生はモニターがYOSHIKIの存在を示したデパートの方へと歩を進めた。 (…は?「今、手を出す気はない」やと?) 松岡は民生の言葉を聞いて緊張の糸が切れたのか、ガクッと崩れ落ちた。 そして安堵を感じると共に徐々に怒りが湧いてきた。 (俺を舐めてんのか!?それともビビって逃げたんか!?) 敵前逃亡とも取れる行動にムカついてキレそうになるのをグッと堪え、民生の後ろ姿を見送った。 どういう事なのか…いずれ対峙する時、民生は何をする気なのか? 「どうせロクな事考えちゃいないんだろうな」 民生達が遠く離れた事を確認すると、松岡はポツリと呟いた。 「…だったら先手必勝だな。こっちから行ってやるよ」 狙われているのはYOSHIKIとシカオ。まともに戦える装備など持っていないだろう。 「シカオさん達を助けるのも…罪滅ぼしの内やしな」 松岡はそう呟くと、荷物を抱えそっとドアを開けた。 そして周囲を確認し、民生が向かった入り口とは逆の、通用口がある方へと走り出した。
また一歩元ネタに追いつく瞬間が縮みました。
28 :
(´¬`) :02/03/02 13:42 ID:+RwNFzxB
ま、松っちゃんが・・・(;´Д`) つか、民夫・・・何考えてるんだろ・・・( ´-`)
29 :
ななし :02/03/02 22:08 ID:u7AMBvCV
松岡萌え
30 :
:02/03/03 00:21 ID:hZdTOUfF
なんか一気に松岡いい人なんですけど・・・。
あげ
32 :
:02/03/04 03:40 ID:TDg8t8Kk
前スレ999、なかなかすごいな。 おめでとう。 関係なしsage
前スレ1000おめです(藁 >1さん わざわざラウンジまで読みに逝かれたのですか・・・すごい ラウンジ板というのは何でもありな案内板?みたいな雑談所です ではまた
34 :
名無しのエリー :02/03/04 19:26 ID:gookGmpk
ageで・・・良いの? sage進行だっけ?
35 :
脳 :02/03/04 19:33 ID:NVe1seaW
一番目立たないねYOSHIKI・・ このまま・・・ヤラレちゃうのか?
36 :
:02/03/04 21:00 ID:ZR/fWSw5
つーかいきなりテル死んじゃうじゃない・・・・
37 :
1 :02/03/04 23:22 ID:LyKk5qmn
↓番外編其の三
【2日目・午前5時前後】デパート内 「しかし、こんなんで爆弾なんて作れるんかね?」 一緒に行動しているhydeが、YOSHIKIに頼まれた収集物の入った袋を覗き込みながら聞いて来る。 肩に掛けたマイクロウージーが単なる見せ掛けである事を知っている俺にとって、hydeは無力も同然に見えた。 「それより俺は、なんでYOSHIKIさんが爆弾の作り方なんて知ってんのかの方が気になるけどな。 それより急ごう。もうすぐここも立ち入り禁止区域だぞ」 言いながら、第四放送後、徐々に心を蝕み始めた考えを封じ込めようと努力する。 しかし同時に相手の隙を突こうと神経を尖らせている自分が存在している。 「えぇ、あと画用紙だけなんだよ。…あっちの方かな?あったあった」 無防備に背を向けたhydeの後頭部に、ブローニングの銃口を突き付けたのは…後者だった。 「え?な、なな何の冗談だよ、IZAMさん…」 「俺が冗談でこんな事するかどうか君にはわかるだろ?」 自分でも驚く程、冷たい口調で言葉が続く。 「君もYOSHIKIさんもあんまり人を信用しない方がいい。 まぁあっさりトップになれたラルクの君にはわからんか。」 自分自身にも隠していた醜い嫉妬心を吐露した事実に、僅かな戸惑いが生じた。 ----俺は…何をしようとしている? その葛藤を嘲笑うかのように、揺らりと現れた影が狂気をばら撒き始める。 そこに自分自身の狂気に似たモノを垣間見た為、一瞬、反応が遅れた。
