ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて [著]安田浩一
[評者]大澤真幸(社会学者)
■「反在日」は国に愛されたい証しなのか
在特会が結成されたのは、07年1月だという。在特会の「広報局長」によると、「母体となったのは『2ちゃんねる』のようなネット掲示板で、保守的な意識をもって活動≠オてきた人たち」だそうだ。
桜井誠という1972年生まれの男性が会長で、彼が主宰していた「東亜細亜問題研究会」なるネット上の「勉強会」を発展的に解消するかたちで、在特会は作られた。
「桜井誠」というのは本名ではなく、「ハンドルネーム」である。在特会のメンバーはほとんどハンドルネームで呼び合い、よほど親しくならない限り互いの本名や職業を教え合うこともないとのこと。
2ちゃんねるなどのネットの関係が、そのまま現実の社会生活に延長されていることが、こうした習慣にも現れている。
ともあれ、その桜井誠は演説が巧みで、在特会員の間でカリスマ的な人気をもっている。本書によれば、桜井はかなり勉強もしていて、知識も豊富である。
ところで、在日特権とは何だろうか。在日コリアンは「特権」などもっていただろうか。在特会が批判している、在日の「四大特権」は、「永住資格」「朝鮮人学校補助金交付」「生活保護」「通名」の四つだが、
本書にていねいに解説されているように、少なくとも日本人がうらやましくなるような「特権」ではない。たとえば、生活保護を受給している世帯の比率は日本人世帯よりも韓国・朝鮮人世帯において高いが、
それは、生活保護が給付されるような困窮世帯の割合が後者において高いからであって、韓国・朝鮮人に優先的に生活保護費が回されているからではない。
在特会のメンバーはいつもハンドルネームを使っていて、本名を隠しているのに、在日の人たちが通名を使うのがどうしてそんなに不愉快なのか、と思ったりもする。
全文
http://book.asahi.com/ebook/master/2012102400001.html 前スレ
在日特権?普通の日本人には羨ましくも何ともないw
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