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可愛い奥様:
今日は祖母の命日。なので一つ生前に聞いた話をさせて下さい
我が家は代々、水泳に力を入れており、大伯父がベルリンオリンピック代表を誉れとし、祖父も水泳を頑張っていた
戦時中、地元に昭和天皇が行幸の折り、御前で泳術を披露することになった。
しかし大伯父は体を壊していて、代わりに祖父が披露することになったが、ものすごく緊張してしまったらしい。
「失敗したら死のう」まで思いながらそっと陛下を見ると、何か力が涌いてきたそうだ。
「陛下がご覧になっている。やってやる!!」
陛下が自分をご覧になっている。それを感じただけで嬉しくなり、何が何でもやり遂げる!と思えたらしい。
でも、きっとこれは今上でも同じだろう。天覧試合はする方は緊張しながらも
「自分たちを陛下が見て下さっている」
それが誇らしくて嬉しくて、どんなことをしても勝ってみせる!と力を尽くす。
だから数々の名勝負、名シーンがあるのだろう。
ちなみに祖母は日頃は祖父のことをあーだこーだ言っていたが、その話をする時だけは「まぁ、普段よりかはマシな顔だった」らしい
祖母の性格上、「見違えるほどステキ」という意味だが、祖父がそんな風になるほど天覧のすごさを感じました