「がっ!……」 突然、腹部に衝撃と熱を感じた。更に続けてもう一度。 衝撃で引き攣った指が引金を引き、ブローニングが弾を吐く。 しかしそれは方向違いの床で跳ね、近くのショーケースを割るだけに終わった。 倒れながらも睨み付けると、 吉井----吉井和哉はニヤリと歪んだ笑いを浮かべてボウガンの照準をhydeに移した。 「……っ」 肘を立て、霞みかけた視界の先を睨みながら、ブローニングを構える。 自分で撃とうとしていた相手を援護する…そんな馬鹿げた行動も別に矛盾しているとは思わなかった。 しかし援護しようにも指が痺れたように動かない。 ----駄目か…? 意識が遠退いた瞬間、銃声が聞こえた気がした…。 フワリと浮き上がる感覚を伴って意識が開ける。醒めた意識を襲ったのは、息苦しさと 耐え難い激痛。しかしこれは自分への…仲間を信じる事が出来なかった自分への罰なのだと思うと 不思議と冷静になれた。 見上げるとブローニングを構えたままhydeが硬直している。 そのhydeに気付かれないよう、最後の力を振り絞って腹部に突き刺さったニ本の矢を抜く。 ブツリと肉の捲れる音と、ゴポリと溢れ出た血の感触が生々しい。だが、それは確かに「生きている」 という感触でもあった。 「IZAMさん!大丈夫ですか!?」 ハッとした現実に返った表情で自分を覗き込むhydeの顔は…蒼白だった。
「…馬鹿だな……誰の心配してんの…?」 「でも…だってIZAMさん…」 「俺は……君が…羨ましかった…さっきも言ったっけな……」 腹部から止め処なく流れ出る血を塞き止めるように、hydeは傷口を抑えてくれる。 その手の隙間から零れる血…それは生命の流出そのものだという事に、どちらも気付いていた。 「もう喋っちゃ駄目だ!血が…血がこんなに…」 IZAMは力無く笑うと、hydeの手をそっと押し退ける。 矢を自ら抜き取ったのも…覚悟の上だ。「死んで詫びる」なんて古風なものではなく 一度でも疑心に駆られた自分に…せめて自分で終止符を打ちたかった。 「…でも俺には…撃てなかったな……吉井が…俺を撃ったのも…そのせい……」 hydeを撃つ事を躊躇したこの結果に後悔はなかった。しかし自分自身の生き様には悔いがあった。 まだやり残した事…置いて逝かねばならない家族の事、最期まで共に闘う道を放棄した事。 そして… 「……せめてもう一度…表舞台……出た……かっ……………」 最期の一息にまで言葉を重ねたIZAMは…漸く考える事から解放され、意識は暗転した。
↑前スレの>>347-
>>349 の焼き直し版なんですけれども
視点が違ってて面白いと思ったので番外編にしました。
えっ?続き?…これはいっぱいいっぱいの状態での苦し紛れな時間稼ぎです(ワラ
松岡がんばれー
松岡頑張れー
IZAM・・・妬いてたのね、hyタンに(ホロリ IZAM主観の方も凄く(・∀・)イイ!!
45 :
いんちき :02/03/05 13:11 ID:3XfTpAyb
age
【2日目・午後6時半】デパート通用口付近 松岡は走りながら、民生の吐いた言葉の意味を考えていた。 「『今、手を出す気はない』…って事は、俺は後回しな訳で…」 YOSHIKIやシカオ、もしかしたら生き残っている他の参加者よりも更に後、一番最後という意味かもしれない。 というか、何故参加者でもないのにわざわざフィールドに出て来て闘いに身を投じているのか? そこが一番わからない。狙いは一体何なのか? 「陽水の横で大人しくしてればいいのに、まったく………あ!」 陽水!?もしや…そうか、そうなのか!? 「なるほどねぇ…それで俺は後回しって訳か」 松岡は自覚していた。自分が陽水に気に入られている事を。 松岡にしてみれば別にどうでもいい事であったのだけれど、民生にとってはそうではないらしい。 寵愛を受けるのは自分一人でいい。民生の考えはそんなところだろう。 松岡自身は“ひいき”されたいとは思わない。 たまたま自分の音楽的な在り方が陽水に好意を寄せられただけであって… しかし民生は、自分以外に陽水の思い通りに動く人間がいるのが気に食わない。 自分よりも若く、精力的に活動できる松岡が邪魔でならないのだろう。 だからあの時『松岡君』と言ったのだろう。 敬遠の意を込めた君付けだったに相違ない。 陽水のお気に入りである『松岡充』を抹殺したいのだろう。 「…嫉妬深いんだよな、あの変態オヤジは」 そう呟きながら松岡は軽い目眩を覚えた。いい迷惑だ。勝手に嫉妬されて…冗談じゃない!!
