「Another Side of Bob Dylan」 人気ありませんね、こいつは。特に80年代以降から Dylan を聴き始めた人には きついかもしれません。1曲1曲の完成度が原因だと思います。(以前、New Album の話題で、しっかりした人に Produce して欲しいという意見が多かったので、そ う思ったのですが) はっきり言ってしまえば、 「 Demo Tape だと思って聴け!」 そう思うと一挙に、この Album の凄さに圧倒されること請け合いです。「宝石の 原石」が散りばめられています。それを磨いて「商品としての宝石」にするのは、 他人であっても、後の Dylan であっても構わないじゃありませんか?多分,この頃 の Dylan は「商品としての宝石」にはあまり関心が無かったんじゃないかな・・ 僕は、そこに Dylan の価値を見出します。溢れんばかりの言葉の洪水(歌詞だけ では言い足りないので裏ジャケットいっぱいに詩を書く・・これが Tarantula に つながっていくのですが)、詩人ランボー Rimbaud を彷彿させます。学生の頃、 Dylan もランボーのように、突然音楽を辞めてしまうのではないかと不安と期待 がありましたが、今はこうやって「続けて」いる姿をみると力づけられます。 この Album は Dylan の Another Side ではなく、まさしく All I Really Want To Do であり、younger than that now なのだと思います。