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可愛い奥様:
2013年(平成25年)2月24日付 読売新聞日曜版3面 皇室ダイアリー
No.186 両陛下
危険顧みぬ隊員を慰労
今月14日の皇居・宮殿は、いつもとは少し違う雰囲気に包まれていた。ふだんはモーニングやドレスを着た外国賓客や文化人の夫妻らが集う小宴会用の部屋
「連翠」。この日、天皇、皇后両陛下から招かれていたのは、国連平和維持活動(PKO)に参加した隊員たちだった。その多くは制服姿の武骨な自衛官だ。
大論争の末、日本が初めてPKO法に基づき、人員を海外に派遣したのは1992年。危険を伴う厳しい環境の下で平和維持に尽力した隊員の苦労をねぎらい
たいと、両陛下は翌93年から帰国した隊員をお茶会に招かれてきた。
10回目となった今回は、2011〜13年にハイチ、南スーダン、中東・ゴラン高原、東ティモールで活動してきた12部隊の代表者168人が出席。天皇陛下は
部隊の代表者にそれぞれ「ご苦労さまでした」とお辞儀をして労をねぎらわれた。皇后さまも「水などを運ぶのがとても危険だったのでしょう」と優しく声を
かけられた。
両陛下を前にした隊員たちは、ほおを紅潮させたり、緊張した面持ちで伏し目がちだったり。静かな中にも隊員たちの高揚感が伝わってきた会は、予定より15分
オーバーの45分間に及んだ。
社会部宮内庁担当 太田雅之