各アーティストの全アルバムレビュースレ Part2
9 :
名盤さん:
Oasisの本格的なレビューは意外となかったので、やります。
・1st オアシス(ディフィニティー・メイビー)
誰もが名盤と認める、労働者階級のロックスター成り上がり物語ベストセラー。
オアシスというバンドは成り立ちやその他いろいろを加味すると、間違いなく初期衝動がもっとも大切なバンド。
であるからして、このアルバムは1stにして全てがそろうマスターピース。
・・・と言われることが多いが、はたして本当にそうかは微妙なところ。
確かにメロディーと歌詞の壮大さ=眉毛栄光度は全アルバム中最高だけれど、サウンドプロダクションはお世辞にも巧みとは言えない。
ライドや初期ローゼズなどの悪影響か、ノエルのギターサウンド塗り固めグセが酷く、けっこう聞いてておなかいっぱいになる。
そのつたなさも初期衝動といえばそれまでだけど、緻密なポップソング集としては決してキャリア最高とは言えない。ゲロドラムはけっこう好きだけど。
しかしながら、このアルバムを聞かずしてオアシスを語れないということ自体は間違いない。これを聞いてみんなも不老不死のロックスターを目指そう!
・2nd モーニング・グローリー
誰もが名盤と(ry
絶対にこのアルバムはキャリアハイ。今後オアシスはこれを越えられないだろうし、このアルバムを越えられる新人もそう出てこないだろう。
1stとは違い、音の抜き加減を覚えたアレンジはどの曲も秀逸で、適度なインストも交えて壮大に、かつ、押しつけがましくなくアルバムは進行。
すべての曲が名曲。一家に一枚。
10 :
名盤さん:2008/12/03(水) 19:30:13 ID:xiv8/39H
70年代80年代のバンドのレビューが見たいッス。
キャラヴァン、ハスカー・ドゥ、ブラック・フラッグ、イーグルスあたり希望
11 :
名盤さん:2008/12/03(水) 19:33:11 ID:Wop5PkVM
・3rd ビィ・ヒア・ナウ
でかいスタジアムでギターを鳴らし続けた後遺症か、1st以上にギターが物凄いことになってる3rd。
シューゲイザーよりもノイズロックよりも重い歪みなんじゃないかと思うような部分もチラホラあり、これを許容できるかがこのアルバムの評価の分かれ目。
一曲一曲も長く、オアシスなりの多少実験的なアルバムだったことは間違いない。サイケを目指そうとした側面もあるが、お世辞にもサイケとは違うものである。
ノエルはどうしようもないゴミだったとしているが、リアムはけっこうこの作品に好意的。
アレンジはかなりキツめなものになっているが、メロディー自体は悪くない。むしろ前2作に次ぐメロディー。
賛否両論のアルバム。個人的にはサウンドが重すぎてほとんど聞かないw
・ザ・マスタープラン
B面集。一部シングル収録ものとちょっと違うアレンジの曲もある。
B面とはいえ悪くない。聞ける。ブックオフで絶賛投げ売りされているので見つけたら買ってもいいです。
・4th スタンディング・オン・ザ・ショルダー・オブ・ジャイアンツ
オアシスキャリア屈指の駄作と言われる一枚。3rdのギターが占めていた比重を色々と他にも置き換えてみた感じ。サイケ度は3rdよりも上。
たぶんこれを受け入れられる人は1stや3rdがかなり好きなんじゃないかと思う。逆に6thと7thはあまり好まないのでは?
またしても音を重ねまくっているが、一応サイケデリック感は出せている。しかしメロディーは3rdのほうが上かな。
私的には3rdよりは聞く。
12 :
名盤さん:2008/12/03(水) 19:45:50 ID:Wop5PkVM
・5th ヒーザン・ケミストリー
現メンバーである新加入のゲムとアンデイも曲を作るようになった。リアムの曲も複数収録。
バンドであることを前面に打ち出し、3rdや4thよりは2nd志向。実験性よりも演奏で勝負な感じ。
全体として曲の粒がそろっていて、ポストモーニンググローリーといったらこのアルバムのような気もする。
ただ、特に目新しいものもないのは確か。アクは弱いが聞ける。
・6th ドント・ビリーヴ・ザ・トゥルース
2nd以降ではメディアに初めて好意的に受け入れられた一枚。
変化したのはリズムとギター。ギターはかなり自重するようになり、リズムは今までのようなピストルズとローゼズ、ライド由来のものではなく、
ビートルズやキンクス、ラーズのようなブルース色の強いものへと変化。おそらくここがメディアのお眼鏡にかかったのだろう。
たぶんアメリカ志向の音楽が好きな人にはむしろ5thのほうがマシに感じられるような気がする。
逆にブラーとかが好きな方にはかなり好意的に受け止められるのではないか。ディープ・パープルやクイーンではなく、ザ・フーやツェッペリンが好きな人に薦めたい。
派手ではないが私的には一番飽きないアルバム。
・7th ディグ・アウト・ユア・ソウル
またしてもメディアには好意的に受け止められた一枚。前作でのリズムの変化を生かし、さらに骨太なリズムへと路線を変更。
ホワイトストライプスの匂いがするようなブルースロックな楽曲と、昔のロックンロールスターとかをサイケにしたような楽曲が並ぶ。
ギターは6thとは違い、サイケ色がやや強いが、3rd4thのような気持ち悪いものではない。佳作だと思う。
13 :
名盤さん:2008/12/03(水) 19:54:51 ID:Wop5PkVM
・総評
とりあえずモーニング・グローリーを聞いて、そこから他にいく、というのが普通すぎるけれど一番良いと思います。
よく言われるのが、オアシスは「1stと2ndだけで、あとは尻すぼみ」という意見だけれど、個人的にはそうは思わない。
良質なポップソング集という意味でなら、1stよりも5thや6thのほうが上のように思う。実はそこそこアルバムごとに変化(劣化も含め)してるバンド。
たぶん「2nd=1st>>>その他」っていう論調は4thのころに一番言われていたから、メディアに踊らされてそのまま定着してしまったんだろうなぁ。