「ん?でも俺を狙う理由は見当ついたけど…他の参加者を狙ってるのはなんでや?」 民生が「変態オヤジ」である事はわかった松岡にも、 さすがに他の参加者にまで手を下そうという民生の真意がわからなかった。 当然であろう。民生の愛情表現は、ひねくれ者の松岡の上を行くほど歪んだ物だったから…。 そんな風にグチャグチャと考え事をしながらも松岡は走り続けた。 そしてふと左前方を見やると…自分と同じ方向に向かって走る人影がいる事に気付いた。 「…あ!あれは――――」 松岡は人影が誰であるかを確認すると、走るのを止めた。 そしてその人影の方に向かって真っ直ぐに歩いて行った。 シカオはポリタンクを両手で抱えて走っていた。 中にはガソリンが入っている。YOSHIKIが調達してきて欲しいと頼んだものだ。 別に走って戻る必要はないのだろうけど 「足に怪我を負っているYOSHIKIさんを一人にしておくのは危険だ」 と判断した為、急いで戻らなければと走っているのだった。 そしてその最中、シカオは自分と同じ方向を目指して右前方から走り込んで来る人影を視界に捕らえた。 (――――松岡!!!) …あの武道館での争い以来、約二日ぶりの再会であった。 松岡もシカオの存在に気付いたのか、走るのを止めてこちらに向かってゆっくりと歩いて来た。 (こんな時に…よりによって一番厄介なヤツに出くわしてしまった…) シカオは心の中で舌打ちをした。そして、走るのを止めて松岡に視線を向けた。
不思議な事に、松岡からは闘いの意志を感じ取れなかった。 でもあの時もそうだった。何食わぬ顔で近づいてきて、いきなり攻撃されたのだ。 そのせいで、中居が…今だって何を考えているかわかったもんじゃあない。 (人を撃つのは嫌だけど…ここで殺られる訳にはいかない!) シカオはポリタンクを地面に置き、ベレッタを取り出し松岡に向けて構えた。 「松岡!それ以上近づくな!俺はお前を撃ちたくない!」 その言葉を聞いて松岡は立ち止まった。2人の距離は5mほどまで詰まっていた。 シカオは少し驚いた。絶対立ち止まらないと思っていたから。 そして松岡は更にシカオを驚かせる行動に出た。 持っていた荷物を一つずつシカオの方に放り投げて来たのだ。 デイパック、ジュラルミンケース、盾、そしてシャツを脱ぎ、防弾チョッキを脱いでそれも放り投げて来た。 さらにカーゴパンツのポケットからスタンガン、グロッグを取り出して 地面を滑らせるようにシカオの方へよこし、ポケットを全てひっくり返して見せた。 最後に腰に巻いていたベルトを取り、ポーンと放り投げた。 そして両手を挙げて…全面降伏の構えを見せた。 「…どういう事だ」シカオは困惑した声で松岡にたずねた。 「見ての通りです。俺はシカオさんを殺る気なんてない」 その言葉に、シカオはどう答えていいのか困った。 そんなシカオの目をしっかりと見据えて、松岡は言葉を続けた。 「他のヤツにはどうするかわからへんけど、シカオさんとその仲間にだけは手ぇ出さへん。約束する」 松岡の瞳は…いつになく真剣なものだった。
「なぜ…どうしてなんだ!?今更改心したとでも言うのか!?」 シカオは声を震わせながら叫んだ。 「…俺はミュージシャンや。音楽をする為にこの世界に入った。 殺し合いをする為に、歌手に、ミュージシャンになったんやない」 松岡は静かに、きっぱりとシカオに向かってそう言葉を投げかけた。 「それは…俺だって同じだ。俺だって音楽を愛するが故にこの世界に入ったんだ。 でもお前はこのゲームに乗ったじゃないか!中居君を…他の参加者にだって手をかけたんだろ!?」 「…その通りです。それは動かしがたい事実です。ヘタすりゃ俺が一番殺ってるはずです」 「そんな…そんなヤツの言う事を信用できると思うのか!?」 シカオの言う事はもっともだった。そう言われる事を松岡は覚悟していた。 「信用出来ないなら、今ここで俺を…その銃で撃ってください。 それで気が済むのなら…罪滅ぼしになるのなら、構いませんから」 その為に武器と防具を全てシカオの方に投げ渡したのだ。 どうしてもシカオに謝罪したかったから。断罪して欲しかったから。 (aikoちゃん、すまへんな。でもシカオさんに殺られるなら…仕方ないよな?) 松岡は心の中でそう呟いた。 志し半ばになったとしても、こればっかりは仕方がない。 aikoを殺めた時、あの時のシカオの気持ちがわかったような気がした。 でもそれを言い訳にする気はない。言い訳した所でシカオを傷つけた事実は変わらない。 そして多くの仲間を葬り去った事実は変わらないのだ。 (同じ立場になってやっと気付くなんて…俺も愚かやな) 松岡はそんな事を考えながら、穏やかに微笑んだ。
シカオはベレッタを松岡に向けたまま戸惑っていた。 松岡は信用出来ない。でも、あの瞳は嘘をついているようには見えない。 でもでも、ヤツは松岡だ。頭から信じると痛い目を見る…。 (どっちだ?どっちなんだ?嘘か真か…) 判断を間違うと、己の命が危ない。 YOSHIKIとの「陽水を討つ」という約束も果たせなくなる。 (俺は死ねないんだ…自分の為にも、逝ってしまった仲間の為にも!) 頭の中でいろんな思いがぐるぐると回り続けている。答えは…出て来ない。 ふと松岡の顔を見ると、今まで見た事もないほどの穏やかな表情で微笑んでいた。 (人に己の命の行方を委ねておいて…死ぬかもしれないのになぜそんな表情が…?何があったんだ!?) 何が松岡にこんな行動を取らせているのか?シカオはそれが知りたかった。 「…何があったんだ」 シカオは松岡に問い掛けた。 「別に…何もないですよ」 松岡はそっけなく答えた。 「何もないはずないだろう?そんな表情…今までのお前ならしないはずだ」 「…言い訳になるだけやから。言いたくないです」 「言い訳でもなんでもいい!何があったか答えろ!教えろ! 理由もないのに『撃ってくれ』なんて言葉、出て来ないだろう!?」 シカオはそう叫ぶと構えた腕を下ろし、松岡の目の前へと歩み寄った。 そしてポケットからメモ帳とペンを取り出し、松岡に突きつけた。
