評論したいときに評論するスレ

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342でんぷん:01/11/05 17:11 ID:cEbfZh0X
>>338

Los Lobos

なんと73年結成。当初は、ジミ・ヘンドリックスやクリーム
などのカバーがレパートリーの本格的なブルース・ロック・
バンドだったそうで。それが、フェアポート・コンベンショ
ンなどの影響により、しだいにメキシカン・ルーツ・ミュー
ジックを指向するようになり、テックス・メックス、カント
リー、R&B、ブルース、ロックン・ロールなどをレパート
リーとするボーダーレスなバンドへと変貌をとげていった。
イーストLAのチカノ・コミュニティに住み、身近でメキシコ
音楽に触れてきたとはいえ、彼らの無国籍な音楽性は長い時
間をかけて熟成されてきたわけですね。
そして1stが出たのは83年と10年後(^^;。翌年の2nd”How
Will The Wolf Survive?”でローリング・ストーン誌の年間
最優秀アルバムを受賞し、世界の注目を集めるも通受けに留
まる。それが87年の映画「ラ・バンバ」のサントラが大ヒッ
トし、彼らの演奏するタイトル曲も、全米ナンバー1となる。
同年の"By the Light of the Moon"はカラッとしたR&Rアルバ
ムだったが、メジャーになった彼らの野心は次の"La Pistola
y El Corazon"に表れ、この作品の収録曲は、ほとんどがメ
キシコの古いトラッド・ナンバーで、それをメキシコの古い
民族楽器を用いることで、現代に甦らせた作品だった。
94年には、ロス・ロボスのソングライター・コンビ、ルーイ
・ペレスとデヴィッド・イダルゴが、ラテン・プレイボーイ
ズというプロジェクトによる画期的なアルバムを発表。当時
の人気プロデューサー&エンジニア・コンビ、ミッチェル・
フルームとチャド・ブレイクが参加し、最新の録音技術を駆
使して、世界中から録音して来た音楽の上に意図的に古いPA
による再録音を重ね、独自の音響を製作したもの。
96年に先の2人のプロデュースにより再びバンド・サウンド
でポップに仕上げたのが傑作の評価も高い"Colossal Head"。
ザラザラしたローファイのようで緻密に計算された斬新なサ
ウンドが以後数作の彼らの特徴になる。最新作の"Del Este
de Los Angeles"では改めてエスニック色の強いサウンドで、
彼らが未だ挑戦を続けている事を感じさせます。私は彼らの
カントリー色強いR&Rが好きですけどね(^^;。
343でんぷん:01/11/05 17:19 ID:cEbfZh0X
>>339
これは、評論ですね。はい。
論旨には別に文句ないけど、1に、パクリと一言で
言ってもいろんなケースがあるわけで、結局は元曲
への思い入れだと思います。松本さんにも彼なりの
思い入れはあるんでしょうが、洋楽リスナーは更に
それを上回るわけでしょう。元がどーでもいー曲な
らパクられても気にならないものです。
2に、結局はネタで煽ってるわけですから、2chに期
待するのも程々にと。
344名盤さん:01/11/05 17:25 ID:TAmTpfCa
ドアーズって既出?
345でんぷん:01/11/05 17:32 ID:cEbfZh0X
>>237

King Crimson

長いので通常のバイオは省きます。

頭のネジがゆるんでる、とかはずれてる人、という時には
大抵その人のマイペースぶりを良くも悪くも肯定する意味
で使われる事が多いのだけど、失くしたネジをいつまでも
探して苦悩する芥川龍之介やロバート・フリップのような
人種も確かに存在する。それを自分の事だと認める人が少
ないだけであって。

とりあえず、69年のクリムゾンの1stがビートルズのアビ
ー・ロードを蹴落として1位になったという話は近年のフ
リップの「そんな話は初めて聞いた」という発言があり、
調べた所デマだったそうだ。フリップに関してはこのよう
な底の浅い話がたくさんある。少ないデータを想像で埋め
るのは古来からのマスコミの常套手段だが、そういう意味
で渋谷陽一がロック雑誌を作ろうと思った昔から、何も変
わってはいない。あるラジオでクリムゾン特集、として、
難しそうな解説を並べた挙句、それでは聞いてみましょう
と言って10分前後の大曲2曲、「太陽と戦慄I」と「スター
レス&バイブルブラック」のそれぞれ冒頭30秒だけを流し
た。聞いた人はイントロとも言えないそれらを聞いて環境
音楽だと思っただろう。その後、何事もなかったように番
組が進行した事を考えればDJが曲を知らなかった事は明白
で、これが「ディシプリン」の出た80年の事。この頃はラ
ジオでかかるだけまだましだったと言わねばならないのが
実情だ。
クリムゾンが時代の先端を行っていた、というよりは、行
こうとしたというべきであり、実際には彼らの音楽は常に
何らかの時代の音を反映している。逆に言えばクリエイテ
ィブな核がフリップにあったわけではない。多くのアーテ
ィストがやるように、彼もいろいろ組み合わせる中から自
分の音を探しただけの事。1stは当時のアートロックが基
盤にあるし、その後はフリー・ジャズやフュージョンを取
り入れていたわけで、時代の音が違うだけで音楽的な折衷
という意味では後のパンク・ニューウェーブと方法的な違
いはないと思う。ただクリムゾンは音楽至上主義で、思想
を重視したわけではないけど。歌詞についてはピート・シ
ンフィールドに任せっ切りだったわけで。ちなみに「ディ
シプリン」がニューウェーブ、「スラック」がオルタナを
意識している事も否定できまい。
346でんぷん:01/11/05 17:32 ID:cEbfZh0X
(続き)
フリップ個人としては、彼がクラッシックのヴァイオリニ
ストとして将来を期待されていたにも関わらずギタリスト
に転向し、それを留めようとした教師の前でパガニーニー
の難曲をギターで易々と弾きこなして見せたという、つま
りはクラッシックの深い素養を持った秀才であり、野心家
であり、それに釣り合うものをロックに求めてバンドを指
揮し、作曲し、演奏し、それ以外の全てにツバを吐き掛け
て来たということ。クリムゾンはEGレーベルと高率の印税
契約を結んでいたが、その事もあって、73年からのバンド
はノーギャラでツアーをしていたという。彼にとって音楽
が何だったかを端的に示していると思う。

