県が上告を断念 司法判断踏まえ
飲酒翌日の酒気帯び運転で2009年に懲戒免職となった長野市の元中学校教諭の坪井香陽(かよ)さん(43)が、処分取り消しを求め、1審に続き2審・東京高裁も取り消しを命じる判決を言い渡した訴訟で、
長野県教委は11日、県が上告を断念すると発表した。坪井さんは、上告期限が過ぎ判決が確定する13日に復職する。
裁判は、「免職」処分が重すぎるかどうかが争点だった。東京高裁は先月29日、「過失が重大とは言えず、懲戒処分は相当だが、免職は妥当性を欠き、裁量権を乱用したもので違法」と1審判決を支持した。
県教委は記者会見で「懲戒処分の判断が相当であるという主張が認められた」としながらも、「類似の裁判事例に照らし、上告の理由となる事由がない」と述べた。
全国的に自治体職員が酒気帯び運転などで受けた免職処分を見直す司法判断が相次いでいることなども踏まえたと説明した。
坪井さんの懲戒免職処分は上告期限を過ぎた13日で取り消され、元の教職の地位を回復する。県教委は、本人の意向や関係機関を調整しながら、具体的な復帰手続きを進めるという。
花束を持つ坪井さん
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