「…は?」 松岡は事態が飲み込めず、シカオの目を覗き込んだ。 シカオはああそうか、と呟き、メモ帳に文字を書き込んで松岡に見せた。 『会話は全て本部に筒抜けだ。どうせ話すとまずい内容なんだろう? だったらここに掻い摘んでで構わないから書いて説明してくれ』 松岡はそれを読み終えると、首を横に振った。 「松岡!教えろ!何があった!そして何がしたいんだ!」 その言葉を聞いた松岡は挙げていた両手を下ろし シカオの手からメモとペンを受け取って、何やら書き始めた。 「何があったかは言いたくないですけど、何がしたいかっていうんは…」 そう言いながら松岡は書き終えたメモをシカオに見せた。 『俺はこのゲームを終わらせる為に陽水さんを殺る。 でもその前にあなたに謝罪がしたかった。 俺が殺ったみんなにも、本当ならば謝罪がしたい。 でももうみんないないから、せめてあなたに謝りたかった。 陽水さんを殺った後、俺はもう一度音楽がしたい。 でもあなたに俺のした事を許してもらえないのなら、意味がない。 許されるなら、俺は陽水さんを殺りに行く。 駄目ならば、ここであなたの手で俺を殺して欲しい。償いの為に』
「…お前、同じ事考えていたのか」 シカオはメモを見ながら呟いた。 「…え?」 「ここだよ」 そう言うとシカオはペンで『陽水さんを殺る』という部分を丸く囲んだ。 「シカオさん…も?」 「正確には俺とYOSHIKIさんだ」 「YOSHIKIさん?何で?」 「同じだよ…音楽がしたいんだ。ただそれだけだよ」 シカオはそういって微笑んだ。そして足元に落ちていたベルトを拾い、松岡に手渡した。 「…シカオさん?」 「何があったかは、もういい。お前が同じ考えなのはわかったよ。 協力できるなら…その方がいいだろ。一人でやろうなんて無茶な事考えるなよ」 そういうとシカオは松岡が放り投げた物を拾い集め、松岡に身に着けるように促した。 松岡はただ黙ってシカオの事を見ていた。 シカオはそんな松岡に目もくれずに再びメモにペンを走らせていた。 そして書き終えると、松岡にそれを見せた。
『…許すとか許さないとか、もう済んでしまった事を今更言っても仕方がない。 今ここでお前を殺ったからって、みんなが生き返る訳じゃない。 せめて残った人間で、この馬鹿げたゲームを終わらせよう。そして…日本の音楽シーンを創り直そう』 「それがお前の償いだよ、松岡」 シカオはそう言って松岡に優しく微笑んだ。 「…シカオさん、おおきに」 松岡はそう言うのが精一杯だった。 「さあ、行こう。YOSHIKIさんが待ってるんだ。急がなきゃ」 「…あ!そうやった!YOSHIKIさんがヤバイ!」 松岡はハッと我に返り、声をあげた。 「え…どういう事なんだ?」 「民生がYOSHIKIさんを狙ってる」 「民生さん!?何で?」 「俺にもわかりません。ただ、あいつの最後のターゲットは…俺らしいんです」 そう言うと松岡は、先ほどの駅前での出来事をシカオに説明した。
「…そんなくだらない理由でわざわざ出て来たのか、あの人は!?」 元ユニコーンともあろう人が…シカオは絶句した。 「ただ何で他の参加者まで狙っているのかはわかりません。 とりあえずYOSHIKIさんが危ないから、急ぎましょう!」 松岡は急いで装備を整えながら、シカオにそう促した。 「そうだな…あ、松岡ちょっと待って」 シカオは走り出そうとした松岡を呼びとめた。 「お前…民生さんの息の根を止める自信、あるか?」 シカオは松岡の目を見据えてそう言った。 「…え?まあ…元々そのつもりではいたんですけど… シカオさん、いいんですか?俺がまた人を殺しちゃっても」 「身を守る為だし、あの人は仲間じゃない。この際仕方がない。お前には悪いけど、一番慣れてるのは…」 「まあ、そうですね。俺が殺るのがベストでしょう。でも、何でそんな事聞くんですか?」 松岡は訝しげにシカオにそうたずねた。 「ちょっと考えがあるんだ。お前には大変な思いをさせる事になるけど…」 そう言うとシカオは三度ペンを取りメモに文字を書き連ねた。 そして松岡にそれを読むように促した。
「…ああ、出来なくはないですよ。というか…やります、俺」 松岡はメモから目を上げると、シカオの目をじっと見据えてそう答えた。 「そうか。何かお前ばっかり頼っちゃって申し訳ないけど…」 「いや、これぐらいさせてください。この計画を成功させる事が…俺の償いなんでしょう?」 そう言って松岡はニッと笑った。 「悪いな。でもこれがベストだと思う。YOSHIKIさんには事後承諾になっちゃうけど… あ、そうだ!早くYOSHIKIさんを助けに行かなきゃ!」 そう言い終えるや否やシカオはポリタンクを取りに戻り抱え上げた。 「さ、行こうか!」 シカオはそう言ってデパートへと走り出した。 「民生のオッサンと総格やって、次は陽水さんとか…大仕事やな、俺」 そう呟いて松岡は軽く息をつくと、シカオの後を追って駆け出していった。
プ版をご存知の皆さん、今度真壁編を解禁します
57 :
SuperGirl :02/03/06 17:37 ID:2A09xLDO
更新おつかれです!
