813 :
名盤さん:
大衆性を絶対的に拒絶する方法は何か?
それは「沈黙」することだ。
沈黙こそ、大衆が最も恐れるものだからだ。
大衆は祭のような騒々しさこそ好む。
ところで、沈黙とは「表現をしないこと」である。
しかし、芸術は何かを「表現する」行為だ。
ゆえに、沈黙と芸術はそのベクトルを相互に真逆にもつ。
つまり、沈黙とは芸術の否定にほかならない。
であるならば、大衆性を否定する孤高のアーティストの
行き着く先は、芸術という自己の誇りの否定であろう。
この意味で、孤高のアーティストは大衆に"二度殺される"のだ。
そういう宿命との格闘を孤高のアーティストは強いられる。
彼らのはかなさはこの宿命と共に在る。