●ボディビルダーの筋肉は見せかけ 使える筋肉を●

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35無記無記名
マッチョの肉体が役に立たないというのはまったくのデマ。
俺が仕事で遭遇したあるマッチョの話をしよう。
それは工事現場での話だった。ある日、入ってきた新人は身長180cmをこえ体重は100kgを超える巨漢。その上脂肪はうっすらと乗っている程度。
そのマッチョに鉄製の足場を運ぶように命じたところ、常人では3本運ぶのがやっとという足場を一気に10本運び、その顔には笑みすら浮かんでいた。
正に工事現場では一騎当千のつわものであった。
そんなある日、現場で鉄骨が崩れある作業員が下敷きになった。
 
 「た・・助けてくれ・・くるしい・・・」

作業員が10人ほどで動かそうとするが動かない。
現場監督も、「もう駄目だ・・彼は助からん。残念だがあきらめざるを得ない。」といいうつむいている。
そこにある男の叫びが響き渡った。

 「ちょっとまったー!!貴様らそれでも男か!仲間を見殺しにするのか!!」

皆が振り返るとそこには上半身裸になった例のマッチョ作業員の姿がある。
マッチョ作業員は鉄骨に駆け寄りてっこつに手をかけ持ち上げ始めた。
しかし、びくともしない。だが、マッチョはあきらめようとしない。

 ヌォォォォー!!

マッチョの気合が現場にこだまする。と、その時鉄骨がぴくりと動く。
マッチョの腕は気合とともにどんどんバルクアップされていく。
鍛え上げられた広背筋は巨大岩のように大きくなり、腕は像の足のように太く感じられた。

 ウォォリャァァー!!

最後の気合とともに鉄骨は完全に作業員の体から離され、その隙に救出される。
と同時にマッチョの気合が尽き鉄骨が轟音とともに落とされる。
マッチョは力尽きて大の字に横たわっている。
冬の寒い日だったためにその体からは蒸気があがり、マッチョの周りだけ霧がかかっていた。
マッチョは一言つぶやいた

 フッ・・燃えたよ・・燃え尽きたよ・・・

その横顔は漢であった。