58 :
:02/03/06 17:41 ID:KaykUpGX
松岡とスガは…本当に仲間になったのか・・・
59 :
名無し :02/03/06 18:00 ID:C4DN+dZf
是非頑張って欲しいです、松岡サン!
60 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/06 18:09 ID:xKs7LTE1
YOSHIKIさん忘れ過ぎだYO!
61 :
名無しさん@お腹いっぱい。 :02/03/06 18:12 ID:xKs7LTE1
松岡頑張れー!っていうかメモになんて書いたのかきになるYO!
62 :
:02/03/06 20:21 ID:O1ecA08x
松岡、都合良すぎ。何人殺したんだよ。
松岡頑張れ。
ついにシカオちゃんと松っちゃんが合流。 でも、松っちゃん・・・なんか悪者になる気がしてならないが・・・
66 :
:02/03/08 18:06 ID:mybJQm/Y
ヒカルは?・・・まだ?・・・
桑田佳祐はプログラム開始以来街中を彷徨い続けていた。 遭遇したものを言えば昨日の夕方のバーでの吉井和哉と三木道三 あと昨日の朝公園で見かけた吉田拓郎の遺体だけだ。 拓郎に一声かけようとしたその瞬間に 彼が誰かを撃ってしまうところを目撃してしまう。 それを目の当たりにした桑田はその場から逃げ出したが 勇気を出して元の場所に戻ってきた時には既に拓郎は屍として地に伏していた。 余りにも無残な惨状を晒した拓郎の亡骸を前にし 桑田は絶望感や虚無感を感じずにはいられなかった。 その余韻が冷め遣らぬ間に立ち入り禁止エリアからの退出や 他の参加者から身を隠す為に各エリアを点々と移動させられる事となる。
↑↓番外編ね
そして今桑田はとある病院に隣接された駐車場に来ていた。 そこに駐車されていた高級外車のガラスを叩き割り、内部の座席に横たわっている。 エンジンは動かない様に細工されているらしい。随分と抜け目のない気の配りようだ。 (あの拓郎さんをあんな目に遭わせやがったのは一体誰なんだろう? あと桜井くん、それに松本も何処かでヤバイ目に遭ってなきゃいいんだが。) 時間が経つにつれ様々が想いが頭の中を複雑によぎっていく。 (何故こんなにも簡単に人間の命が奪われる状況が作られたのか?) そしてそんな誰もが幾度となく抱いてきた疑問を今更ながら蒸し返している。
それとなくラジオをつけてみるとビートルズの「A Day In The Life」が流れてきた。 (死ぬ前に聴く最後の曲としては不足はない。) 嫌というほど耳に刷り込まれた楽曲であったが不思議と新鮮だ。 (この曲のラストの部分、モロにパクったっけなぁ。) もしかすると助かるのではないだろうか、 と聴いている内に除々に錯覚し始めた。 確かにそう思わせる雰囲気がその曲にはあった。 何か不思議な力が奇跡を起こしてくれる気がしてならなかった。 ビートルズ、ストーンズ、ボブディラン、エルトンジョン、 ビリージョエル、ツェッペリン、クラプトン、ピストルズ…… 彼等がいたからこそ、世界にこんなにも音楽が豊かに存在しているという 今更ながらの当然な事実にすがりつきたがる桑田がいた。
桑田はふと物音を聴き取ると、今自分が不貞寝に暮れていた事に気づいた。 (……なんなんだ?誰か来やがったのか?) 身を少しばかり上げて自動車の窓から病院の正面付近を見てみると 見慣れない二人組みが小学生の如くはしゃいでいるのが目に付いた。 (あいつら…長渕剛と、あとキンキの片割れじゃねえか。 何しに来やがったんだ奴らは。陽水さんにでも呼ばれたのか?) ―――長渕剛。桑田にとっては色々と考えさせられる人物名だ。 桑田は長渕の曲が好きだった。そして今もそうである。 だが彼はAAAの様なイベントでも長渕の曲を歌う事は決してない。 そしてこのままいくと表舞台で長渕の曲を歌う事は一生ないだろう。 いつか桑田は長渕を侮蔑する曲を作った時があった。 その一見侮蔑の意がこもった曲は実際には長渕に対する敬いの意をこめたつもりだったのだ。 実際過去にも「吉田拓郎の唄」という題名の楽曲を発表していて 歌詞には“フォークソングのカス”などと拓郎を卑下するような言葉を書いていた。 が、拓郎自身はこの曲に込められた真の想いを察し、悪いようには言わなかった。 だが長渕の時は違った。長渕は桑田に対して徹底的に怒った。 その時桑田は初めて自分の歪んだ皮肉芸が人によっては通用しない場合があるのだと気づく。 謝ろうとしたが長渕からしたらもう遅かったらしい。 詫び状を書いた桑田だったが読んでもらう事もできず仕舞いであった。 ―――その内また仲直りしたい。 だがその後二人が必然的に絡む機会がなく、今日に至ったという訳だ。 (よりによってなんでまたあの二人がつるんでんだ?なんだか嫌なコトをやらかしそうだな。) そう感じた桑田は数時間前にGacktとhitomiの遺体から頂戴した二丁の銃を確認し おもむろに自動車のドアを開け、静かに外に出た。 「なんかわからんが気になるからな。尾行でもしてみるか。」 そう呟くと長渕と堂本が入っていった先を尾行すべく病院の中へと入っていった。