フリップは今DGMの経営者なので、今のクリムゾンは経営
破綻とバンド放棄の2つの縁の真ん中にいる事で成立して
いる。願わくば儲け主義とか言われつつもバンドにとって
望ましい状態が維持されん事を。
347通りすがりのゴスオタ:01/11/05 17:34 ID:RBxj7Zlj
>>340
一応、名前だけなら殆ど知ってるけど、これってヨーロッパの
マイナーなゴシック系だよね。多分、AMAZON.DEやFRでしか手
に入らないはず。
348工員31号:01/11/05 17:37 ID:M/4qVRGI
ゴススレッドのneco氏なら評論できるかな。>>340番さん
349参加してみますよ:01/11/05 21:37 ID:RaUTzOT/
338です。
ロスロボス、大変勉強になりました。どうもありがとうです。
以外と作品少ないんですね。”How Will The Wolf Survive?”てのは、
狼のジャケのですかね?ならこないだ見かけたので買ってみます。
ていうか、ミッチェル&チャドがロスロボスのメンバだと思ってた所から
勘違いでした。とーほほ。
今後も楽しくロムってます。また何かの折にはよろしくお願いしますです。

ちなみに先のミッチェル&チャド関連作品ではdan zanesのCOOL DOWN TIMEが
1番好きです今んとこ。地味なんだけどロンセクスミスより好きかもです。
これ以降この人作品出してるんでしょうか。誰か知ってたらお願いしますです。
350名盤さん:01/11/06 12:49 ID:tZFRzfTV
良スレにつき、上げます。
351neco.:01/11/06 13:18 ID:rCILMwDP
なんか指名されてるw
>>340
しらねーよこんなやつら。
Mila Marはシングル1枚ジャケットだけ知ってるけど。
あとなんか東欧系っぽいのが入ってるみたいだけど、
90年代以降のゴスは、無視。
あと、名前からして、ボディ系っぽいのもいそうだけど、
もっとしらん。
すっげー適当なレス。
352neco.:01/11/06 13:25 ID:il93z6xS
追記:
本来なら、ゴスDJを極めるために
サーチエンジンにかけてみたり、
店に電話したりするべきなのだが、

今、ハロモニのヴィデオ・チェック(新曲の振り付け覚えんのと、ピヨーン星人のmpegキャプチャ)で

忙しいから、4流ゴスなんぞにかまってられん。ごめんな。
353でんぷん:01/11/06 15:12 ID:wiu3o+Tk
>>286
Woody Guthrie

ちょっと前のハンク・ウィリアムズより更に古い人。

ディランが大学を中退してN.Y.へ出てきた時、最初にやったこと
はコーヒー・ハウスへの出演を頼み込むことと、入院中の尊敬す
るウディ・ガスリーを見舞いに行くことだったという。ディラン
は1st.アルバムで「ウディ・ガスリーに捧げる」という曲を残し
ている程のウディ・ガスリーの信奉者だった。
1912年生まれのこの白人フォーク・シンガーは、1920年後半には
活動していたそうで、40年代くらいからレコーディングもしてい
るようですがよくわかりません(^^;。彼の曲の非常にシンプルな
コード展開は単調ながら疾走感があり、呟くようなボーカルを力
強く押し出しています。穏やかそうでいて、挑みかかって来るよ
うな。黒人のフォーク・シンガーであるレッドベリーとも交流が
深く、彼の曲をカヴァーしたり、影響でアコースティック・ブル
ースも歌っています。ちなみに「2コード以上つかう奴は、テク
ニックをひけらかしたいだけだ」との彼の言葉があるそうで。

「This Land is Your Land」や「The Grand Coulee Dam」等、様
々な歌を作った人ですが、特に政治的なメッセージを歌う"プロ
テスト・ソング"の第一人者として有名だし、個人的にはスタイ
ンペック『怒りの葡萄』について歌っている64年"Dust Bowl Ba
llads"が後のBruce Springsteen"Ghost Of Tom Joad"やCAMELの
"Dust and Dream"と並んで印象深いです。
67年ニューヨーク州クウィーンで死去。息子のアーロ・ガスリー
もフォーク・シンガーです。
354でんぷん:01/11/06 15:17 ID:wiu3o+Tk
>351,352
お呼びだてしてすみません(^^;。
ゴスも底が深いんやね。
355でんぷん:01/11/06 15:32 ID:wiu3o+Tk
>>349
えっと。Dan Zanes and Friends 名義で
"Rocket Ship Beach"というのが2000年に
出ています。シェリル・クロウが一曲ゲ
スト参加とか。
356参加してみますよ:01/11/06 20:50 ID:09an15En
>>355
あう素早い。ありがとうございますです。探してみます。
関係ないけどJamesからティム・ブースが脱退するんですね。ショック。
357でんぷん:01/11/07 17:55 ID:JbWBRrwf
>>286

