博物館の批評・感想を!

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106名無しさん@お宝いっぱい。
■東京国立近代美術館
■吉川霊華展 近代にうまれた線の探究者、2012年6月12日(火)〜7月29日(日)
ttp://www.momat.go.jp/Honkan/kikkawa_reika/index.html
■よくぞこんなマニアックな画家をやってくれた!、というのが最初の感想。
かつての名著、村松梢風の『本朝画人伝』でも読んでないと知らないだろ。

公式サイトの解説通り、とにかく線描が美しい。また、それにアクセントを
付けるための淡彩や胡粉の置き方が見事。讃文の書も、読めなくても
平安時代の最も質の高いかな草書に通じる高雅さを感じ取れる。
如何にも展覧会ウケする派手な大作は、最初の神龍図以外殆ど無いが、
これは霊華本人がそうした「展覧絵画」嫌ったことによる。

同じ金鈴社の同人で、去年展覧会があった松岡映丘は、色彩の
方に重きをおいたが、霊華はまた違った行き方である。
図録も1800円で売られているけど、ぶっちゃけ本物の良さが殆ど感じられない。
絵画のなかでも日本画は全般的にそうだが、霊華は特にそう感じる。
是非実物を見て、線の美しさに酔って頂きたい。