■恐怖の怪談話■

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38可愛い奥様
私は都内の某女子大に通う2年生です。
学校から歩いて15分くらいのマンションに一人暮らしをしていたのですが、そのマンションで恐ろしい体験をしました。
そのマンションは築30年くらいの古めのマンションでしたが、家賃が破格で、部屋も広いし中は比較的きれいでしたので、入学したときにそこに決めました。
部屋は三階の一番端の部屋で、日当たりも良好でした。

しかし、その部屋で眠れない夜が続きました。
夜中の2時くらいになると、必ず隣の部屋から歌声が聞こえてくるのです。
最初は隣の人が音楽を聴いているんだなと思い、それほど大きな音ではなかったので気にとめなかったのですが、その音楽は毎晩同じ時間に聞こえてくると同時に、その音楽の不自然さが気になって仕方がありませんでした。
何が不自然かというと、その音楽のテンポおかしいのです。
遅くなったり早くなったり、不規則な音なのです。
レコードをかけて、手で円盤の回転を早くしたり遅くしたりするような感じでした。

一度気になり出すとどうしようもなく、それから寝不足の日々が続きました。
わたしも入居したばかりで、新参者なのに隣人に音がうるさいと文句も言いにくく、しばらくは耳栓などを買ってきて我慢していました。
が、とうとう我慢の限界を超えて、大家さんに相談しました。

すると、大家さんは私に言いました。

「あなたの隣の部屋には誰も住んでいませんよ」

「え!?そんな馬鹿な・・・・。毎晩音楽が聞こえてくるんですよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
大家さんはそのまま黙ってしまい、それ以上は何もいってくれませんでした。
私は友達にこのことを話し、私の部屋に泊まってもらいました。
夜中の二時、確かに音楽が聞こえてきます。
間違いなく隣の部屋からです。
男の子の友達もいて心強かったので、大家さんに隣の空き部屋のカギを借りて、友達4人と一緒に隣の部屋に行きました。
隣の部屋はガランとしていて、もちろん誰もいません。
音楽はどこから聞こえてくるのか確かめるため、部屋の中をよく調べました。

すると、音楽は隣の私の部屋から聞こえてくるではないか・・・・・。

あわてて自分の部屋に戻ると、その音は壁の中から聞こえてくることがわかりました。
二人ずつに別れて、互いの部屋の壁をよく調べました。
すると、部屋の外の廊下の、私の部屋と隣の部屋の玄関の間の壁に、ちょっとしたヒビが入っていることに気が付きました。
二センチくらいのヒビで、セメントで後から埋めた後があり、その補修したところが風化してボロッと崩れ落ちた感じです。
私はその中を覗きました。

「ギャーーーーーーーーーッッッ!!!」

私は夜中にもかかわらず、思わず金切り声を上げてしまいました。
なんと、その壁のビビの中から女の人の目が見えたのです。
私が覗いたら向こうもこちらを見ていました。
真っ暗な壁の中で、異様に白く光るギョロッとした目が、私を見つめていました。
その目が女の人の目であることが、なぜか妙にはっきりとわかりました。
マンション内の人や大家も駆けつけ、その後警察もかけつけました。
壁を壊してみると、壁の中から若い女の人の白骨死体が発見されました。
警察の調べでは、ガイシャの女の人は7〜8年前に私の部屋に住んでいた若い女性で、行方不明になっていたそうです。
死後5年は経っており、ナイフで刺殺された後に壁に埋められたようです。
大家さんが観念して話してくれたのですが、私の部屋と隣の部屋の入居者から同様の苦情が多く、人が入ってもすぐに出ていってしまうので破格で貸し出していたようです。
壁の中の女の人は、自分を発見してほしくて訴えかけていたのでしょうか・・・・