BOB DYLAN

私ゃローテクなんで、侍さんが以前レビューした分の過去ログを覗け
なかったんで(^^;。まぁやるだけやります。

ボブ・ディラン(本名:ロバート・アレン・ジィンママン)1941年生まれ。
8歳でピアノ、10歳でギターを手にする。彼にとっての最初のアイドル
はカントリー・シンガーのハンク・ウィリアムズ>>332。59年にミネソ
タ州立大学に入った頃、ウディ・ガスリー>>353の自叙伝「BOUND FOR
GLORY」を読み感銘を受け名前をイギリスの詩人ディラン・トーマスに
あやかり、ボブ・ディランを名乗る。(後に法律上でも改名した)。
61年に大学を中退した彼はウディ・ガスリーに逢うためにニューヨーク
に出てくる。ブルース歌手ジョン・リー・フッカーの前座、ハーモニカ
・プレイヤーをしてレコーディングへの参加などを経て、ジョン・ハモ
ンドに認められ、CBSと契約。62年1st。その後、プロテスト・ソン
グを書き始める。63年「フリーホイーリン」が当時の公民権運動の高ま
る中で、インテリ層を中心に売れ、ゴールド・ディスクを獲得。PPMが
カヴァーした「風に吹かれて」「くよくよするなよ」は日本でもヒット
し、ディランの名は知られるようになる。

プロテスト・ソングを強く打ち出した64年「時代は変る」の後のツアー
でビートルズやローリング・ストーンズに出会いロックンロールに刺激
を受け、同年わずか1日でレコーディングされた「アナザー・サイド・
オブ・ボブ・ディラン」をリリース。このアルバムでの傾向を受け65年
"Bring It All Back Home"でエレキ・スタイルを取り入れる。6月には
「ライク・ア・ローリング・ストーン」を録音。7月にニューポート・
フォーク・フェスティバルで、初めてエレキギターを手にステージに現
れると、観客から大きな非難の声と罵声を浴びる。
しかし一般的な評価は高まり、その後"Hightway 61 Revisited"、66年
には"Blonde On Blonde"と重要なアルバムを発表。

66年7月29日、ディランはバイク事故で重症を負い、それから約2年の間
表舞台から姿を消す。その間、彼はツアーのバック・バンドだったザ・
ホークスのメンバーとウッド・ストックの北東、ウェスト・ソーガティ
ーズのビッグ・ピンクという倉庫を借り、6月から10月まで、世間がサ
イケデリックな熱に浮かされたサマー・オヴ・ラヴの間じゅう、彼らは
家庭用のテープレコーダーに膨大な数の (100曲とも150曲ともいわれる)
曲を録音した。R&R、R&B、カントリーなどアメリカ南部的な音を軸にと
らえたもので、このテープは早くからミュージシャン達の間でブートレ
グとして広まり、そのアメリカン・ルーツの根源を見つめる姿勢がその
後の音楽シーンの流れに多大な影響を及ぼすことになる。これが後に正
規で出される「地下室」"THE BASEMENT TAPE`S"と呼ばれる音源。68年
にはこの時のホークスがザ・バンドと改名し、同じ場所で録音した「ミ
ュージック・フロム・ビッグ・ピンク」でデビューしている。
358でんぷん:01/11/07 17:56 ID:JbWBRrwf
(続き)
バイオここまで。ディランに音楽性を語るのに重要と思える部分を書き
出しましたが、アメリカン・ロックを考える上で、ケルト・ミュージッ
クとの繋がり、プレスリーのデビューと彼の受けたバッシング、そして
エレキ・スタイルでのディランへのバッシング、この三つを避けて通れ
ないんですけど。英国のフェアポート・コンベンションなんかも関わっ
てきたりますが。それで何が見えてくるのかというと、"伝説"というも
のの薄っぺらさですね。ディランについて言えば、初期の彼の評価を支
えたのはいわゆる"通ぶっているインテリ層"だったわけで、それが後の
バッシングに繋がるわけですが、ディラン自身は初期からずっと、ブル
ースを始めとするルーツ・ミュージックからR&Rまでを視野に置いていた。
しかし、"ディランについて語る人達"がもたらす情報というのは、"フォ
ーク"の神様としての彼でしかない。彼らの口からは、あたかもトラッド
・フォークとブルース、R&Rは明確な壁で隔てられたかのように語られる
けれども、そうなると彼のボーカル・スタイルが英国トラディショナル
とはかけ離れている事の説明がつかない、それをディランのオリジナリ
ティだと言ってしまう愚かさ、というものが、傍目にはあったんですね。
ジャンルの壁を超える、という事を評論家はたいそう大袈裟に言うけれ
ども、調べれば調べるほど、そう言ってる本人つまりはリスナーが偏狭
なんであって、ミュージシャンは元からずっと柔軟だと思えます。

