ただ肌に伝う温もりだけを辿って　村田信也

予告もなく浮かびあがる　深層意識のドグマ
目を閉じても浮かびあがる　絶対不変のロジック

それでも　愛が狂って疲れきった世界で

ただ肌に伝うとても小さな温もりだけを辿って
モノクロの景色に真っ赤な花びらを描こう　一ひら

　−真っ赤な花−　　ＰＩＥＲＲＯＴ

乾いた地上に優しく救いの雨が降るまで
今はせめてそこに咲いていて

聖なるこの夜に祝福の幻想は
叶わぬ願いまでも描いてくれるだろうか
眩く輝いた光の波に君を
闇から抜け出して連れ去ってしまえたなら

聖なるこの夜に祝福の幻想が
一夜の白い雪と共に消えていくとき
眩く輝いた光の波に君を
もう迷うこともなく連れ去ってしまえるのだろう

−ＣＯＣＯＯＮ−　　ＰＩＥＲＲＯＴ

終わらない虚しさを抱えて明日を
かろうじて迎えるのだとして
見ようともしなかった僅かな光を
失くせないと感じ始めるとき

深く閉ざす闇にサルビアが咲き乱れて
何も言えぬ二人を静かに包んだ
凍りついた空に響き渡る鐘の音よ
絡み付く悲しみを今だけ掻き消して

−サルビア−　　Ｐｉｅｒｒｏｔ

サルビア？　　　　　　　　

漆黒の闇に咲き乱れる冬のサルビア
項羽と虞美人の最期の夜

最期の夜

風の中、巡り会う愛しき雛罌粟の花