BEADY EYE 8

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fm20110812r1.html
Andy Bell glad to finally bring Beady Eye to Japan

「地震と津波が発生したとき、僕達はツアー中でニュースをずっと見てたよ」
ベルはジャパンタイムズに話した。「それで日本ツアーがあったけど、
行けなくなるかもしれないって知ってね。日本は 素晴らしいところだし、
僕達も日本でプレーするのが大好きなんだ。オアシスとしても何回も、
10回くらい行ったし。だからただツアーをキャンセルして、チケットの払い戻して
ハイ終わりなんて正しくないと思った」
比類なきフロントマンであるリアムギャラガー率いるビーディ・アイは、
可能な限りの支援をするために動いた。4月3日にロンドン・ブリクストンで
開催された日本災害支援ショーに出演したあと 、 ウェブ限定でビートルズの
"Across the Universe"のカバーをリリースし、収益金をイギリス赤十字の
日本津波支援募金に寄付した。

「出来る限り、いいギグにしたかった。全て関連のあることなんだ。
カバーすることについては一致してて、丁度いいタイミングだった。
まったくあわただしい一週間だったよ。僕らのバンドは日本が大好きだからね。
日本の土地も日本人も愛してる。彼らのことをよく知ってるし、彼らも僕らを
よく知ってる。僕らも地震を経験したし、けっして世界のどこかで起きた
出来事なんかじゃないんだよ」

長年の喧嘩騒動ののち、ついにオアシスは2009年の9月に内部分裂した。
それはイギリスのVフェスをリアムの喉頭炎でキャンセルした3日後のことだった。
パリの楽屋で起きた兄弟喧嘩が原因だ。ノエルはいち早く辛辣な声明を発表した。
「バンドメンバーのサポートと理解の欠如」に対する嘆き 、リアムの「言葉による
激しい脅迫」に関して、「自分達を一番良く知っているからこそ、最悪な状態のまま
放置している」ベルについての怒り等々。不和となった理由はひとつではなかった。

「ああ、とにかく驚かされたよ」
オアシスのいざこざが新たな局面を迎えることについて聞かれた ベルは答えた。
「一番ショックだったのは、僕らがコケるのを期待する奴らがいたってことだな」
皮肉気な笑いを吐き出すようにしてベルが言う。
バンドをイギリスの頂点に導いた楽曲を書いたノエルなしでオアシスを続けると
いったニュースに、一部のプレスは眉をあげ、他ははっきり嘲笑を示した。
あえて尋ねた。
「ああ、もちろん何故かはわかってるよ」仕向けるような質問に、彼はわずかに
怒ったようだ。 「ノエルがオアシスを去ったからって、残った奴らがすることなすこと
完全無欠じゃなくちゃいけないってことがあるかよ？全く驚きだよ。リアムに、僕に、
ゲムに、クリスだろ。なんでダメになるなんてことがあるんだ。
僕らは同じバンドだった。リアムはボーカルだぜ！」

さらにつっこまれて、ベルはノエルのプレス操作技術について彼の理論を述べた。
「ノエルが全てのインタビューを受けて、いつも彼の目線で語ってた」
ベルは冷静ないつものトー ンに戻って言う。
「ノエルはバンドメンバーについて彼独自の意見をもっていたけど、それは
バンド全体のために良かっ たわけじゃない。全ては彼の意見であって、
僕らは一言も言ってない。世間はこの十年、まるでノエルの言葉にオアシスが
集約されているかのように考えてた。
僕らのことについて答えを出してく れるのがノエル1人であるかのように。
リアムはしっかりした見方をもってるし、今ちゃんと意見できてる」