ディランのフォロワーは、ザ・バンドやザ・バーズを始めとして、トム
・ペティ、ルー・リード、トム・ヴァーレイン、マーク・ノップラーと
多彩な顔触れが揃うわけで、ただ共通点として、皆さん、時代に迎合せ
ずに音楽をやってる。形から入らない人達ですな。ルー・リードはイン
タビューで、ディランの最高傑作はこれから作られるんだと述べたそう
です。自分の最高傑作はNEXT ONEだと答えたチャップリンを思い出しま
すが、それだけ信頼されてるんですね。まぁ私もいざとなれば弾き語り
で歌える人を信じるし、新作で評価できるアーティストで居て欲しいです。
359名盤さん:01/11/07 18:04 ID:APxatm2v
360でんぷん:01/11/07 20:26 ID:3mVp//6D
>359
ありがとうございます。
侍さんも変わったような気がしたが、改めて昔のログ
見てみると、やっぱ変わってないねー(^^;)。変わった
のは2chのほうかも。
361香月 ルイルイ ◆8n1OgTtY :01/11/07 23:17 ID:sxh/loXn
トニ好き。
362でんぷん:01/11/08 08:25 ID:1VDbc2mI
トニ・ブラクストンかな。
363でんぷん:01/11/08 14:22 ID:1VDbc2mI
>>286

BECK

デビュー・シングル「ルーザー」が94年なんだけど、
これがグランジに対する揺れ戻しと、一方で、ます
ます米のロック・シーンがオルタナ化していく後押
しとの両方の影響があった。彼の方法は直接まねる
のは難しいけど、サンプリング世代にとって、新た
な領域を拡大したのは確かだと思う。
彼の音楽の嗜好自体が、かなり渋く通好みで、ディ
ランの話とも繋がってくるけど、本来はひたすら純
化する事で価値を認められ、ポピュラー化すると評
価されないものなんですね。ブルースなりカントリ
ーなりR&Bなり、サイケもかな。
で、そういう渋くてなんぼの物を思い切り実験に放
り込む。それをなんらかの思想の裏づけでやるとい
うより、職人的なセンスの追究としてやってるとこ。
これは白人としては稀有な才能ですね。先にサンプ
リング世代と書きましたが、黒人の方がこういうセ
ンスは発達してるような気がします。そういう才能
にとっては彼が露払いの役割を果たしたかも。
ちなみに普通に白人がやるとAONやエニグマというと
ころか。
364名盤さん:01/11/08 18:36 ID:3HBR+cmf
ハンクウィリアムズ、ガスリー、ディラン、ベック
の評論どうもありがとうございました。
ベックからだんだん先祖がえりして聞き始めたんです。
今度はずばりアメリカンロックについてお願いします。
365どうぞ:01/11/08 23:39 ID:3HBR+cmf
366でんぷん:01/11/09 16:49 ID:GhxSrP8L
>>287

KANSAS

74年デビュー。このバンドは緻密な大曲を構成する
上では頂点に立つわけではないが、タイトなハード
ロックを演奏するという点では強烈なポテンシャル
を持っている。そういう意味では、無意味に変な曲
を作らないという意味での才能がある。
目立ったソロを取らない代わりに、Robbie Steinha
rdtのヴァイオリンは直線的なリフを補強する楽器
として威力を発揮するし、Kerry Livgrenがギター
とキーボードを巧みに使い分けて場面によりバンド
がツイン・ギターやツイン・キーボードになるのも
同様。6人という大編成のバンドの真の見せ場はラ
イブであり、ドラムのPhil Ehartはテクニカルな曲
もハードなブルーズも同じテンションでドライブさ
せる。そのわかり易さから4th"Leftoverture"が代表
とされるが、実質1stから6作目のライブ盤まで駄作
はない。
その後、AOR的な曲が増えて行くのは時代だろうか、
その為にテンションが落ちて行き、80'sは混迷。
86年にスティーブ・モーズをギターに迎えてハード
ロック・バンドとしてのテンションは復活するが、
真にプログレハード復活と言えるのは95年"Freaks
of Nature"で、ここでは"David Ragsdale"のヴァイ
オリン、というかカントリー色を考えればフィドル
じゃねーかと思うが、が縦横に活躍している。
ただ、その後Robbie Steinhardtが復帰して彼は脱
退。オケとの共演ライブ盤で話題になるも、バンド
の方向はどうなるのか? という所で、2000年になっ
て、83年以降退いていたKerry Livgrenの全曲提供と
いう"Somewhere to Elsewhere"が発表される。これ
が70'sに匹敵するテンションに漲り、その勢いで行
われた来日公演も素晴らしいものだった。しかし、
そのステージにKerry Livgrenは居ず、今後の方向性
には不安もあるのが現状。
367ドミノ:01/11/09 16:57 ID:vJkdQFri
カンサスのアルバム2枚だけ持ってる
「永遠の序曲」と「ポイントオブノウリターン」
368287:01/11/09 20:10 ID:MxnFb5aE
>366
ありがとうございます。
なんせ割とマイナーなバンドですから情報みつからなかったんです。
早速ライブ盤(Two For The Show ?)でも買ってこようかと。
369名盤さん:01/11/10 05:03 ID:sj6mVsuV
talkinghead と REM お願いします。
370でんぷん:01/11/10 23:15 ID:FtuyRR5T
>>290

