カネミ油症:「子孫にも影響」被害訴え 都内で市民集会
食用油にダイオキシン類が混入し1968年(昭和43年)に西日本一帯で起きた食品公害
「カネミ油症」 の被害者救済法制定を求める市民集会が16日、東京都内であった。
福岡・長崎・高知在住の被害者10人が参加者約140人の前で、子や孫にも影響が及ぶ
健康被害を訴えた。
長崎県諫早市の患者、下田順子さん(49)の長女(21)は初参加し 「油症を知らない
同世代に被害を知らせたい」 と語った。けがや風邪が生まれつき治りにくく病院通い
が続いた。高校時代に2世患者と聞き、次第に 「自分の言葉で訴えたい」 と考えた
という。下田さんも 「私は骨・内臓・神経系、あらゆる病気に苦しんだ。命のバトン
とともに猛毒も(子に)引き継がれる」 と涙声で話した。
患者の健康被害は婦人科系疾患やがんなど今も全身に及ぶが、公的救済策はない。患
者や支援者は、健康管理手当支給などの救済法制定を訴えている。
毎日新聞 【高倉友彰】 2010年10月17日
http://mainichi.jp/select/science/news/20101017ddm041040070000c.html