タイミング的に、このインタビューは、ちょうどノエルがロンドンの会見で
ソロプロジェクトを発表した2日後にあたる。ノエルはその会見で、リアムが
喉頭炎だと偽り、オアシスに対してアパレルブランドのPGについて不合理な
要求をしたと訴えており、それが喧嘩の発端だったと主張している。
ベルは会見を見ましたか？
「ああ見たよ」
どう思いました？
「くだらない」ベルが気色ばんで言う。
「ノエルは沢山の嘘をついてる。PGに関する議論なんて嘘だ。Vフェスのことも
喉頭炎が仮病ってことも嘘だ」しかし彼は突然はぐらかした。
「知らないよ。ノエルにとってはそれが真実なんだろうから。僕には彼の頭ん中で
何がどうなってるかなんて知らないね。彼のことはよく知ってるから失望もしないよ。
それがノエルだからね。彼のプレスを操る術も知ってるし、彼は長年そうしてきた。
僕らの代理人であるインタビューや記事、それが彼　の　人　生　なんだろ」

ノエルが記者会見で、ベルに対して物申す部分がありましたね。
「ノエルだから」とりつく島もないようにベルが言う。
「全くもってクソ…、部屋には僕ら3人がいたけど、それがPGのことじゃなかったって
ことだけは 確かだよ。僕はこれ以上火に油を注ぐようなことを言うつもりはない。
ただ言えることは、バンドはリアムとゲムとクリスと、同じマネージメントとクルーが
残って終わったってことだけだよ」
彼は沈黙し、明るく続けた。
「でもノエルの幸運を祈ってるし、彼には幸せになってほしいと思ってる」

ビーディ・アイの構想はパリでの騒動の直後にもちあがった。創立メンバーである
ボーンヘッドとギグジーに替わって1999年にオアシスに加入したベルとアーチ ャーは
オアシスの熱烈な支持者であり、リアムと一緒にバンドを組むことは疑いようがなかった。

「僕らは車でホテルに戻って、数本ビールを開けて、座り込んで僕らが一緒にプレー
しなくなるなんてありえない、ノエルが去ったからって終わりじゃないって話し合った」
とりあえずオアシスとしてやっていけると思った？
「それについては考えない。後ろは振り返らないよ」ベルは答える。

立ち止まりたくない気持ちから、イギリスへ帰って一週間も経たないうちにデモテープを
つくりは じめた。いくつか曲ができあがって、2010年3月にスティーブ.Lがプロデュースする
新バンド、ビーディ・アイが発表された。
「アルバムを作ったあと、僕らはちょっと息をついて、さあ困難な状況だけど、皆気に入って
くれるかな？って立場にいたわけ。グラスゴーのギグで初めてステージに出て、とにかく
ホッとしたし興奮した。全然問題ないってわかったから。
誰もオアシスのTシャツを着ていたりしなかったし、オアシスの曲を叫ぶ奴もいなかった。
ビーディ･アイの曲が好きで歌ってくれるファンがいた」

そのギグは、長年オアシスでなじみのあったサイズの会場からすれば小さな会場だったが、
（「もちろん僕らがそんな箱でやれるレベルじゃないって知ってたよ」）勝利を確信させてくれた。
初心に帰るかのように、直接耳に響いてくる歓声。彼らなりに満足のいく結果を見せてくれた。
リアムはとくに、私の意見だが、いつもよりいい感じで歌っているようにみえる。

「リアムは曲と完全に繋がってるんだ。最初から全ての曲がリアムの声ありきだから。
まず、声がさきにあって、彼が音の前提条件なんだ。僕らは彼を条件に曲を書く。
リアムが設計図。だから彼は曲をすんなり歌えるんだ」

過去についてあれこれ言いつつ、兄の監視がなくなったリアムとビーデｨ・アイは
まだ満足したわけではない。

「リアムは幸せそうに見えるし、僕ら全員ハッピーだ。オアシスでももちろん幸せだったし、
素晴らしい10年間だった。でも僕らは今までよりもっともっと良い演奏をしていくつもりだ。
ビーディ・アイは皆一緒に楽しんでロックンロールしてるバンドだよ」

おわり