喜多郎

70年代初頭、ファー・イースト・ファミリー・バンドに参加。
グループ解散後の78年、『天界』にてソロ・デビュー。80年
には彼が担当した人気ドキュメンタリー番組『シルクロード』
のテーマ・ソングが日本中で大反響を巻き起こす。その後、
アメリカはゲフィン・レコードと全世界独占契約を結び、ビ
ルボード誌ニューエイジ・アルバム部門において8週連続第
1位という大記録を打ち立てる。そして01年には、『シンク
・オブ・ユー』で見事、第43回グラミー賞最優秀ニューエイ
ジ・アルバム賞に輝いた。
私はプログレッシャーなんで「15少女漂流記」という映画
の主題歌でジョン・アンダーソンと共演したのが記憶に残っ
てますが。何にせよ、かなりシンプルな構造で同じ事をずっ
とやってるわけで、好きな人はそれでいいが、そうでない人
においてはどーでもいい存在でしょう。私としてはずっと聞
いてられる音色・曲ではありません。音楽に何らかの主張を
求める人には向かないのではないかな。逆に没我を主張して
ると言ってもいいけど。しかしまぁ、そう言う聞き方は世間
にはずっと多いと言われても否定はしない。

姫神

こちらはずっと明確な構造を持った音楽で東洋的な旋律では
喜多郎と共通するとは言っても、ずっとリアリティなりバリ
エーションなりを考えて作ってますね。日本の音頭的なリズ
ムについては共通したこだわりを感じるけど、そこのところ
に80's的な軽妙なセンスを取り入れてるのが個性でしょう。
平たく言えばポップ。
371でんぷん:01/11/12 01:12 ID:cp9ARHAx
>>290

Enigma
エニグマは、サンドラ(元アラベスク)「マリア・マグダレーナ」
(85年)やヒューバート・カー「エンジェル07」(85年)などのヒ
ット曲を手掛けた敏腕プロデューサー、マイケル・クレトゥのソロ
・プロジェクト。90年1st「サッドネス」はグレゴリアン聖歌にアン
ビエント、ダンス・フロア・サウンド、そして初期アラン・パーソ
ンズやピンク・フロイドなどプログレッシヴ・ロックからの影響を
融合、その後、94年「ザ・クロス・オブ・チェンジズ」、96年「エ
ニグマIII」。

Deep Forest
94年1st「アフリカン・コーリング」は、テクノロジーを駆使して綿
密に作り上げられたバックトラックに、アフリカン・ヴォイスやピ
グミー族の歌声をサンプリング。そして95年の「ボエム」では、ケル
ト/台湾/ルーマニア/そしてジプシーの民族音楽までを取り込み、
彼らなりの解釈で現代に焼き直した。

Adiemus
元ソフトマシーンのカール・ジェンキンスとマイク・ラトリッジ、
女性ボーカルのミリアム・ストックリーによるユニット。95年1stは
日本国内だけで100万枚以上のヒット。97年2nd。98年3rd。

総論、但し全部私見による憶測(^^;)。

Enigmaが考えていたのは新種のアンビエント・ハウスで、いわゆる、
家内制手工業で音を継ぎ接ぎして出来上がり、というインスタント
な作りでないものを目指した、そこでプログレなんか参考にして、
シンフォニックなものを作る過程で、グレゴリアン聖歌を入れると
いう発想も出てきたのではないかと思う。ある意味、ハウス本来の
センスとは違う、コンテンポラリーなポップス的なアレンジがされ
ている。それはサンプリングをうまく使いこなすという面で確かな
成果を上げているが、ヒーリングとして受け入れられた事を逆に考
えればダンス・ミュージックとしては実は機能していない。

Deep Forestはずっとテクノよりの発想で作られていて、つまりは本
家サンプリング世代の音。但し、Enigmaの良い面、つまり、一般受
けを狙えば金を掛けても元が取れる、という視点を受け継ぎ、徹底
してこの方法を掘り下げている点で優れている。緻密なアレンジ・
センスは見事だし、ダンス・ミュージックとしてもちゃんと機能す
るが、Enigmaと違うのは手段が目的化していること。

Adiemus
ヒーリングのブームに乗っかった音だが、新しいことは別段してい
ない、近代音楽の流れから今風に仕上げただけの音楽。つまりエス
ニック取り入れたイージー・リスニングです。正攻法の作曲ができ
る人が、こういう音楽なら飯が食えるんとちゃうかと思って作って
みましたという印象。新しいダンス・ミュージックを作るとか、サ
ンプリングをいかに生音と組み合わせるかとかの苦労は最初から考
えてないししてないが、そういう意味でのハッタリがないのは長所
でもある。

つまり、ヒーリングという居場所に収まってはいるが、本来はそれ
ぞれロック、テクノ、現代音楽、と異なる畑から出ているのでその
手法の差を聞き分けることができます。
372坂口憲二乃 ルイルイ ◆8n1OgTtY :01/11/12 01:36 ID:aD+9ni4/
8歳でピアノとギターって遅いね。
でも、世界的に神様呼ばわりされてんだから、やっぱ才能って生まれつきのものなのか?
と思った。
努力してもなかなか売れない人も要るのにね。
373でんぷん:01/11/12 17:41 ID:sD/627FX
>>306

