私たちが最後に手紙を交わしたのは更に数か月前のことです。八歳になった私の娘が真央に
バンクーバーオリンピック後のお祝いの手紙を送ったのです。
それから数週間後、そんな手紙を送ったことも忘れかけていた頃、私の元に小包が送られてきました。
中には真央親子からの温かいメッセージが添えられた娘への贈り物がいくつも入っていました。
スケート姿の真央を描いたオルゴール(?)もありました。今は私たちの家の目立つところに飾ってあります。
そんなふうに私たち一家と浅田一家は付き合いがありましたが、私は一度もそれを彼女についての報道に
影響させたことはありません。批判すべき時には、私はちゃんと批判をしました。そして賞賛すべきところでは、
ちゃんと賞賛もしてきました。
浅田親子はどちらも、それが私の仕事であることをよく理解してくれていました。
最期に何を残したかでその人を判断できるとするなら、真央の母は金メダルを勝ち取れるでしょう。
あまりに多くのアスリートや若者が愚かな振る舞いをする時代で、彼女はその経歴に一点の汚点もない二人の美しい姉妹を残したのです。
それがすべてを語っています。過去の事例を見ると分かるように、フィギュアの世界で子供を育てるのは容易なことでなありません。
彼女はそれを二度も成し遂げたのです。
私は多くのアスリートを知っていますが、真央は私が出会った中で最も愛されているアスリートです。
ここ数日間、日本国内でも世界中でも、彼女へたくさんの愛が注がれましたが、それはとても素晴らしいことでした。
こんな時になると、人はベストを引き出されるのでしょう。
こんなにも若い年齢で母を失った悲しみは消えないでしょうが、それでも真央が前へ進んでいくfortitudeを見つけられるよう祈るしかありません。
日本選手権まで2週間を切っています。真央は大会に参加するつもりだと月曜日に宣言しました。
宣言通りに彼女が参加してくれることを願っています。
『人生の20パーセントはあなたに何がふりかかるかで、残りの80パーセントはあなたがそれにどう対処するかにかかっている』と
かつて賢者は言いました。
まさにその通りだと私は思っています。
(おしまい)
http://www.japantimes.co.jp/text/sp20111214it.html