Some Great Reward(1984) 最初のシングルこそサード路線を引き継ぎ、人類愛について説いたが 次シングルではSMに例えて普遍的な不平等を歌い、続くシングルでは キリスト教非難、と物議を醸した1枚。ノイバウテンやエイドリアン シャーウッドとの親交によりサウンドは鋭角に、マーティンは女装、 アランはモヒカンに。最も尖ったDM。ヨーロッパでの人気を確実に。 代表曲:People are People, Master and Servant
Black Celebration(1985) デジタルリバーブの霞に浮かぶ退廃的世界観。マーティン・ゴアという 一人格の完成。アナログA面はデイブよりも、マーティンボーカル曲が 多いという異常事態。鋭角さは陰を潜めたが、DM以外の誰にも作れない サウンドを極めた、初期〜中期のマスターピース。デイブの金髪という 黒歴史もこの頃。 代表曲:Stripped, A Question of Time, A Question of Lust
Music For The Masses(1987) それまで頑なに拒否していたギターを大きくフィーチャーし、サウンドも オーガニックに。先鋭性を好むファンは離れたが、大きく成長した文学性 高い歌詞と、アントン・コービンによる短編映画のようなPVで、 Xジェネレーションの支持を得る。米でアルバム/ライブアーティストと しての評価を確立。 代表曲:Never Let Me Down Again, Behind The Wheel
Violator(1990) 最高傑作。ギターを弾き始めたマーティンの音楽的嗜好変化が大きく 反映され、サウンド面ではデモを簡素にした分、アランのアレンジ要素が 増え、作曲・サウンド構築の分業化が極まった。ギター、アナログ、 デジタルの絶妙な調合。 代表曲:Personal Jesus, Enjoy The Silence
Songs of Faith and Devotion(1993) 前作で明らかにひとつの頂点に到達したDMが選択した新たな道。 激しいノイズの中からヘヴィーなギターリフに導かれ生ドラムが響く中、 長髪髭面のデイブが叫ぶオープニングは、前作とは全くの別バンド。 しかし、このサウンドで全米全英初登場1位という大成功を収めてしまった のは幸か不幸か。神ではなく悪魔が味方したDM。 代表曲:I Feel You, Walking in My Shoes
Ultra(1997) 大成功で得たものは富と名声ではなく、多大な疲労とメンバー不和だった。 デイブの自殺未遂と心停止、そしてアランの脱退。DMの大ファンという プロデューサー、ティム・シムノンはアランのサウンド意匠を引き継いだ 音作りを試み好意的に受け入れられたが、逆にアラン不在が際立っている。 佳曲揃いだが前作からのリハビリ色強し。この年はツアーなし。 代表作:Barrel of a Gun, It's No Good, Home
Playing The Angel(2004) 前回マーティンがソロを出した後Violatorという傑作が生まれたが、今回は メンバー全員がソロ活動を経た後、やはり傑作誕生。 楽曲、サウンド、歌、全てにおいてDM以外の何者であろうともしない、 自信に溢れたサウンド。デイブが25年目にして初めて3曲を提供、全く 違和感がないのもグループの結束の高さの現れか。 代表作:Precious, A Pain That I'm Used To