Dave Matthews Band

91年、ヴァージニア州のシャーロッツビルで結成。
93年にファースト・アルバム「リメンバー・トゥ・シン
グス」をリリース。94年「アンダー・ザ・テーブル&ド
リーミング」は400万枚の売り上げを記録した。96年の
「CRASH」でビルボード・アルバム・チャートに初
登場2位。さらに1998年「ビフォー・ジーズ・クラウデ
ッド・ストリート」はビルボード・アルバム・チャート
に初登場1位。1999年秋までに1500万枚以上のアルバム
を売り上げ、アメリカでもっとも成功したツアー・バン
ドとなった。2000年のサマー・ツアーでは170万人以上
を動員。6万人の会場が1時間半でチケット売り切れだ
という話です。
新譜の「エブリデイ」ではキャッチーになったかな、
というか、どの道、このバンドの作る曲は、アメリカ
ン・ロックの一言で割り切れない奥行きがあって、そ
んなとっつき易くはないです。メロウなバラードにい
い曲があって、そこから入るとすんなり行くんですが、
JAMBANDとしての彼らはカントリーやらジャズやらファ
ンクやらがごちゃごちゃと混じっててつかみどころが
ない。それらを叩き出すリズム隊が濃ゆいんだけど、
スタジオ盤だと大味にしか聞こえないなぁ(^^;。
ボーカルとギターがまたダレていて、声質はいいんだ
けど、節回しが実にかったるくて眠い(^^;。てなわけ
で相当粘っこくて沈みそうなグルーブが大きく大きく
うねりだすと、いつ終わるとも知れないジャム・セッ
ションが渦巻き始めて、聴くものを絡めとって押し流
して行くんですね。日本じゃ売れないのもわかる気が
するな(^^;。
374でんぷん:01/11/13 19:14 ID:AXqdx0R0
>>328

Third Eye Blind

94年にサンフランシスコで結成。4人中、Vo/GのStephan Jenkins
を含むメンバー3人がカリフォルニア大学バークレー校を卒業。
作曲から電子メール、ビデオ編集に至るまで Mac を使ってこなし
ているという事で、頭良さそうな人達ですね。音もいかにもハード
ディスク・レコーディングって雰囲気だし。97年1stが全米で400万
枚のヒット、シングル・ヒットも連発。99年2nd"BLUE"を発表。
バンドの中心はStephanと、スカ・パンクをやってたというギター
のKevin Cadogan。バンドが割とウエットな渋めの音なのに、彼の
作るメロディーがぐいぐいとポジティブな方向へ歌を導いて行く、
独特のキャッチーさを持ってます。
Stephanの曲はバンドによく合っているし歌もよくはまっている。
でも、このバンドの個性になっている曲はKevin主導。この人がい
ないと普通のバンドになってしまう。いい曲を作る方が、バンド
からちょっと浮いてるというのは、よく分裂の種になりますが、
このバンドも2nd発表後Kevinが抜けたそうで。ある種の化学変化
が起こっていたわけですから、その後の展開は楽観できないでし
ょうな。自分としては、ライブと、それから、ちゃんとしたプロ
デューサー使ってレコーディングしたものを聞いてみたいです。
375でんぷん:01/11/14 17:41 ID:adDZqrWa
>>344

THE DOORS

彼らはデビュー時大学生で、10代でデビューしたビー
トルズや高校をドロップアウトしたジェリー・ガルシ
アによるグレイトフル・デッドなどと違って、音楽で
飯を食う事での葛藤があった。バンド名はオカルト/
ドラッグ関連では有名なオルダス・ハックスレイの著
書『知覚の扉』から取られていて、ジム・モリスンの
歌詞の文学性も伊達じゃない。1stの1曲目で歌われる
"Break on through to the other side !"「反対側に
突き抜けるんだ!」というシャウトには当時の先鋭的
な、そして60'sの幻想を多分に含んだメッセージが込
められている。「ジ・エンド」、「無名の戦士」等、
強烈な歌詞の発表の場として、彼は時代に波に乗る格
好でロック・ミュージシャンの道を選んだと思う。

モリソンは歌手としては素人で、デビュー当時はその
内向的な性格から正面を向けず、客に背を向けて歌っ
たという。しかしやがて天賦のカリスマを発揮し、優
れたアジテーターとしてバンドを牽引し、メンバーも
また個性的なインプロバイザーとして、ライブでの表
現力を増していく。67年の1st、2nd共にそんな優れた
表現としての音楽が余すところなく収められている。
当時のレコーディング技術としては、ライブの躍動感
とスタジオでの整合感の両方を充実させたこの2枚の完
成度はちょっと類を見ないと思う。
376でんぷん:01/11/14 17:42 ID:adDZqrWa
(続き)

が、実際には彼らは「ハートに火をつけて」や「タッ
チ・ミー」等のヒット曲を持つアイドル・バンドとし
て扱われた。ちなみに、どちらもギタリストのロビー
・クリーガーの曲で、印象的なオルガンはもちろんレ
イ・マンザレクの手によるもの。バンドのコマーシャ
ルな面は彼等に支えられていた。TVショウで"HIGHER"
(ドラッグでハイになる)という歌詞を他の語に言い換
えてくれと言われても、そのまま歌ったり、モリスン
がライブでマスターベーションをする等のスキャンダ
ラスな挑発も、クレームで活動が困難になるという現
実が待つだけで、世の中が変わるような事は何も起こ
らなかった。モリスンのメッセージを集約した大作
"The Celebration of Lizard"は完成せず、一部
"Not To Touch The Earth"だけが3rdに収録。そし
て4th「ソフト・パレード」のタイトル曲は、それら
の挫折感に塗れた悲痛な歌である。ちなみにライブ盤
では"The Celebration of Lizard"の完全版も聞け
るが、歌詞に合った音楽が見出せない散漫な印象を受
ける。

