#090
-教職教養-
*1 (『21世紀を展望した我が国の教育の在り方』中央教育審議会第1次答申 1996年7月)
(国際理解教育) 国際化が進展する中にあって、広い視野とともに、異文化に対する理解や、
異なる文化をもつ人々とともに協調して生きていく態度などを育成することは、子どもたちにとって
極めて重要なことである。こうした教育は、既にこれまでにも、各学校において、各教科、道徳、
特別活動などの指導において、あるいが学校独自の行事などを通して、様々な形で取り組まれてきた
ところである。しかし、相互依存の関係が深まるこれからの国際社会を考えるとき、このような教育は
ますます重要なものとなってきており、これからの学校教育においては、国際理解教育の推進についての
明確な理念をもってこの面での教育を充実させていく必要があると考える。
国際理解教育を進めていくに当たって、とくに重要と考えられることは、多様な異文化の生活・習慣・価値観などについて、
「どちらが正しく、どちらが誤っている」ということではなく、「違い」を「違い」として(認識)していく
態度や相互に共通している点を見つけていく態度、相互の(歴史的伝統)・多元的な(価値観)を尊重しあう態度
などを育成していくことである。
一つのものの見方や考え方にとらわれて、異なる(文化)・生活・習慣などを断定的に評価するようなことは、
子どもたちをいたずらに(偏見)や誤った理解に陥らせる基になりかねず、決してあってはならないことである。
また、国際理解教育を進めていくに当たっては、自分自身が何ものであるのかを知ること、すなわち自分自身の
(座標軸)を明確にもつことが極めて重要である。このことなくしては、相手からも理解されず、また、相手を理解
することもできないと言わなければならない。日本人として、また、個人としての自己の確立があいまいで、自らの
よって立つ位置が不明確なままでは、国際的にも評価されないのである。 (#091に続く。)
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-一般教養-
*1 (倫理) 「人間は考える葦である」―これは(パスカル)の言葉である。
*2 (国語) いっしどうじん(一視同仁)…差別なく、全ての人に仁愛を施すこと。