博物館の批評・感想を!

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242名無しさん@お宝いっぱい。
■江戸東京博物館
■ファインバーグ・コレクション展 江戸絵画の奇跡、2013年5.21−7.15
ttp://www.edo-tokyo-museum.or.jp/exhibition/special/2013/05/index.html
■従来から部分的には紹介されていたファインバーグ・コレクションの初公開展覧会です。
日本美術の外国人コレクションには、今は岩手県立美術館でやってるプライスコレクション、2010-11年に展覧会があったギッター・コレクション、2006年のバーク・コレクションなどがありますが、このファインバーグ夫妻の作品群もそれらに引けを取りません。
佳品・優品が多く、ハズレが少ないです。特に琳派が良いですが、最後の肉筆浮世絵も優品揃いです。

個人的にお勧めを列挙すると、鈴木其一の大和絵を代表する大幅「大江山図」、弟子の代作臭が少しますが晩年の酒井抱一の代表作「十二ヶ月花鳥図」12幅セット、ユーモラスな池大雅「孟嘉落帽・東坡戴笠図屏風」、来月にサントリー美術館で展覧会がある谷文晁の大幅2作、
ポスターにも使われてる今回の目玉・曾我蕭白「宇治川合戦図」、美術史で等閑視されてきたが、筆力は素晴らしく是非再評価して欲しい明治の蕭白・鈴木松年「月に雲図」、
謹直な作画姿勢で珍しい3幅対の礒田湖龍斎「松風村雨図」、江戸時代の遠近法を考える上で参考になる歌川豊春の浮絵「春景遊楽図」、名品だが娘の応為が彩色か代作したような気がする「源頼政の鵺退治図」などです。

前・後期で展示替えがあり、後期も山本梅逸や菱川師平の大作が出るので、後期も行くのをオススメします。強いて難を挙げれば、図録の出来が、英語文を多く収録認めか、日本語の解説が全体的に簡略なのが収録作品が良いだけに惜しいところ。