3rd以降、バンドのテンションは下がり、モリスンは酒
に溺れて太り声も衰える。"MORRISON HOTEL"はメッセー
ジ色は後退するが、そんな彼らが音楽的に団結し、立
ち直ろうとしたアルバムで、力強いブルース色でまと
められている。ある意味、クリーガーやマンザレクが
自分の色を出さず、モリスンに寄り添ったとも言える。
そして次作の"L.A.WOMAN"は強力なR&Rのタイトル曲と、
美しいバラード"Riders On The Storm"を収録した傑作
となった。しかしアルバム・リリース3ヵ月後に、モ
リスンの死体がアパートの浴槽で発見される。バンド
は以後2枚のアルバムを残して解散。その後、モリスン
の生前の詩の朗読に、バンドが伴奏を付けたアルバム、
"American Prayer"が発表される。朗読の山場で演奏さ
れる「アルビノーニのアダージョ」は名演で、ファン
なら外せない一枚だろう。
377KOKI ◆aKwX/viw :01/11/14 19:08 ID:TheMzpJ6
個人的に最高のバンドのRIDEとThe Cureよろしくお願いします。
378名盤さん:01/11/14 22:26 ID:MvSs3GzA
チャリティのWhat's going on聞いて思ったが、
リミックスの定義って変わってきたよね。
Remixの歴史と定義を教えてほしい。
379名盤さん:01/11/14 23:18 ID:oRKOUtsb
age
380名盤さん:01/11/14 23:39 ID:oRKOUtsb
前に聞きましたがこのスレ住民が一番音楽にくわしそうなんで
再質問。
レココレ増刊「英国ロックの深い森」の表紙の
きれいな女は誰?本立ち読みしたがわからんかった。
381でんぷん:01/11/14 23:40 ID:Mx2s15u1
>>378

ダブもREMIXだと思うんですが、ダブの頃はそんな言い方は
してなかったような。 本来はミックスのやり直しですけど、
他人にREMIXさせる、て事ですよね、今は。80'sのハウスと
いうか、サンプラー登場以降ってことで。ピンク・フロイド
が81年に出したベスト盤には「マネー」のREMIX版が入って
ましたが、これは彼ら自身による、単なるミックスのやり直
しで、新しく音を入れたりはしてなかった。ただ私はこれで
初めて「別ヴァージョン」ではなくREMIXという言葉を知った
んですが。
ベスト盤やシングルB面に別ヴァージョンを入れるのは、80's
初頭にはもうありましたね。多いのはディスコ・バージョン
(笑)でした。これにはリズムの変化というよりも、曲を長く
する、という意味がまずあって、ディスコ・ブームは70's末
からですが、DJの存在がクローズ・アップされたのがここか
らなら、いわゆる12インチ・シングルもここから需要があっ
て生まれたんだと思います。で、12インチが流行って、普通
のシングル用のヴァージョンと、12インチ用の長いヴァージ
ョンの両方を出す。それをベスト盤に両方収録する。そんな
感じで「ヴァージョン違いトラック」なるものが認知されて
行った事は、REMIX版を考える上で重要かも知れません。
ついでに言えば、CDの出現ですね。いわゆるボーナス・トラ
ックというものはCD化に際し、LPよりたくさん曲が入るとい
う事でおまけ曲を入れて差別化するという発想で生まれたも
のです。また、シングルCDも従来の2曲だけでは余り過ぎる。
かと言って違う曲ではシングルらしくない。そこで別ヴァー
ジョンを入れる。これらの事が、REMIXの普及に一役買ってい
ると思います。
そしてサンプリングによるハウス・ミュージックの流行と。
直接のきっかけは知らないけど、YMOが初めて外注のDJによる
REMIX版を出したとき、原曲を留めない仕上がりになってて業
界を驚かしたという話を聞いたことがあります。あと、AFXの
リチャード・D・ジェームズも原曲を留めないREMIXで有名だ
そうです。そうやってテクノ系のアーティストを通して、ダン
ス・ミュージックの中からポピュラー全般へと、音響系も無視
できないと思いますが、広がっていったのかと。
・・・中身ない割に長くなったな(^^;)。
382(-_-):01/11/14 23:42 ID:Cl9oYsxP
380>アンブリックスか?(勘)
383冷静に見て ◆Fs550miQ :01/11/14 23:43 ID:jqijNMoZ
このスレほんと勉強になります。
384名盤さん:01/11/14 23:59 ID:oRKOUtsb
>>381
おおさっそくありがとうゴザイマス。
別ヴァージョンもremixと表示するようになってるんじゃ
ないかと思って質問したんですが、参考になりました。
昔の音楽辞典には「マスターテープの段階でいじったもの」(記憶イイカゲン)
とか定義してありますもんで。
385名盤さん:01/11/15 00:00 ID:/Jb+DR6h
382様もありがとゴザイマスだ。
ジャケで確認します。
386名盤さん:01/11/15 00:26 ID:ohwCRCLZ
TheKinksお願いします
387でんぷん:01/11/15 20:44 ID:8W+trB4s
>>364

