上例 5.(Haben Sie keinen Hunger?)のように、疑問文に否定詞(keinen)があるとき、 これを打ち消して<肯定>の返事をする場合には doch を使います(Doch, ich habe Hunger.)。 また上の Haben Sie keinen Hunger? に対して「ええ、すいていません」というように<否定>の返事をする ときには:Nein, ich habe keinen Hunger. といいます。 Nein を「いいえ」ではなく、「ええ」「はい」と訳すことに気をつけましょう。日本語式に Ja と言ってはいけません。 否定詞を含む返事のときは nein を使うのがドイツ語とかぎらず英・仏語、その他ヨーロッパの言語に共通の現象です。
これは皆さんご存じの通りです。 ドイツ語では否定疑問文に対して<肯定>の答えをする際の doch が問題となりますが、 ここでは話を分かりやすくするため、英語の否定疑問文から始めることにします。 英語では否定疑問文に対する答えは、<肯定>の答えなら yes、<否定>の答えは no となります。
Don`t you like American movies? 「アメリカ映画はお好きではなのですか?」 Yes, I do. 「いや、好きですよ」 No, I don`t. 「ええ、好きではありません」
つまり英語では、疑問文が肯定の形をしていようが、否定の形をしていようが、 答えが否定文でなく肯定文であれば yes を、否定文であれば no を使うということになります。 確認のため、肯定疑問文の場合と比較しておきます。