↓さらに番外編
「FUCK!!FUCKFUCK!FUCK!FUCK!!!!」 怒声が部屋中に響き渡る。 部屋中を包むいいようのない雰囲気、その中でモンゴル800の上江洌(うえず)清作は落ち着いていた。 いや、落ち着いていたというよりもむしろその気持ちは、、、諦めであった。 「やっぱりこいつらと一緒に行動するって言うのが間違いだったかぁ。」 上江洌は改めてリビングルーム、 いやかつてリビングルームと呼ばれていたであろう場所を見回した。 そこには怒りに任せて暴れまわるアメリカの新進ソロ・ミュージシャン、アンドリューW.K. ボーっとテレビを眺めるグリーンデイのベーシスト、マイク・ダーント 鼻歌交じりにランシドを聞いてる同じくグリーンデイのドラマー、トレ・クール そして、じっと静かにソファに腰掛けるグリーンデイのリーダー、 ビリー・ジョー・アームストロング いわゆる日本を出身とする人間から言わせれば「外国人」そう言われる人間が集まっていた。
あの男、エゴと自己顕示欲の塊にとっては国交の問題など眼中にないのであろう。 おそらくは思いつき(それも史上最悪な)によって俺の運命は大きく変えられた。 そして今、こいつらも俺と同じ境遇にいる、何も理解してないこいつらを 上江洌はほおっておくことができなかった。 そして上江洌自身わかっていた。 「俺一人じゃ生き残れるはずがないもんなぁ、役者が違いすぎるよ、、、」
それは誰にも知られる事も無く途中参加させられていた上江洌が 一人商店街のスポーツ店に潜んでるときだった。 「よーし、ここらへんでいいだろ」 聞き覚えのある声だった。 傲慢なる権力者の腰ぎんちゃく奥田民生その人であった。 それに続く数人の兵士と、、、そして上江洌は自分の目を疑った。 「グリーンデイの三人じゃねぇか!!…あともう一人知らないマッチョがいるな…。」 そこには兵士に担がれている、恐らく睡眠薬でも飲まされているのだろう四人の姿があった。 一体なぜ?あいつらなんの関係もないはずなのに、、、 しかしその疑問はあっさり解決した。 「まったく陽水も思いつきで好き勝手やるんだから溜まったもんじゃないよなぁ」 「どうせこいつらなんてただの数合わせなんだ、こんなもんでいいだろ」 民生は兵士に四人をそのへんに寝かせたままにしておくように命じた。 「しかしもう支給の武器がありませんが、、、」 「あそこに汚ねぇ駄菓子屋があるだろうが」 民生の向く方向には古ぼけた駄菓子屋がポツンとたっていた。 「そっから銀ダマ鉄砲でも爆竹でも良いからとっとと持ってこい」
今まで感じたことのない感情だった。 怒りを越える感情、、、殺意 その会話を聞いたときの上江洌は初めて本気で人を殺したいと思った。 「人のことなんだと思ってんだ、クソ野郎」 しかし上江洌には実行に移すだけの勇気が足らなかった。 「あいつらのことどうにかしなくちゃ、このままじゃ殺されちまう。」 上江洌は兵士がいなくなるのを見計らってすぐに四人のところに駆けつけた。 それからは思ったよりも順調に事が進んだ。 四人とも近くにあった自動販売機から手に入れたコーラを頭からかけたら目が覚めたし、 本屋にいって辞書を片手に軽く説明したら自分に付いて来てくれると言ったし、 一時的な隠れ場所に最適な一軒家を見つけたし、落ち着いて話すこともできた。 どうやらグリーンデイの三人は来年(2002年)の日本公演のリハのために来ていたらしい。 それは都合がいい。何しろ上江洌が所属するモンパチは彼らの日本公演の前座を務める予定だったのだ。 そしてもう一人の外人の正体は最近米国でデビューした話題のアンドリューW.K.らしかった。 グリーンデイの参加に関しては偶然日本を訪れていたところを捕獲されたという事で説明がつくが 彼、アンドリューW.K.に至っては強制参加させられた理由がどうもわからない。 ただ、暴力的なイメージを持つ彼のデビューアルバムのジャケットが イギリスで厳しい目を向けられていた、という事実が存在するので 理不尽な井上陽水に「そんなバカには制裁だ、制裁!」という具合に目を付けられたのかもしれない。 片言の英語と日本語を交えながらの説明だった。 どうやら四人とも何も知らなかったようだった、殺されるためにいたようなものだ。 勿論だが四人とも最初は全く話を信じなかった。 しかし上江洌に支給された武器であるDesert Eagleを見た時、四人の表情が固まった。 そして話が一段落した時だった、アンドリューW.K.が切れてしまった。 「FUCK!!FUCKFUCK!FUCK!FUCK!!!!」 今もまだ暴れ続けている。