「アメリカン・ロック」というお題なんですが、分不相応
なんで流します(^^;)。英国はロックも割と真っ直ぐに歴史
が辿れるんだけどアメリカは広くて、あちこちでバラバラ
に動くんで、難しい。ボブ・ディランという脈が一本通っ
てはいるけど、言うまでもなく彼はチャック・ベリーじゃ
ない。またディランやCSN&Yよりは、ソウル、R&Bを白人の
スタイルでやったというものがアメリカン・ロックとして
流通している面もあると思う。というかプレスリーもそう
なんだけど。ただ、彼自身はバラード歌手へ転進して行き、
一方で黒人R&Rは先細りして、つまり英国のようにこの道ん
十年という伝統芸能としてのロックというのが見え難い。
カントリーとブルース〜ソウルという2つの太い脈がぶつか
り合ってロックになっては、また戻って行くという印象。
ちなみにカントリー・ロックというジャンルは一見、正統
派のようで、バーズが「ロデオの恋人」でそれをやった時
には、ディランのエレキ化同様のブーイングが起こり、結
局、この手の音が表舞台に出たのは割と最近。同様にザ・
バンドはメンバーほとんどカナダ人だったりと、彼らのル
ーツ志向は意識的な追究の結果であり、深い根っこはなさ
そう。
グレイトフル・デッド、CCR、辺りからイーグルス、ドゥー
ビー・ブラザーズ、そしてソフト・ロック、AORに至る
西海岸ロックの線と、オールマン・ブラザーズ・バンド、
レイナード・スキナード等のサザン・ロック勢、さらにブ
ルー・オイスター・カルト、エアロスミス、GFR辺りは
線引きが難しいけど英国ハードロックからの影響がありそ
うな連中。それにベルベット・アンダーグラウンドを中心
にNYパンクに至るアンダー・グラウンド系。白人でディラ
ン以外ではこのぐらいが伝統と言えるのかな。ただ、ギタ
ーにファズ効かして未だに頑張るニール・ヤングという化
け物もいるけど。
後、グランジ以降は割愛するとしても、カレッジ・チャー
トについては書いとく。つまりは商業誌のチャートに頼ら
ず学生の口コミを中心に形成されるものらしく、実体はよ
く知らないけどREMやソニック・ユースのようなバンドをい
ち早く評価したり、JAMBANDという括り(内実はジャズ、カ
ントリー、エレクトロニカと多彩で複雑)を作り出したりと、
シーンの創造的な部分にはいつも出てくる。今のアメリカ
ン・ロックを語る上では重要だという気がしています。
388でんぷん:01/11/16 16:47 ID:SkuLrtn0
>>369
TALKING HEADS

1stが77年、ENOが参加した2ndが79年。痙攣したよ
うな声とリズム・ギターはNYパンク的、しかし曲
はR&B〜ファンク。冷静に考えると、両者において
リズム・ギターのセンスは決してかけ離れてはい
なくて、ファンク・リズムの再構築という、後に
ポップ・グループがもっと複雑にやった事をずっ
とスマートに仕上げていたのだと思う。
3rdの辺りでは、クリムゾンのロバート・フリップ
のゲスト参加やアフロ・リズムの導入など、新機
軸を打ち出しているが、ENOとの確執がこの頃から
生まれ、エスニック路線を追究したデビッド・バ
ーンとENOの「ブッシュ・オブ・ゴースツ」は高い
完成度にも関わらず、ENOは当時このアルバムとバ
ーンへの不満を公言して憚らなかった。
4th"Remain In Light"では、メンバー間で楽器を
交換する等、気分転換を図りながら作業が進むも、
結局は煮詰まり、アルバム終曲"The Overload"に
象徴される重い仕上がりになっている。しかし、
高まる緊張は緻密なアレンジと重層的なアフロ・
リズムを融合させる事に成功していて、このアル
バムで彼らの評価は一気に高まり、後のワールド
・ミュージック・シーンへの呼び水ともなった。
389でんぷん:01/11/16 16:49 ID:SkuLrtn0
(続き)

また、ここではエイドリアン・ブリューが参加し、
一曲目の奇妙なソロは彼のベスト・プレイだと個
人的には思うし、このアルバムの名声が、彼のク
リムゾン参加を決定づけたであろう事は想像に難
くない。ちなみに、フリップとブリューはENOを通
して、参加作は異なるものの共にデビッド・ボウ
イのアルバムでもプレイしている。
ブリューはバンドのリズム隊のプロジェクトであ
るトム・トム・クラブにも参加。彼らは先駆けて
ラップを取り入れたシングル"Wordy Rappinghood"
で話題になった。

で、ENOとは以後決別し、彼らは実験色とポップさ
を共存させるスマートさを徐々に取り戻して行く。
彼らは強力なライブ・バンドでもあり、難しい4th
の曲もアレンジを大胆に変更して聞かせたし、
"Stop Making Sense"という優れたライブ映画も作
っている。他にバーン主導で"True Stories"とい
うカルト・ムービーも制作して話題になった。
ただ、4thの成功のプレッシャーから正規アルバム
のインターバルは長くなり、バンドとしての活動
は停滞気味に。スミスのギタリスト、ジョニー・
マーをゲストに迎えた88年の傑作"Naked"がラスト
作になっている。
390名盤さん:01/11/16 16:49 ID:D6V5OqJz
ジョニ・ミッチェルお願いします。
391390
すいません。
ケイト・ブッシュもお願いします・・・