1. Everybody's On The Run 目覚めるようなオープニングトラック。偉大なジョージ・ハリスンの"All Things Must Pass" を思い起こさせるほど桁外れに自然で、高揚するバッキング・ボーカルと劇的な広がりを見せ心を揺さぶるようなストリングスを伴う。 全体を通してノエルは必死に情熱的に歌い、聴く者の周りをじっくりと飛び交うようなメロディ。ブリッジはクラシック・ロックな感じで、ストリングスは強化され、アコースティックギターは圧倒し、最後の大サビに導く。 徐々に曲はゆっくり流れ、丘の上に独りノエルを残しタイトルが歌われる。圧倒されるほど素晴らしい曲。
2. Dream On エアロスミスのカバーではない。初聴ではとんでもないシンガロングソングという印象。 軽快で、活発にかき鳴らされるアコースティックによってビートは弾む。よりアグレッシブな(ノエルが歌う)She's Electricという感じで、しわがれた声で、新しい種類の魅力をもたらす。 中盤ではブラスが支配し、ニューオーリンズ行きのトランペットがソロを奏る。 "Dream on/ shout it out to me," とドラムとブラスが鳴る最後のサビでノエルは嘆願し、ロックなファンファーレを終わらせるためにエレクトリックギターが唯一鳴り響く。
3. If I Had A Gun リークされたサウンドチェック中のデモがインターネットに登場して以来、多くの関心はスタジオでレコーディングされたものに集まった、結果は失望するようなものではない。 アコースティックとボーカル、Wonderwallのような始まりで、モダンロックのスタンダードになる可能性を秘めている。 ノエルのボーカルはエモーショナルだが感傷過ぎることはない。ブリッジとソロ部分は感動的でアコースティックギターとストリングスが重なる。 また2重、3重のノエルのハーモニーは忘れがたくも脆く、聴く者を打ちのめす。この曲上では容易に勝者になる。
4. The Death Of You And Me "High Flying Birds" からのファーストシングル。ノエルの優しいファルセットに導かれカポが付けられたアコースティックはすでにおなじみだ。 全体的にゆっくりとしたムードで、70年代のKinksぽく、"High time, summer in the city/ kids are looking pretty/ but isn't it a pity in the sunshine."と憂鬱にノエルは歌う。そしてもちろん、彼は最後の言葉 "sunshiiiiine." を皮肉を込めて引き出す。 "The Importance Of Being Idle" にそっくりなほど似ている一方、次第にこの曲独自の流れを取る、ニューオーリンズスタイルのブラスが忍び寄り違った味をだし、重くのしかかる。
5. (I Wanna Live In A Dream In My) Record Machine 愛らしくも素晴らしい曲。アコースティックギターとフィル・スペクターのようなジングルスティック(すず棒)の上に、ノエルは彼自身が十代のころに神に捧げたかもしれない交響曲のように歌い始める。 ベースとエレクトリックが始まり、ダブルトラックされたノエルのボーカルがとてつもないスケールになる。 そして突き刺さるようなサビでは大きくかつ太くタイトルを歌い、ストリングスが鳴り響く。それはウォール・オブ・サウンドへのオマージュなのか、否か、音速で広がり、彼の声が出なくなる前に、ゆっくり喉は開く、無我夢中な感じだ。 しばらくして、穏やかなブレイクをはさみ、曲は壮大なギャロップ(2拍子?)の中に消えていく。飼いならすことができないポニーがここにいる。
6. AKA... What A Life! 4つ打ちのビートが絶え間なくロックにドライブする。ノエルはシニカルに辛辣に、世界に疲れたように歌い、強調されたサビで再び"liiiiiiife."と最後の言葉を放つ。 つんざくようなギターはヴァースとコーラス(サビ)部分をつなぎ、正真正銘のギターソロが終盤に突発的に始まる。最後に引き延ばされたヴァースが不気味な調子で曲を終わらせるが、リスナーが息をはずませて待つ以上のものが残されている。
Noel Gallagher's High Flying Birds は2011年10月17日リリース(アメリカは11月8日)