何も考えたくなかった。 テレビから流れてくる無機質な雑音と映像 この国のテレビプログラムになんか興味あるはずなく チャンネルを変えるためにテレビを見る、正にそんな感じだった。 「What the fuck am I doing now.(一体何やってんだ俺は。)」 そう独りごちた時だった、テレビからけたたましい歓声が流れてきた。 アメリカのロックスター、キッドロックのプロモーション映像だった。 会場にはまだ小学生くらいであろう子供たち、家族連れ、若い男女の団体、 自分の両親くらいであろうカップル、みな星条旗を掲げながら一様に歓喜し、絶叫し、興奮してる。 自由と娯楽に満ちた世界のアメリカ、正に自分の一番望んでた風景だった。 そう、自分は自身のプレイを見てくれる人達からの声援が欲しくてミュージシャンになったのだ。 そのために辛いバッシングにも耐え、言葉の壁にも耐え、歯を食いしばって今の位置まで来たのだ。 それが何をどう間違えたのか、今俺は殺し合いのステージに上がっている。 悔しかった、自分の運命を弄ばれていることが。 「We won't die this fuckin' country!! We gonna go back America!! We can make it!! (俺たちゃこんなクソッタレな国じゃ死なねぇ!!俺たちゃアメリカに帰るんだ!!俺達ならやれるさ!!) 」 俺は全力で叫んだ。
「I can't believe him.(こいつだけは信用できねぇ)」 ビリー・ジョーの目はじっとアンドリューW.K.に向けられていた。 マイクの雄たけびを聞いてからビリー・ジョーはいくらかの落ち着きを取り戻した。 それから少し頭の中を整理してみた。 自分達は最後の一人になるまで殺し合いをしなければいけない。 だが俺にそんな気はない。勿論こいつらもだろう。 それならみんな一緒に逃げようって事で落ち着いた。 ただし、一つ腑に落ちないことがある。アンドリューW.K.、こいつが暴れすぎてる。 この調子じゃ勢い余って俺達にまで危害を加えそうだ。それにさっきからあいつとは一言もしゃべってねぇ。 第一あいつはコカイン中毒の疑いまで掛けられてるような野郎だ。そんな人間信用できるはずがねぇ。 マイクとトレはキッチンへ料理をしに行ったし、上江洌は便所に行った、 だから今俺はこいつのこと見張ってなくちゃいけねぇ。 ビリー・ジョーとアンドリューW.K.の間に長い沈黙が続いた。
今のマイクに迷いはなかった。 生きてカリフォルニアの土を踏んでやるという信念がある。 そして今の俺には協力してくれる仲間がいる、それが何より嬉しかった。 トレと一緒に料理をしようとキッチンに来たものの冷蔵庫の中にはロクな物が入ってなかった。 「Hey Tle, Can you cook?(トレ、お前料理できるのか?)」 振り返ったとき思わずマイクは吹き出してしまった。 そこにはフリフリの赤いエプロンをまとうマイクの姿があった。 大笑いしてしまった。久しぶりだった、こんなに笑うのは。 嬉しかった、こんな悲惨な状況でも素直に笑うことができたことが。 得意気におどけてみよう、マイクはそう思った。 「Using what meal material are you going to cooking? (一体どんな食材使って料理する気なんだよ?)」 「You.(おまえだ)」 マイクの目には出刃包丁を振り上げるトレの姿が映った。
こんな最低な料理を食べたのは初めてだった。 そしてこんなに血を流したのも初めてだった。 薄れゆく意識の中ビリー・ジョーは故郷であるカリフォルニアの風景を思い出していた。 一面に広がるとうもろこし畑、決して豊かではないが暖かかった家族(親父以外)のぬくもり。 そして初めて日本に着たときの事。 何もわからない状態から一緒に頑張ってきた幼なじみのバンド仲間。 その仲間の一人を食べてしまった。 それに気づくと同時に背中から受けた刃物による激痛、罪悪感を感じるヒマも無かった。 誰かが泣いてる、、、アンドリューW.K.だ、俺を助けてくれた男。 トレが包丁を持ってるのにも関わらず高速の速さでトレに殴りかかってくれた。 自分が一番疑ってた男が自分を助けてくれた、そして今俺のために泣いてくれている。 アンドリューW.K.が俺に語り掛ける 「Do you forget? We'll go back America. (忘れたのか?俺たちはアメリカに帰るって約束したろ。)」 自分がもうダメなのはよくわかっている。 だからこそ何かをアンドリューW.K.に伝えたかった。 自分の体の中に残るわずかな力を振り絞って喋ろうとした時 突然の発砲音がそれを遮った。 「…ど、どんとむ〜ぶ…どんとむ〜ぶ、、、」 ビリー・ジョーが最後に見た物は銃を構える上江洌の姿だった。
「どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう」 上江洌はパニックに陥っていた。 トイレから戻ってきた上江洌が見た光景はまさに地獄と言えるものだった。 脳天から包丁を生やしたトレ、血の池で泳いでいるビリー、 でっかい鍋からのぞくマイクの物と思われる頭蓋骨、 そして、、、 全身真っ赤に血にまみれた「どうしよう、どうしよう、どうしよう、どうしよう」 上江洌はパニックに陥っていた。アンドリューW.K.の姿だった。 「Calm down Uezu.(落ち着くんだウエズ)」 何を言っているかわからなかった。 「He tried to kill us.(トレが俺たちのことを殺そうとしてたんだ)」 何を言っているかわからなかった。 「He is about to die, help him.(ビリーが死にかけてるんだ、助けてやってくれ)」 何を言っているかわからなかった。 「It's OK, give me your gun.(大丈夫だから銃を渡すんだ)」 何を言っているかわからなかった。 バンッ 部屋を静寂が包むのは意外なほど早かった。
「撃っちまったかぁ。」 玄関の影で桜井和寿は独り呟いた。 桜井はアンドリューW.K.が何を言っていたのかわかっていた。 そしてそれを理解できなかった上江洌の気持ちもわかっていた。 「まったく、言葉の壁ってのは厄介だな。」 仕事でアメリカに渡った時のことを桜井は思い出していた。 「さくらいさぁ〜ん」 (しまった気づかれた!) とっさに桜井は銃に手を伸ばした。 「さくらいさぁ〜ん、おれひところしちゃいましたぁ〜」 上江洌は顔中を涙と鼻水と返り血でぐちゃぐちゃにしながら桜井に近づいてきた。 「大丈夫か、君。」 「このてでひところしいちゃいましたぁ〜」 「落ち着けよ、しょうがなかったんだろ?」 「おれもういやです。」 そう言うと上江洌は右手に握ったデザートイーグルをゆっくりと自分の頭に当てた。 「いままでありがとうございました、さくらいさん」 桜井は上江洌の死体を一瞥してつぶやいた。 「バカヤロウが」 上江洌の死体からデザートイーグルを取り上げた。
↑【2日目・午後8時頃】一軒家
84 :
:02/03/09 14:54 ID:nDqQZgkL
モンパチ・・・ いいとこないじゃん(;´Д`)
85 :
1 ◆FOpuHkuA :02/03/09 14:55 ID:nWf2EDmS
86 :
1 ◆FOpuHkuA :02/03/09 14:56 ID:nWf2EDmS
>>85 二行目
×ここがなければ桜井のデザートイーグル入手が説明されている箇所ですし
○ここは桜井のデザートイーグル入手が説明されている箇所ですし
87 :
1 ◆FOpuHkuA :02/03/09 15:04 ID:nWf2EDmS
88 :
shining :02/03/09 15:12 ID:LenR+bdo
板違いだが モンパチの歌詞「ラッタッタ〜」っていうの 曲名は? P.S.2ちゃんねる攻略マガジソ買った
89 :
スマパソ好き :02/03/10 01:28 ID:jHRcSv8H
おお〜緑の日ですか!!もし他のきゃ羅いれるとしたら スリップノット→今度の来日公演に来たところを仮面にキレた用水に拉致される ジェームスブラウン&チャックベリー→これまた来日公演のチケット代が高すぎるためキレた用水に拉致される ビリー→なかなか新曲を出さないのが待ちきれなくてキレた用水がシカゴまで逝き拉致 イハ→ナヨイ男は嫌いな用水がビームス原宿店でメリッサごと拉致(ちょっと古いか) ああ・・・オレも洋楽版やりてぇなぁ・・・もちっと文才あれば、トホホ
90 :
名無し :
02/03/10 01:36 ID:DTWbzjEZ